第二十八話「約束の相手」
月曜日。
「お待ち下さい剣様!」
学校へ向かおうとすると麗子が止めに入る。
「怪我は、治っておりません。傷口が開く恐れが」
「大丈夫だよ。気をつけるし今日は、体育ないから」
ドアノブを掴む。
「ですが……」
「大丈夫!麗子さんは、文化祭のメイド服とかお願いね。じゃ行ってきます」
家を出た。しばらく一人で歩いてると。後ろから誰かが呼んでる声が聞こえて後ろを振り向くと、明音と愛が手を振りながら歩いてきた。立ち止まって二人を待つ。
「おはよう二人とも」
「おはよう」
「剣君。おはようございます」
剣を挟んで歩き出す。
「腕の怪我は、大丈夫なの?」
「ん?いや、まだ駄目だって麗子さんに言われたけど強引に出て来た」
「えぇ!」
「無理しない方がいいんじゃないですか?」
「大丈夫だよ。そんなに動かさなければ痛くないし」
「何かしてほしいことがあれば言ってくださいね。私手伝いますので!」
両手を拳にして剣に迫る。
「あ、ありがとう七塚さん。でも、明音が隣の席だからそいうのは、明音に頼もうかと」
愛から隣の明音に視線を移す。
「な、何よぉ私に頼るつもり?」
「別に嫌ならいいけど……」
「そ、そんなこと言ってないでしょ!いいわよ頼ってあげようじゃない!」
「あははは。ありがとう明音」
そうい言うと明音は、目線を逸らしてプイッと向いた。耳が赤くなっていた。ぽっぺを膨らませる愛。
学校に到着して下駄箱で上履きに履き替えて教室へ。
「あ、そうだ。七塚さん」
「はい。何でしょう?」
頭を傾げる愛。
教室の入り口で剣が愛に。
「よかったら今日の昼一緒にご飯食べない?」
教室に入りかけていた明音が立ち止まる。
「え?え?どうしたんですか急に?」
剣の突然の申し込みに戸惑う。
「たまには、俺から誘うのもいいかなって駄目かな?」
「大丈夫です!嬉しいです!」
愛の返事の大きさに少し驚いた。
「そ、そう。じゃ、昼になったら呼びに行くから」
「はい。お待ちしてます。約束ですよ」
「約束ね」
教室に入って行った剣。残された愛と明音。
「私の方が一歩リードかしら野々村さん」
「なっ!」
クスッと笑って愛も自分の教室に入って行った。
明音は、入り口のドアに手をついて自分の席に座る剣を見つめる。




