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幻想旅団Brave and Pumpkin【UE】  作者: 睦月スバル
決意と試練のアステリズム
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イベントスキット7 霊衣

《杉原清人》


時間は少し遡るーー。



「ハロウィンコスとか誰得なんだよ…」


入っていたのはハロウィン色の強い服装の上下セットだった。

吸血鬼をイメージした紫のワンポイントのあるスーツに…またもや赤いリボン。それにシルクハット。

更に髑髏を模した指輪にモノクルまで付いてくる豪華っぷりだ。


「…判別付かないな。コレ、検索系のスキル無いと分からないパターンか」


取り敢えず一式回収した後にジャックと合流した。


「ジャックー」


「ん?どうしたのかな?」


「服と指輪とモノクル拾ったー」


ジャックはふむふむと頷くと一度服と指輪とモノクルねぇ、と繰り返して、むっ?と首を傾げた。


「いやそれあり得ないでしょ」


「それがあるんだな…」


「そんな馬鹿な…ってあるし!?え?清人、まさか犯罪に手を!?」


「いや、もう既に殺しもしてるし。今更宝箱の一つ位…」


「あぁそうだったねぇ…」


と言いながらも一式を品定めする。


「うーん。これ清人装備出来ないパターンのヤツじゃないかな?」


「あー、俺霊衣縛りか…」


俺の霊衣とやらは自動的に体にフィットするわ適温にしてくれるは防刃性に優れるわ、入れ口が小さいが無限収納もあり正にかゆいところに手の届くような素晴らしい性能をしている。

因みにシワもピッシリしてるし気付けば綺麗になってて衛生的。

故に面倒な時は寝巻き代わりにも使う代物だ。

他の…装備?が着れない位のデメリット位はあっても良いだろう。


「カルクィンジェ・レプリカの情報によるとね。この服は『墓守の服』って言って墓守特権を一回使えるようになるね。具体的には『試練の洞窟』の任意の場所にワープ出来るってのと…魔素カルマの消費軽減、魔素カルマ感知能力の付与。跳躍、立体起動に補正、でも防刃性能にマイナス補正、状態異常悪化付与…デメリットが酷いね」


「強くないか?」


「まぁ、清人には着れないけど」


「やっぱりなぁ…」


「だから『墓守の服』を霊衣に食べさせないとね」


ん?

食べさせる?


「いや、ホラ。RPGで初期装備縛りしてるのと違うんだし、装備した方が良いでしょ?」


「いや、食べさせる?って何だ」


「霊衣に合成させるんだよ。簡易ステータスの設定画面からONにすると表示されるようになるよ」


「それを先に言ってくれ…」


早速簡易ステータスを開き合成をタップする。


すると霊衣が光り輝きーー俺は件のハロウィンコスを着ていた…棺桶付きで。

何故に棺桶?と思ったが、分かった。

これ無限収納だ。入れ口も広がって利便性が高くなってる。奇襲性は減るが中々良さそうだ。


「って!?何かハエが出てきた!?生体もこの中に入れるのかよ!正に棺桶だな」


「試着がてらもう一回位狩りでもしたら?」


そうするかと再び齧歯類が跋扈する区画に移動した。

したのだが…。


「これ戦闘しなくても収納出来るんじゃないか?」


試しに齧歯類マウスを収納する。

…収納出来てしまった。

取り出して見ると元気に動く。入れたら死んだ、等は無いらしい。

色々と悪い事が出来そうだ。


■■■■


「ジャック!これはヤバイぞ!」


興奮気味に性能を報告する。

俺の保有するスキルとのシナジーや新しく可能になった戦術等々デメリットを払っても尚プラス決算だったのだ。


何より机上の空論ではあるが新しいスタイルを確立できそうな点が素晴らしい。


「ふむふむ、戦闘なしで敵を回収ねぇ…何か修正案件だよねぇ」


「っと、性能は見たし取り敢えずワープ使って合流しようか。浮かれてばっかりは居られないし」


「そうだねぇ。さっさと合流してジョイド君からカツアゲしようかねぇ」


犯罪がどうこうと言った数分前の憤りは何処へやら。

ジャックも大概頭がおかしくなったとみえる。やはり日光不足だろうか…。


「墓守特権行使!!」


そして俺たちはワープしーー。



調子に乗って双加速ツイン・アクセルを使用して壁に衝突する運びとなった。

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