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第5話
翌日もリースは来てくれた。
「リース、来てくれてありがとう!」
「………別に。」
「リースはここに住むのは嫌?」
「…………住んでいいの?」
「うん!もちろんよ!」
「…………本当?」
「うん!」
「あんたもあいつらと一緒でオレを使い捨てない?」
「使い捨てる?」
「………オレは前の施設で貴族の見世物にされてたんだ。だから、誰も信じない。」
「…………私はそんな事はしないわ。ここにいる皆だって楽しく暮らしているし。そんな酷い事ぜったいしない!」
「本当?」
「ええ!」
「じゃあ、住む。」
「うん!じゃあ、まずお風呂入りましょう!」
リースをお風呂場まで連れていった。リースが服を脱ぎ始める。出て行こうとした時に見てしまった。
「その、傷……」
背中にはビッシリとムチで打たれた後があった。セレーナは泣いた。
「なんで、泣くの?」
「ごめんなさい。あんまりにも酷くて………ごめんね。」
そう言ってセレーナはリースを抱きしめた。
「…………うん。」
しばらくセレーナはそのままリースを抱いて泣いていた。