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11.おめかし

今回は少しみじかいです


「待て待て待て!なんで私までドレスに着替えるんだ!?」


「大人しくなさいルノア!あなたに逃げ場はなくってよ?」


「諦めてくださいルノアさん。ジョセフィンの暴走は今に始まったことじゃありません……」


「それにしたって、そんな動きづらそうな……」


「あら?じゃあスリットがあるこちらにする?」


「ああ、確かに似合いそうですね」


「セレナさん!裏切らないでくれ!」


 最後までルノアは抵抗していたが、衣装係の方々とジョセフィンによって服が剥ぎ取られていった。


「きゃあ!」


 ルノアが悲鳴をあげる。


「あら……」

「ほう……」

「まぁ……」

「……な!」


 そして、それぞれの反応でルノアの下着姿に見惚れる。


「あ、あんまり見ないでくれぇ……」


 褐色の肌は細身ながらもしっかりと鍛えられ、彫刻のように美しかった。


「綺麗よ、ルノア!」


 ジョセフィンは絶賛する。


 腕で体を隠しながら嘆息するルノア。


「もう、どうにでもしてくれ……」


「ルノアさん……私も通った道です」


 同情するセレナ。


 その後、ルノアは強制的にドレスを着せられて、鏡台の前に連行された。


「……はぁ、おめかしなんて子供の頃以来だ」


「あら?なんだ、可愛い格好はしたことあるのね?まぁ普段も可愛らしいけども」


「お世辞はよしてくれ。……まぁ、子供の頃は育ててくれた人やお隣さんと、よく一緒におめかししていたよ……」


 と、どこか遠くを見つめるような瞳で語った。


 そして、そんなルノアに容赦なくメイクとヘアセットしていく衣装係の人たち。


「どんな格好をしてたの?」


「……どんな?そうだな、ワンピースにドレス、色々な国の民族衣装なんかも着たかな……」


 懐かしそうな声で呟く。


「……そう。良い方たちに囲まれて育ったのね」


 ジョセフィンの声はとても温もりがあり、包み込むようだった。


 ルノアが鏡越しに目線をやると、彼女は慈しむように見つめていた。


 少し気恥ずかしくなったルノアは物憂げに目を伏せる。


 化粧をして、より魅力的になった彼女のそんな姿を見てジョセフィン、セレナ、衣装係の人々はみんな揃って感嘆する。


「まぁ……」

「ほほぅ……」

「なんと……」

「…………」


 頬を真っ赤に染めてルノアは怒る。


「ば、バカにしてないか?みんな」


「ごめん、ごめん。機嫌なおして。ほら、立って?おめかしした姿見せて」


 ジョセフィンが促す。


 立ち上がったルノアはAラインドレスを着て、もじもじと落ち着かない様子で感想を待つ。


 それはオフショルダーで、紫のベルベット生地に金糸で刺繍がされた夜会用ドレスだった。


 スリットが入り、動きやすくなっている。チラリと覗く足はオーバーニーストッキングに包まれていて、官能的な美しさを放っていた。


「あ、足と肩を出しすぎじゃないかな?スースーするんだが……」


「そんなことない!すっごく似合ってるわ!」

「ええ!お似合いです!」

「綺麗……」


 ルノアは照れたように賛辞を受け取っていた。


前話のお口直しに、わちゃわちゃ回にしました。

楽しんで頂けたらさいわいです

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