思い出セパレイト
原作と少々違うところもありますが、別の世界線(?)としてお楽しみください!
『ピピピピ』
うるさい。
まだ眠い。あと五分だけ──。
布団を頭までかぶった、その瞬間。
「起きろォォォ!」
「うわぁぁぁ!」
勢いよく布団が剥ぎ取られる。
「また二度寝しようとしたでしょ!」
幼馴染が腰に手を当てて立っていた。
その後ろでは母さんが苦笑いしている。
「毎朝毎朝、ごめんねぇ。この子、ほんっとに起きないんだから。」
「もう慣れました!」
「慣れるなよ……」
「ほら、早く支度!」
「はいはい……」
本当に世話焼きだ。
学校も近いし、一人で行けるっていうのに。
まあ、こいつが来ないと、多分俺は遅刻する。
……ちょっとだけ、感謝してる。
「何ニヤニヤしてるの?」
「別に。」
「気持ち悪。」
「ひどっ。」
そんな他愛もない会話をしながら家を出る。
蝉が鳴いていた。
梅雨明け前のじめっとした風が制服にまとわりつく。
「ほら、置いてくよ!」
「待てって!」
この時間が、ずっと続くと思っていた。
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数年後。
白い天井。
鼻につく消毒液の匂い。
そして、それよりも強く残る塩素の匂い。
プール。
夏。
サイレン。
泣き声。
誰かが言っていた。
「排水口に挟まって……」
誰かが言っていた。
「助からなかった……」
俺は、その言葉を理解できなかった。
理解したくなかった。
「なんで……」
喉が痛い。
「なんで、お前なんだよ……」
返事はない。
いつもなら、
「うるさい!」
って怒鳴ってくるはずなのに。
「起きろよ……」
涙で視界が滲む。
「一回だけでいいから……また怒ってくれよ……」
沈黙だけが残る。
もう嫌だ。
こんな記憶なんて思い出したくない。
全部。
全部、消えてしまえばいい。
俺は夜空を見上げ、小さく呟いた。
「神様……」
「もう思い出したくない。」
「忘れさせてくれ。」
その瞬間。
『ガコンッ!』
お楽しみいただけたでしょうか?
正直、改稿版作るの大変でした…
なので次の話も、どうぞお楽しみください!




