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1 地球軌道エレベーター(前)

悪役令嬢や聖女が登場している話をたくさん読んで楽しくなり、自分でも書いてみたくなり挑戦しています。

2作目はSF(幼馴染の恋愛&聖女もの)でした。

その登場人物達の続きの物語になります。

 

前の話でこじらせが解消したはずなんですが、アキラがぐいぐい来るヴェスに引き気味です。


どうぞよろしくお願いします。


 地球エレベーター軌道上にある宇宙ステーションに設けられているユーシップカンパニーの倉庫に母船を入庫して停止させる。


「休暇は地球で過ごすの?」


 紫がかった長い黒髪美女の(レイ)がアキラとヴェスに話しかける。


「俺の家で過ごす予定です。なっ、アキラ!」と長い黒髪を束ねた長身の青年ヴェスがアキラを見る。


「……うん、家に帰るのは久しぶりだね」


 薄く緑色がかった銀色という不思議な髪色のショートカットで少年にも少女にも見えるアキラが少し口ごもりながら返事した。


「次の地球への降下は3時間後よ。アキラとヴェスはそれぞれのバイクで降りるの?」

「いや、俺のバイク1台でいいんじゃないか?」

 

 ヴェスのその言葉にアキラがぎょっとした表情であわてて言った。


「いや、オレはオレのバイク持ってきたいよ。地球でも乗るだろうし」

「行きたいところがあれば、俺が連れてってやるよ」


 いやって……、さっきからやんわりとオレの自由を奪うような提案してくるよね!

 

 イライラしてきたアキラが強めの口調で言う。


「オレはオレのバイクで降りるの!」

  

 緊張した空気感の中「……じゃあアキラに乗せてもらおうかな」と礼が助け舟を出してくれる。


 アキラはぱあっと表情を明るくすると頷いて「礼、一緒に降下しよ!」といった。




   ◇ ◇ ◇




 宇宙の運送業大手のスターシップカンパニー所属のアキラ、ヴェステラント、礼の3人。

 第2星系の惑星レムリアでの仕事を終え、地球の軌道エレベータでの降下の準備を始めたところだった。


 軌道上部に待機場所があり、そこからそれぞれの小型の乗り物の固定駐車エリアと乗り物を持たない人の座席室が設けられている大型のエレベーターで地球に降下する。


 さらに宇宙船対応の超大型エレベーターで宇宙船ごと下降上昇させることもできるが、それはかなり特殊な積荷の時に使用される。


 これから部屋の片づけをするが、基本アキラとヴェスはこの船を固定で使っているので、部屋を完全に空にするのは礼だけだ。


 アキラは礼の荷物をバイクに積むのを手伝うために礼の部屋へ向かった。

 行く途中でヴェスとすれ違う。


「ヴェス、仕度終わった?」と声をかけるがヴェスは恨めしそうな表情をしている。


 アキラは肩をすくめて、ドアをノックしてから開けると礼の部屋へ入る。


「礼、荷物運ぶの手伝うよ!」


「ヴェスとふたりきりになりたくないの?」


 ドアが閉まるのを待って礼が言った。


「う……、最初は子どもの時みたいに自然に話すことができるようになってうれしかったんだけど、途中から、そのなんか圧がすごいってか……」

「ちょっと前まではあっちがふたりきりになるの避けてたのにね」

「そうなんだよ……、好きだって思ってくれるのはうれしいんだけど、ふたりきりになるとそれ以上にかまってくるし、触ってくるし……」

「嫌なの?」

「うーん? 変な感じだよ。そこまで嫌ではないんだけど、ちょっと待って! と思うというか……。

 ん、その、ヴェス……好きだし、強く迫られたら押し切られてしまいそうで……。

 仕事中だからと言ってなんとか我慢してもらってたけど、これから休暇になると思うと不安でたまらない……。それに、まだオレ、男でも女でもどっちでもないよ!」

「そうねえ。女性になると検査結果が出ていても、まだ身体の変化の途中だからね。

 まあ、でも、人を好きになるのは性別は関係ないし!

 アキラがヴェスを好きなように、ヴェスもアキラが好きだから、それはいいんじゃないの?」

「でも、なんか違うんだよなあ。さっきのバイクの話もだけど、なんかオレの行動を先回りして封じてるみたいで、なんか引っかかる……」

「あれはアキラを独占したいのよ。かわいいもんじゃない!」

「かわいい? かわいいのか? いや、そんなかわいいってもんじゃないよ!」


 渋い顔のアキラに荷物を渡しながら礼が言った。


「とりあえず、降下中は私がそばにいるから!」

「礼、ありがとう!」

「降下中6時間もあるもんね」

読んで下さりありがとうございます。

次も頑張ります!

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