第十二話「せんそう」
グリフ
彼もまた動物を食すのに反対し勇敢に戦った高級霊だ
私は彼にも使命を課し地上世界で生まれ変わらせた
彼も充分使命を全うしてくれた
神の子として周りの者に教えを説き
神の子として崇高な生活を送っていた
しかし、彼もエリナと同じように殺されてしまった
人間とはなんと愚かだろうかと思う
だが彼の教えはエリナと同じく生き続けている
「エリナ、紹介しようグリフだ」
「エリナさん、今日から神として役割を果たすことになったグリフです! よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いしますねグリフさん」
地上世界の繁栄と同時に霊界も繁栄するようになった
霊界に来る魂は
肉食に反対し殺された者
殺したもの
自害した物
様々だ
善意で動物を食するのに反対し殺された者たちは皆高級霊として霊界に迎え入れた
ここでエリナとグリフの役目だ
彼らが高級霊たちに迷える魂たちを救うように伝達する
そして高級霊たちはそれを了承し霊界の低い世界に降り苦しんでいる魂たちを救済するのだ
救済というのはただ助けるわけではない
地上世界で重ねた罪を反省させ
試練をもって生まれ変わらせるのだ
私は様々な世界を見渡す
それぞれの世界も初めの世界と同じように繁栄しているが
同じように動物を食するなど罪を重ねてきた
さて、初めの世界に目を移そう
「!!!」
初めの世界ではおぞましいことが起こっていた
「エリナ様が正しい!!」
「何を言ってるんだグリフ様のほうが偉いだろう」
何とエリナ教とグリフ教で争いが生じたのだ
なぜだ
エリナとグリフ
二人の教えは多少の違いはあれど根本は同じだった
なのになぜ争う
それは次第に”せんそう”へと発展していった
人間とは何て悲しい生き物なのだろう
教えを蔑ろにしているくせに自分たちが信じている者が優れていると主張する
崇高な教えを何だと思っているのだ
挙句の果てには”我は救世主なり”と嘘を働く詐欺師まで現れた
憂鬱だ




