第二十七話「ドアの攻防」
朝になり起き上がろうとすると右腕から痛みがはしる。ゆっくりとベットから起き上がる。時計を見ると10時になるところだった。立ち上がり洗面所で顔を洗う。顔を拭きながら部屋に戻りテレビを付ける。冷蔵庫から飲み物を取り出して椅子に座る。
「さてと、今日は、どうしようかな……」
携帯が着信を知らせるランプが点滅していた。携帯を開くと明音から着信5件来ていた。
「麗子さんか七塚さんが教えたのかな?」
明音にメールで大丈夫だと書いて送信。右腕をゆっくり挙げようとするとすぐに痛む。
「まいったな……」
そこへ。ピンポーン。インターホンが鳴る。玄関に向かい鍵を開けドアを開けると。明音と愛だった。
「剣!怪我は、大丈夫なの?」
「私に何かできることありますか?」
剣に詰め寄る二人の勢いに一歩後ろに下がる。
「だ、大丈夫だよ。少し挙げると痛いだけで」
左手で横に振る。
「それって大丈夫じゃなくない?」
「看病させて下さい!」
さらに近づいて来る二人。
「え、えっと」
二人の勢いに戸惑っていると。
「お二人とも少しお下がりください」
いつの間にか明音と愛の後ろに私服姿の麗子が立っていた。
「あなた誰ですかか?」
明音が麗子に迫る。
「あ、そうか。明音には、教えてなかった。この人は、俺のメイドさんで」
「はぁ?メイドさん?剣にそんな趣味があったの?」
「いやいや、本当のメイドさんだから、この間学校でメイドが現れたって男子が騒いでたろ?そのメイドさんだ」
「……野々村さんは、知ってたの?」
「はい」
剣をしばらく睨んだ後に一つ溜息。
「分かった。信じるけどもう、内緒事はしないでいい?」
「う、うん」
「では、もう一度言います。お二人とも少し剣様からお下がりください」
剣から離れた二人。その間に麗子が入り二人に向かい合い。
「剣様は、怪我がまだ治っていません。よって剣様には、安静にしていただく事が一番なので今日の所は、これでお引き取り下さい」
二人を回れ右にし背中を押して外に出す。
「ちょ、ちょっと!そこまでしなくてもいいでしょ!」
「酷いですわ!一人では、何かと大変ですわ!」
二人で麗子に意見するがドアノブに手をかけて。
「ご安心ください。私が付いておりますので大丈夫です。それでは」
ドアを閉めた。直後は、ドアを何度も叩いて二人で何か言っているのが聞こえた。
「そこまでしなくても……」
剣に向き直り。
「いいえ、これくらいしないといけません。今日は、ゆっくりしてください。私が一日お側にいますので」
麗子から伝わってくるオーラに少し怖さを覚えた。




