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第二十三章:巡回の嵐
ドアのノックが強まり、声が廊下に響く。
「惇也さん、澪さん、巡回の時間です。お二人ともお部屋に戻ってください。」
山科は慌てて部屋の外に出て、巡回員に対応するが、その表情には焦りが見え隠れしていた。
巡回員の視線が部屋の中を何度も往復し、明らかに何かを疑っている様子だ。
「特に問題はありませんよ」と山科は言葉を濁すが、巡回員は納得しない。
「この時間に密室にいるのは規則違反です。報告書を提出します。」
惇也はその場に硬直し、澪の手を握りしめる。
澪も不安そうに彼の腕にすがった。
翌日、施設長の山口から厳しい叱責が待っていた。
「あなたたちの行動は、他の利用者や職員に不安を与えています。これ以上の無断の接触は許されません。」
惇也の心は引き裂かれるようだったが、澪のために戦う決意も強まっていた。
「澪さんを守るために、何でもします。」




