親友2
遅くなりましたが、
お待たせしました!!
窓からさし込んでくる西日がまぶしい。どうやら、夕方になるまで眠っていたらしい。
「休んじゃったーー」
悠の家から帰ってきて、色々なことを考えているうちに、体調を悪くしてしまったらしい。
学校は休ませてもらった。
ブブブっ、ブブブっーー。
携帯電話のブザー音が鳴る。
「きゃっーーー」
りさはその着信履歴を見て、携帯電話を落としそうになった。
表示されていたのは、
受信メール56件 不在着信68件
という数字だった。
異常ともいえる数に、頭がおかしくなりそうだった。
けれど、そのまま放っておくこともできず、受信メールの一番古いものを開く。
そこに書かれていたのはーーー。
『りさ、大好きだよ。黙っていたけど、ずっとずっと想ってる』
2通目。
『りさ、メール見てないのかな?ねぇ、見てよ。 気づいて、気づいてーーー』
3通目。
『りさ、この前×××でアイスクリーム買ってたよね?食べている姿も、本当にかわいかったなぁ』
4通目。
『そういえば、前に一緒にいた男はダレ? りさの何なの?
他の男といるなんて、認めないよ、りさ。
大好きなりさーー』
『りさ りさ りさ りさ ・・・・・』
その後も並べ立てられている言葉に、りさは怖くなって見るのをやめた。
携帯電話を机におき、ベッドの上で体育座りをする。
外からは、小学生が楽しそうにじゃれあいながら下校する声が聞こえた。
自分も少し前まではーー。
そう思うと、泣きそうになる。
私にこんな事をするのは、きっとあの人だーー。
私の後をいつもつけてくる人。×××でアイスを買ってたよね、ってじゃああの時も、私を見てたの?
そう思うと、恐怖で鳥肌がたった。
こわい、こわい、こわい。誰か!!
ふと思い浮かんだのは、親友の由里の顔だった。
そういえば、由里に迫られた日から、まともに顔をあわせていない気がする。
あんなことがあったけど、由里ならなんとかしてくれる。
そう思い、由里にもう一度相談することに決めた。
やっぱり、親友だもの。あんなことがあったからって、諦められないーー。
りさは固く心に決めた。
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次の日。
学校に着くと、由里はもうすでに自分の席につき、外を眺めていた。
由里はいつも学校にくるのが早い。
それは、りさより早く学校に来てりさを迎えたいからだと、前に聞いたことがある。
少し歪んでいるのかもしれないが、その真っ直ぐな思いを受け入れられないことが、心苦しい。
親友、なのにーー。助けてあげることも出来ないなんて。
由里は窓の外を向いているため、表情はよく見えない。
けれど、いつもとは違うということは、りさにもわかった。
いつもは、りさが登校すれば、すかさず由里がそばに来て話しかけてくれる。けれど、今日は一向に来ない。
それどころか、由里の方に見向きもしない。
りさが来ていることはわかっているはずなのに、である。
りさはそう思い由里の方を見ていると、突然横から満面の笑顔が飛び出してきた。
「りさくーん。会いたかったーー!!」
「こ、心菜さん!!」
飛び付いてくる心菜さんを受け止めると、心菜さんは嬉しそうに、より一層顔を近づけて話しかけてきた。
「どうしたのーー」
「えっ?」
「あいつ、・・・・鬼原由里とケンカでもした?」
「・・・・・・・」
黙りこむりさに、心菜さんはやれやれと溜め息をついた。
「しょうがない。あたしがりさくんとあいつを仲直りさせたげましょう!」
「え。・・・ほ、本当に?」
「もちろんっ。あたしに出来ないことなんてない!!」
そう不敵に笑う心菜さんを頼もしく思いつつも、りさは少しうつむいた。
「でも、なんでこんなことをしてくれるの?
ーー心菜さんは由里のこと嫌いだよね?」
「あぁ、それはね・・・」
心菜さんは、りさの耳元に唇を近づけて言う。
「りさくんの笑顔が見たいから、ね?」
そういたずらっぽく笑う心菜さんに、りさの心は温かくなった。
「じゃあ、今からあたしがやることに逆らわないでね?」
「え?ーーは、はい」
訳がわからずりさが頷くと、心菜さんはよしっ、とだけ言い、顔を近づけてきた。
「ちょ、心菜さん!?ーー顔、顔が近いですっ」
心菜さんの息が顔にかかる。
「りさ、動かないで」
ひそひそ声で話す心菜さん。
しかし、顔はより一層近づいてくる。
く、唇が・・・・、あたる!!
心の中でそう叫んで、感触がくるのを覚悟したが、その時は一向におとずれない。
りさはゆっくり目を開けるとーー。
「由・・・里・・・・?」
目の前に由里の背中があった。心菜さんと対峙している。顔は見えないが、怒っているということは雰囲気でわかる。
さっきまで、自分の席にいたのに。
私のことを気にもとめていないようだったのに、なぜーー?
頬を涙がつたった。
由里が自分のことをまだ気にかけていてくれたんだということに、心底ほっとした。
私は一度、由里を拒絶した。そのため、由里はもう、自分のことを見限ったのではないかという不安が心の中にあった。
だからーーー。
「由里、私のことを・・・許して、くれるの?」
「ーーー許すもなにも、こっちこそごめん。
いきなりあんなことして。
うちはやっぱり、どんな形でもいいから、
りさの・・・・そばにいたい」
心からのその言葉に、また一筋、りさの頬を涙がつたった。
今回は、親友とはなにかと考えさせられました。




