東京都D区
「久しぶりに来たな......」
「前に来た事あんの?」
私は引鉄美咲、『自衛隊怪生物対策班』の隊員の女だ。今、一二.七mm機関銃や装甲車などで守られた鉄の扉を霧雨大樹さんという『山手線マン』というヒーローに憧れていた男と同居するアパートに向かていた。二年前に訪れたことがあるとはいえ、不気味な雰囲気は一層深まっている。
「えぇ、二年前に......」
大勢の市民や仲間が死んでいった異世界への最前線。もう二度と来ることは無いと思っていた。道の両脇や道路に時々視線を移すと、建物の窓ガラスが内側に向かって壊されていた。この危険地帯にも空き巣は存在していた。ただその代償にバールを持ったままの骸が転がっていた。
「あの、こんなところに住んでるんですか?大家さんは?」
「ビビって逃げちゃったよ。お陰で家賃も水道代も電気代も全て無しになった」
「じゃあ、取り立ても?」
「俺、借金ないよ、それに当たったとしても怖くてこの街に来れないよ」
「そういう貴方は怖くないんですか?」
「怖いといか、平和すぎるくらいなんだよね、昔はこの辺も祭りとかでうるさい位賑わっていたけど......」
「けど?」
「あの事件皆引っ越していった」
「何かごめんなさい...」
「それに、この街に住んでるのは俺以外にもいるよ」
「は?それはどういう事ですか?!」
「非常に数は少ないけど、怖いもの知らずか、引鉄さんみたいに銃を扱うマタギみたいな人かくらいかな」
「その人たちが住んでる建物も電気代とか水道代とか、ガス代とかも無料なんですか?」
「まあね、この街が平和を取り戻したらの話だけどね」
「避難勧告とかは無かったんですか?」
「あったけど、今は自己責任かな」
マジかよ...。けど目の前で鋼鉄の大巨人を粉砕する強さを見せつけられたら。納得してしまう。数年越しに見つけた霧雨大樹とこの超危険地帯の二階建てのアパートに住んでいる。ていうか二度と離れたくないなのでこの人と同じ日本政府公認の『超人協会』の試験を受け合格した。私以外の女見てたのどういう事かなぁ?
「ところでさ、試験の時、私以外の女と楽しそうに話してたよね?」
「いや、だって一〇式戦車かっちょ良かったんだもん!俺、車を修理するバイトしてたからさぁ......」
「ふうん、そうなんだ」
「いや、ごめん。こんなオタク嫌いだよなぁ?」
「いや、別にいいんじゃない?それよりも私を見てね?」
ま、危険地帯だっていうし、万が一のために狩猟免許取っておいて良かったぁ。上下二連散弾銃に、手動式ライフル(対ヒグマ用ボルトアクションライフル)これでこの男と私の子供を守っていく。魔術って便利だね。だって私みたいな素人でも人を眠らせることが出来るんだよ。私はすっぽんぽんの素っ裸で子供りセックスを本人に気付かれることなく夜明けまでやった。ごちそうさまでした。




