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第25話 土葬屋 7

25話目投稿しました!!

 

 土日はすみません!! パワプロ楽しかったです!!


 新しく

「いつの間にか異世界の怪しい宗教の神になっていた引きこもり〜ワケあり信者達と関わり生活が一変する〜」

 を投稿しました! 10話以内で終わると思うのですが、是非読んで下さい!


 

 ここは……?


 目を覚ますと薄暗い部屋の中だった。


 アラクネイヤと戦ってその最中に魔力が切れてそれで……


 アセビは? 彼女はどこだ?


 ここまで運んでくれたのか?


 私はベッドから立ち上がり部屋を出る。


 出た先は広い廊下、どこかの屋敷だろうか。


 えらくボロボロで天井には蜘蛛の巣がびっしりと張られている。


 魔力は少し回復しているが何があるかわからないから無闇には使えない。


 歩いていくと階段が見えてきた。


 降りようと思い、近付こうとしたその時、隣に気配を感じ即座に壁に背を当て隠れる。


「風の魔精よ 魔の物から姿を隠す羽衣となれ」


 私の身体に風がまとわりつき、相手から見えなくなる。


 少し顔を壁から出し、様子を見る。


 奥にはベランダがあり、こちらに背を向けて椅子に座る人と、古びたドレスを着た金髪の少女がいた。


「風葬屋、命令通り勇者を捕らえることに成功したわ。あと順調に私の子供たちも成長してるから、あと数日したらそっちに百匹ほど送れるわ。えぇ、わかってるわよ。じゃあまた」


 誰かと話しているのか? 隣の男と?


 そんなふうには見えない、何かの魔法か?


 様々な事を考えながら監視していると、ベランダの下からアラクネイヤが登ってきた。


「ナカマタチガヘンナオトコニギャクサツサレテルワ……ナントカシテチョウダイ」


「は? 手間かけさせないでよ。今からお楽しみだったのに……案内しなさい」


 アラクネイヤは金髪の少女を抱きかかえるとベランダから降り、森の中へと入って行った。


 私は怪物が立ち去った後、椅子に座る男に近付く。


 ピクリとも動いていない。


 私は顔を覗き込む。


「これは……」


 その男には目が無く、口は開きっぱなしになり、見るに耐えないことになっていた。


 首にかけているチェーンを引っ張り出す。


 ギルドカードだ。名前はハント、有名な夫婦冒険者の夫だ。

 

 迷いの森専門の任務をこなすパーティーと聞いていたが、この様子だと何も出来ずにやられてしまった様だ。


 私は彼のギルドカードをポケットにしまう。


 ベランダを後にした、階段前まで戻る。


 アセビが捕まっている、助け出さなければならない。


「風の魔精よ 周囲の風を操り、彼女の居場所を示せ」


 弱い風が館全体に巡る。


 感じろ、彼女の呼吸音を、心臓の音を、それ以外の音は要らない。


 鼓膜に彼女の呼吸音が響く。


 風が運んで来たようだ。場所は一階か?


 階段を降りるとき、壁にある紋章が装飾されているのが見えた。


 この紋章、どこかで見た事がある。


 これは、ウァイブリッシュ家の紋章か?


 ウァイブリッシュ家、元々迷いの森の管理者の家系。


 一族の者は迷いの森を操る事が出来ると言われているが使用人とウァイブリッシュの娘が駆け落ちしたせいで断絶したと聞いたのだが。


 ここがウァイブリッシュ家の屋敷ってことか。

 

 今では怪物達の住処になっているようだが……


 警戒しながら階段を下り、辺りを見渡すがアラクネイヤはいない。


 階段近くの大きな扉を開ける、ここにアセビが居るはずだ。


 部屋の中央には大きな長テーブルがあり、その上にアセビが寝かされていた。



「アセビ!! 起きなさい!!」


「……んぅ? ここは? 変な紅茶を飲んでそれで……ユリィ? 動いて大丈夫なんですか?」


「アタシは大丈夫よ、それよりアンタ、何があったの?」


「それは──」


 彼女から事の経緯を聞いた。


 なるほど、助けて貰った女がさっき屋敷から出ていったアイツということか。



「ホントになんともないの?」


「はい、それどころか元気です」


 なんとも怪しい紅茶だ。


 何も無ければよいのだが……

 

「とにかくアイツらがいつ戻って来るかわからないわ。早くここから出てキャンプ地に戻りましょ」


 私達は館からなんとか脱出し、勇者が通ったという道を歩く。


「勇者、アンタよく道がわかるわね」


「わかるというか、導かれているというか。何でしょう、なにかがこっちだって語りかけてきてるんです」

 

 どれくらい歩いたのだろうか。  


 結構な時間を歩いたと思うがこの間、アラクネイヤ達に遭遇する事はなかった。


「ここらへんでしょうか」


 彼女はそう呟くと開けた場所に出た。


「クソ、何なのあいつ! この身体じゃ再生が追い付かないわ……魔王軍四天王の私がこんなところで死ねないわ。早く、早く」

 

 そこには館にいた少女が木に背を預けて横たわっていた。


 よく見れば背中からは蜘蛛の脚が生えており、左側部分が切断されている。


 左腕も切断されており右足も無い。


 一体何があった?



 それにしても彼女は魔王軍四天王といっていた。


 この事件は魔王軍が引き起こした事なのか?


 

 アセビはその少女に近付いて行く。


「待ちなさいアセビ!」


 呼び止めるが聞こえていないのかどんどん近付いていく。


「……あら? 来たようね、全く遅いわよ」


 木に背を預ける満身創痍な少女はフレンドリーにアセビに話し掛ける。


「………」


 アセビは黙ったまま、彼女の目の前でピクリとも動かない。


 何かやばい! 冒険者としての勘が警告している。


「炎の魔精よ 魔の物を焼き尽くす──」 


 魔法を詠唱しようとしたその時、背中に途轍もない衝撃が襲う。


 地面に吹き飛ばされ、動けなくなる。


 視線をそちらにやるとアラクネイヤがニッタリと笑っていた。


 目線をアセビの方にやる。


 あの少女がアセビに近付き、彼女の腹に指を突き刺したのが見えた。


 叫ぼうとしたが口から大量の血を吐き出して声が出ない。


 血で溺れそうだ。


 内蔵がやられてしまったらしい。 


 これでは詠唱が出来ない、どうすれば……


 アラクネイヤは私に近付き蜘蛛の顔を大きく開く。捕食するつもりか?


 なんて役立たずなんだ、なんて無力なんだ。


 今の攻撃さえ察知できれば、避けれてさえいれば、こんな奴なんかに負けないのに。  


 私は最後抵抗としてアラクネイヤを睨みつけるが、アラクネイヤの表情は変わらずニタニタしている。


 蜘蛛は近付き、私の頭を──


 ──噛みちぎることは無く、蜘蛛の身体と人間の身体は左右に真っ二つに斬れた。


 ただの土塊となったアラクネイヤの残骸の後ろに、月の光が反射して輝く大剣を担いだデルシオンがいた。

  

「なんでここが!?」


 指を引き抜いた少女が驚愕の声を上げる。

    

「煩いな、早く死んでくれ」


 何が起こったのかわからなかった。


 目の前の彼はいつの間にか少女との距離を詰めており、大剣を振るスピードとは考えられない速さで剣を振り抜く。


 そのスピードに反応出来なかった少女は腰から上が血を撒き散らしながら宙を舞った。


 

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