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波を感じて  作者: 石芋
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14話

職場へ着くと受付の人が手招きをしていた。


「書類持ってきた?」


「これで全部の筈です」


渡すと、書類の枚数を確認し始める。周囲を見ると、いつも通り2、3人のグループが数組話をしている。内容は分からないが、仕事関係なのだろう。


「よし、全部あるね」


「そういえば今日仕事ってありますか?」


「あるにはあるけど、、あっても40万だよ?」


「結構安いですね」


「それだけ平和ってことだよ」


結局目ぼしい仕事が無かったので引き受けなかった。それと、こういった50万にも届かない仕事を乱獲するのは他の人にとって迷惑になる。副業的な立ち位置で危険性の低いミッションをやっている人だって居るのだ。


「じゃあまた明後日来ます」


「しっかり休んでねー」


家に帰ってきたが、することが無い。明日は学校が無い上、家事も全て終わっている。その時、次の日行きたい場所を思い付いた。ほんの少し遠いため、その日は11時くらいに寝た。



「良いか笹生、自分から攻撃を当てに行くときは優先的に足技を使え」


「足ですか?」


「そうだ。DMICの性質上、大きい筋肉の方が強化率が高い。それと、、ちょっと殴りに来てみろ」


言われるがまま右でストレートを打ってみると、裏拳で軌道をずらされて相手の顔の横を通る。


「こういう風にちょっと押すだけで軌道がズレて当たらなくなる。次は蹴ってみろ」


今度は右足で後ろ回し蹴りをしてみると、相手は右前腕で蹴りを受け止めて、自分から蹴り抜き方向へと飛ぶことで威力を軽減する。


「っていったように、足技は基本的に威力が高くて受け止めにくい。だからDMIC使用時なら足技を使って相手の動きを止めてから銃を使った方がプラスになることが多い」



目覚ましの音が鳴る。現在7時だ。


「未来の夢の次は過去かよ」


起きた瞬間は冷静になるものだ。夢について冷静に対処する。


「続きに何か言ってた気がするけど忘れたな、」


1分くらい思い出そうと努力してみたが、結果は変わらなかった。


「あ、そうだった。もう行かないとか」


外で朝食を済ませ、タクシーで射撃場へと向かう。あのロングレンジがある場所だ。


中に入ると1人ロングレンジ方向にスナイパーの銃口を向けている人が居た。伏せているが、体つきは見たことがある。しっかり引き金を引いた後に声を掛ける。


「蒼井さん。もう治りましたか?」


「ん?あぁ、笹生か」


意外に蒼井さんはすんなり状況を受け入れていた。銃のマガジンを抜き、コッキングをして薬室内の弾丸を出してからこちらを向く。


「全然治ってないよ。激しく動いたら絶対に傷口が開くくらい」


「それでも練習するってどういうことですか」


蒼井さんは少し笑みを浮かべ、目を合わせてくる。


「まぁ、、とりあえずありがとう。結構危なかったらしいじゃん」


「一時はどうなることかと思いましたよ。でも命を拾えてたのなら良かったです」


「ホントに笹生様様だよ。お礼にしては安いけどこいつで1発撃ってみる?」


「大事な銃を触っても良いのならお言葉に甘えさせて頂きます」


マガジンを挿し、コッキングして薬室に装填する。スコープを覗くと、20倍の景色が見える。そこから自転、重力、風向き等、すべての情報を計算する。


大体の位置に照準を合わせ、引き金を引く。およそ半秒後、的が大きく揺れる。が、10cm内には入っておらず、目測で20cmくらい中心からズレていた。


「中々上手いじゃん」


「そうですか?自分あんまり上手くないので嬉しいですね」


「冗談キツいよ」


丁度良くスマホから通知音が鳴る。開いてみると、加賀さんからだった。


「あっ」


「ん?どうかしたか?」


「いや、何でも」


メッセージは宿泊の誘い。普通なら喜んで行くが、あの夢を見た後のこれは少し抵抗が起きる。


「蒼井さん今週の土日空いてます?」


「今週はちょっと無理だな」


「分かりました」


加賀さんへメッセージを返す。


[何か特別なもの準備した方が良いですか?]


[せっかく人が居ないし仕事の道具だったりを見せ合うのはどう?]


[良いですね。仕事で良く使う物何個か持って行きます]


土日は命日かなと考えつつ、蒼井さんに話し掛ける。


「また機会があれば呼びますね」


「オッケ~、待ってるからな」



「はぁー」


学校で昨日の出来事を思い出す。土曜日まで数日あるが、体感1年程だ。その前に仕事もある。


「笹生やっぱ調子悪そうじゃん」


「有野には絶対分からないだろうね」


「ワンチャン分かるかもしれないじゃん?」


「絶対に内緒だから!」


少し笑いながら言う。


「ふーん、笹生もついに彼女か」


「違うって」



「何か良い仕事ありました?」


「これとかどう?」


約束通り二日後に来た。おすすめされた仕事はただの制圧。しかしただの制圧では無かった。


「立て籠りですか」


「まぁ警察に気付かれないように人質回収が絶対条件だからキツいよ?その分報酬は高い」


警察に気付かれないということがどれだけ難しいか。知り合いに警察官が居れば、、居たな確か。


「受けます。今からですよね?」


「そうだ。まだニュースになっていないから今がチャンスだな」


じゃあ行ってきます


A456 報酬金120万円の仕事が始まった。

この話について


基本的に人間の出来ないことはあまりしません。する時にはDMIC込みで出来るレベルまでです。そして使っている技は実際に掛けれたら良いなレベルです。

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