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第10話 〇〇世界における魔王国の建国

序章最終話です。

物語の肝になりますので是非最後まで読んでいただけると幸いです。

「お疲れ様でした。ジーク様」


 戦闘が終わると不意に後ろから声をかけられる。

 振り返るとそこには、腰まで伸びてる黒髪ロングがまぶしい、クールビューティーといった言葉がぴったりなメイドが立っていた。


火凛(かりん)か」


 彼女の名前は火凛(かりん)。お察しの通り魔王国のメイドだ。

 ただし彼女は一般メイドではなく、俺の専属メイドになる。


 戦闘力こそマーレやイブキには及ばないが雑事をこなす能力は2人にも負けず、更に気配りがきき3歩後ろを歩いて男をたててくれる彼女は日本男児である俺にストライクだ。


「あとの処理は我々が。ジーク様はお休みくださいませ」


 パチン、と指を鳴らすと数人の使用人が現れ、俺が倒した男たちを運んでいく。見事な手際だ。


「すまないな。喋りすぎて喉が乾いていたところだ。少し休ませてもらおう」

「はい。お部屋に冷たい飲み物を用意させていただいております。おくつろぎ下さいませ」

「ふふ。お前には敵わないな」


俺は懐より虹色の指輪を取り出し、魔力を込める。


「開け、虹彩放つ次元橋(ビフレスト)


目の前に虹色の光を放つゲートが現れる。


「後は任せた」


お辞儀して見送る彼女達を背に俺は自室へと次元跳躍ワープしたのだった。


 


 


 


 


 


 


 ◇


 


 


 


 


 


 魔王城『王の間』そのさらに上の部屋が俺の自室だ。

 魔王の自室ともなればきらびやかなものを想像するかもしれないが、落ち着かなくなってしまうので作業用の机と簡素な収納棚とベッドくらいしか置いてない。


 そんなことが知られたらもっと豪勢な部屋にされそうだが、この部屋に入れるのはマーレとイブキ、火凛(かりん)の3人だけなので心配いらない。


 そんなこの部屋唯一の見どころは小さいバルコニーであり、そこから魔王国全体を見下ろすことが出来るところだ。


 

「いつ見てもここからの景色はいいものだな」

「ええ、魔人達がのびのびと暮らし、笑いあってる光景など世界中見渡してもここにしかないでしょう」

「もう少し感傷に浸っていたいけど、そろそろ休憩も終わりか。報告を聞かせてくれ」


 

 俺は火凛(かりん)が用意してくれていた果実水をあおるとテーブルに空になったグラスを置き、マーレに話を促す。



「はい、それでは報告させていただきます」


 彼女に依頼した調査は超重要案件であり、この国の今後を決める指針となるものだ。耳をこらし頭をフル回転させて聞く準備をさせる。


「まず現状もっとも復興が早く、我々の脅威になりそうな国ですが……」


 

 そう、彼女に調べてもらったのが周辺国の内情だ。


 3か月前に起きた大災害はすべての国に甚大な被害をもたらした。


 この国に侵入者が少ないのも、まだその傷が癒えてない国がほとんどだからだ。


 


「やはり……」


 


 


 


 


 


「アメリカですね」


 


 


 


 


 


「そうか、あそこは指導者も優秀だからな。早いうちに手を打たねば脅威になるな」

「はい。他にも腕利きの道士を多数抱える中国や、魔法使いの本場であるヨーロッパの国々も怪しい動きを見せています」


「わかった。おおむね想定通りだな。引き続き頼む」


「はい。それでは失礼します」


 彼女は恭しく一礼すると部屋を出る。


「はぁ……いまだに信じられねえよな……」


 俺は再び街を眺め、嘆息する。


「これが俺たちの住んでいた地球だなんて……」


 そう、魔法飛び交うこの世界は決して異世界やゲームの世界ではない。


 現実世界の出来事なのだ。


 




 さあ


 

 今こそ話そう。


 俺の身に起きたことを。

 この世界に起きたことを。

 俺が何を失い、手に入れ、ここに辿り着いたかを。


 


 これが、現実世界における魔王国建国の経緯いきさつだ。


 

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