第8話
孤児院の経営が上手く行き始めた頃、不穏な噂を耳にしたセレーナとレオは公爵について調べる事になった。
「アルト・バートリー公爵、公爵は子供好きで多くの小姓を雇っている。」
「はい。そして、屋敷の奥の声。」
「でも、どうやって証拠みつましょう?」
悩んでいるとリースがかけてきた。
「何悩んでる?」
「リースには関係ないこと…………!リース、その背中の傷、誰につけられたか覚えてる?」
「名前は知らないけどどっかの公爵って聞いた。」
「これは……」
「ええ。」
2人は顔を青くした。下手をすると公爵だけでなく別の孤児院まで摘発しなければならない。大規模な犯罪を調査していると2人は気づく。
「リース、その孤児院ってどこ?」
「……」
「教えてほしいの!」
「わかった。」
リースは孤児院までの道を教えてくれた。早速その孤児院へと商人の娘と男性を装って向かう。
「お嬢様、危ないですよ。だから僕1人でいくと……」
「レオだけを危ない目に合わせる訳にいかないわよ!」
「お嬢様……。」
そして例の孤児院へと辿りついた。
そこは酷い有り様だった。子供達は傷ついていた。
「酷い。」
皆がリースのように傷だらけだった。すると施設の役員が駆けつけてきた。
「お客さんかね?」
「はい。」
なんとか言って中へ入れてもらった。
中は酷いのなんの。子供をムチ打ちすることに快感をえる変態伯爵、子供を殴る事に快楽を覚える変態男爵、子供を無理におどらせて楽しむ夫人。地獄かと思った。あまりの様子に吐き気をもよおす。
「お嬢様、帰りましょう。」
「ええ、そうね。あとは警察に任せましょう。」
帰ろうとしたところを塞がれた。
「お客さん、おだいを貰ってないよ?」
「これでいかが?」
金を渡す。
「ふーん、まあ、いいでしょう。」
何事もなくなんとか出てこれた。しかし、公爵の事は掴めないままだった。警察に通報した甲斐があって施設は閉鎖され、子供達はセレーナの孤児院で預かる事になった。