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季節がめぐる中で 50

「それじゃあ、皆さんビールでいいかしら?ああ、カウラさんは烏龍茶だったわよね。それと要ちゃんはいつものボトルで……」 

 そう言って春子はランを見た。

「いいんじゃねーの?」 

 上座で腕組みをして座っている幼く見える上官を要とカウラは同じような生暖かい視線で見つめる。

「なんだよ!テメー等は!」 

「甘いサワーかなんかの方が良いんじゃねえのか?」 

 要のその言葉に、鋭い目つきにさらに磨きをかけるようにして要を睨むラン。

「おう、わかった!ビールだ!春子さんビールで!」 

 そう言ってすることもなく割り箸を取って割ってみせるラン。

「じゃあビールね」 

 そう言うと春子はシャムと吉田とすれ違いに階下に下りていく。

「ランちゃんビール飲めるようになったんだ!」 

 シャムのその言葉に誠はランを見つめた。

「飲めるよ!昔から。ただ……」 

「苦いのが嫌いだとか言うんだろ?ホントお子様だなあ」 

 そう言う要を睨みつけるラン。だが、そんな子供っぽい正体をさらしてしまうと、誠にも再びランが見たとおりの幼女に見えてきた。

「おう、着いたぞ!」 

 そう言って階段を上がってきたのは嵯峨だった。続いてくる茜はいつもどおり淡い紫色の地に雀が染め抜かれた着物を着て続いてくる。

「茜。和服で運転は危ねえだろうが」 

「ご心配おかけします。でもこちらの方が慣れていますの」 

 そう言うと茜はランの隣に座る。嵯峨もランが指差した上座に座って灰皿を手にするとタバコを取り出した。

「あの、隊長」 

 カウラが心配そうに声をかける。

「ああ、お子様の隣ってことか?わかったよ」 

 そう言うと嵯峨はタバコをしまった。ランはただ何も言わずにそのやり取りを見ている。

「ちょっと誠君、手伝ってくれるかしら?」 

 顔を出した春子。最近では誠はほとんど従業員のように使われている。あまさき屋には他にも源さんと言う板前がいるが、もう60を過ぎた体に無理はさせられない。いつものようにちょっとした集まりでもビール一ケースを軽く空ける保安隊の飲み方では必然的に誠のような雑用係が必要になる。

 以前は同じ役回りをシャムがしていたらしいが、今ではそれは誠の仕事になっていた。誠は立ち上がるとそのまま階段を降りて、小夏が抱えているビールのケースを受け取る。

「ああ、間に合ったみたいね」 

 そう言って店に入ってきたのはアイシャとパーラだった。

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