第十四話「中身には」
朝起きると麗子の姿はなくテーブルに置手紙が一枚と食事、弁当が置いてあった。
手紙には、『朝から住居を探してまいります。朝食とお弁当を作っておきました。お気をつけて 麗子」っと書いてあった。ありがたく作ってあった食事を食べて着替えて弁当を鞄に入れ学校へ向かった。
三時間目が終わった時の事だった。教室の後ろのドア越しに愛がいて目が合った。すると、教室に入って来て剣の所へ。
「山口君」
「何?七塚さん」
「今日お昼ご一緒したいのですが……」
「ちょっと、待った」
言葉を返そうとした時、隣に座っていた明音が立ち上がって会話に入ってきた。
「七塚さん。よければ三人で食べない?」
二人は、向き合う。片方の眉がピクピク動く明音と冷静な顔をしている愛。どうすればといった様子の剣。三人の状況を周りの生徒が騒ぎ出す。
「修羅場か!」「女の戦いだ……」「山口君ってそんなにいいかな?」「モテキじゃない?」
これ以上騒ぎになるとまずいと思い。
「えっと七塚さんは、三人じゃ嫌かな?」
「山口君がその方がいいならいいですよ」
「じゃあ、昼になったらまた来て」
「分かりました。それじゃ」
チラリと明音の方を見てから教室から出て行った。
「七塚さんと二人で居たかった?」
ちょっと尖った口調で聞いてきた。
「いや、どっちでもよかったんだけど」
「じゃあ、なんで三人にしたの?二人でもよかったんじゃ」
「明音と最近食べてないと思ってそれで」
「ふ~ん。そっか」
納得したのか席に座った明音。
そ、それって私と食べたいと思ってたりしてるの~
昼になった。教科書とノートを片付けていると愛がニコニコして来た。クラスの生徒が一斉に見てきた。
「二人ともここじゃなくて外に行こうか」
「え~なんで外?」
「あら、私は、いいですよ。今日は、ポカポカなので」
「なっ!分かったわよ行けばいいんでしょ!」
教室から出て行くと周りが「え~~」っと残念そうに声を上げていた。三人は、中庭のベンチに到着した。以前剣と愛が二人で食べたときと同じベンチだった。座る位置は、左から明音、剣、愛。周りから見たらまさに両手に花の状態。
「山口君。今日は、お弁当あるんですね」
「あ、うん」
「あれ剣って料理できないんじゃなかった?」
「え、え?そんなことないぞ?」
焦る剣。
「もしかして、誰かに作ってもらったとかですか?」
「誰かって誰よ。独り暮らしなのよ剣」
「自分で食ったんだよ」
言って二段弁当の一段目を開けると目に飛び込んできたのは、ピンク色のハートマークにデコレーションされたご飯だった。両側から殺気に満ちた視線を感じた。
「これは、どういう事でしょうか……」
「自分で作ってないよね……」




