終。
その後。
エゼルは追放される事になった。
もちろん婚約は破棄。
最後まで「ライゼリカが悪い」「僕は被害者だ」「ルディアに会わせてくれ」とかなんとかみっともない事を言ってたらしい。
誰が会うか、アホ。
ただ、一応いくばくか手切れ金を貰えるようだ。
ちなみに、証人として連れてきたピレムとオルコットは『正式』に追放された。
この二人、実は追放されていたとかではなく、自発的に罪の意識に耐え切れなくなり蒸発したらしい。
この判決には正直納得いかない部分もあったが、まあ死刑にする程でもない、のかな。
ライゼリカは地下牢に幽閉される事になった。
永遠に目を塞がれ、二度と誰かの眼を見ることはないだろう。
遥か昔、ああいう眼を使って王宮で暗殺を繰り返した女王がいたらしいが……どうでもいっか。
そんな事より。
「良かったね。ロータ。あの薬の開発、ベルライン家がやる事になったんだって?」
「はい。王家から援助があるみたいで……もうローレイズ家にご迷惑をかける事もないでしょう」
「なんか冷たくない?居候やっぱ嫌だった?」
「えっいや……そういう意味じゃなくて」
私は王宮の一室でロータと喋っていた。
実は私、まだ結構身体きついんだよね。
怒りに燃えてた時は結構無理がきいたけど、これが中々終わってみるとどさっとしんどさが……。
王都に来てからひどい目に遭ったけど良い事も結構あった。
まず、話したベルライン家の話。
次に、今回の事で王家とライトレース家の双方から賠償金を貰える事になった。
そして、なんかお父様がまた王都で要職に就くらしい。
ざっくり法律関係……らしいけどどうなるかは未定。
今回の騒動で王家はかなりびっくりしたみたいで、暫定的にあれこれ昔の制度を復活させるみたい。
……最後に良い事か悪い事かはこれは微妙なんだけど。
「というか私、どうしよう。法律とかよくわかんないし……」
「大丈夫ですよ。きっとルディ様ならなんとでもなりますよ!」
「適当言ってー。じゃあロータ手伝ってよ」
「いいですけど……」
私は王都での、お父様の法律の仕事を継ぐ事になってしまった。
もちろん、勉強がどっさり待っている。
しかも多分、お父様も私も領地と王都を行ったりする事になるだろう。
いや、大変だよこれ。
でもこういうのちょっとやってみたかったからいいけど。
何よりローレイズ家の家格はこれでぐーんと上がるだろうしね。
「ほんと?ありがとう。ねえロータ」
「は、はい?」
「命、助けてくれてありがとう」
「あっいえ僕の方こそあの時はその……」
「なに?」
ロータが顔を真っ赤にしている。
私も昔そんな時があったなぁ。
「あの、ルディ様の事が……」
「ストップ。まだ困るよ。婚約破棄したばっかりなんだから」
「あっはい」
「とにかく、もうちょっと大きくならないとね」
「身長ですか?」
「度胸かな。見た目はもうそのままでもいいよ」
正直、こんなやり取りをする意味はあまりない。
だってロータが私に飲ませた『赤の祝福』は、真実の愛を持った人が口移しで飲ませないと意味ない代物だもん。
目が覚めたその時から、ロータの……彼の気持ちなんてわかっていた。
でも少しは楽しまないとね。
私達の人生はこれから始まるのだから。




