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せっかく転生したのに日本でスキルが通販スキルなのはさすがにひどくないですか?  作者: 色蓮
1章

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第41話 帰郷

 もしこれがよくある異世界系のアニメなら、モンスターを倒してレベルアップして無双…そんな展開もあったかもしれないが…。



残念ながらそんなに上手く行かなかった。

「ダメね。こっちの人間とはそもそも作りが違うのかも」

魔物を倒しても魔物因子を取り込めなかった。



「なんという無駄足…」

「まぁまぁ意味がないことが分かるのも、成果よ」

と言われてそれもそうかと思う事にした。



魔物狩りの成果は特にはなかったが、まぁ貴重な体験だった。

そして翌日の朝、アヤネがやってきた。



「1週間振り、一応手紙で聞いてたけど帰れるって?」

「ああ、上手くいけばだけどな」

来る時は、やはり素っ裸になってしまうそうで、とりあえず服は用意しておいた。

それを着てから色々と話をする。



とりあえず緊張の面持ちで、処刑の時を待っているメイの前にアヤネを連れてくる。

「覚悟は出来ています…ただ、強さは変わってないので加減してもらえると…」

とメイが目を瞑って叩かれる準備をしている。



「はぁ…私の為を思ってしてくれたみたいだし、それじゃ怒れないよ」

手紙で事前に説明をしておいた。

危なくなったから呼んだと言ったらバレてしまうので勇者が別世界にいるのが分かったから、本来は了承を貰ってから呼ぶ予定だったことも含めて伝えておいた。



「兄さんを巻き込んだ事は許せないけど、まあ事故だしこれで許してあげる」

といってデコピンをしていた。

ちなみにそれで思いっきり転がっていたので俺の思ってるデコピンの威力では無さそうだ。



「それでどうするの?」

「とりあえずこの紙をあっちで設置してもらえば、こっちから転移できるようになるみたい」

紙を広げて魔法陣を確認する。



「なるほど…固定観念に囚われてたなぁ、さすがこの手の改良はメイさんのが上かぁちょっと悔しい」

「そんなにすごいのか?」

「私が使ってる転移魔法陣は、出力を上げるのに大きくして、精度を上げる為に印刷した位だから、絶対必要だと思って保護術式も隠蔽術式も入れちゃってた」



なるほど、今まで使ってた数式だから同じ数式で答えを書いちゃったけど、そもそももっとシンプルな計算式で良かったとかそういうもんだと思うことにした。




「それでいけそうか?」

「うん、いつもみたいに出品しておいて届いたら設置するから」

これで帰る目処は立った。



「あとは魔力だね。消費が少なくはなったけど…それでも3人で飛ぶとなるとかなり魔石がいるよ」

「一応大量に手に入れた魔石は出品しといたけどあれじゃ足りないか?」

「この魔法陣ならギリギリかもだから今から追加するのに狩ってくるよ」

と言ってまた狩りに言ってしまった。



行くときに顔がニヤけていたので実は楽しんでいるのかもしれない。

ちなみに、一緒にメイも連行されていった。

一緒に魔物因子を吸収させるらしい。



「エルナさんは向こうにいく準備は大丈夫ですか?」

「ええ、プリンターとメイのおかげで結界も強化出来たから準備はOKよ」

俺達がいない間にここを荒らされるのは困るのでどうしたもんかと思っていたのだが…。



今、使っている魔法陣をメイと一緒に改良して、その上でプリンターで印刷することで魔力効率があがり結界は強化されているそうだ。



残念ながら俺にはどう強化されたか不明な上に説明を受けても理解できるか、怪しいので深くは聞いていない。

アヤネに言われた通りに先ほどの紙は高額商品にくっつけて出品しておく。



「こっちには戻ってこれるんですよね?」

「魔法陣は残ってるからね、まぁ魔石の補充をしないといけないけどね」

あっちで魔法を起動するにはそれなりの魔石が必要になる。



こちらの世界であれば魔力が溢れているのでこちらから出力する魔力だけでいいそうだが、あちらの魔法陣を起動するにもある程度の魔力が必要になるのでなんだかんだで魔石は必須だ。



「あっちの世界で魔石は補充出来ませんからね、もっと吹っ掛けとけばよかったですね」

「まぁあんまり多くもらうと目立っちゃうし仕方ないわよ」

一番の問題はあちらで魔石を補充できないことだった。



もし転移に必要な魔石がなくなってしまった場合、こちらに転移することが出来なくなってしまう。

それだけはならないようにしないといけない。



「今、あの大型の魔物を狩ってるならそれで大丈夫だと思うけどね」

「まぁ多めに狩ってくると思うので期待しましょう」

「メイが戦力になるなら私でも数体狩ってもいいんだけどね…」

と残念という表情を浮かべている。



その後、5時間以上経ってからボロボロのメイとすっきりした顔をしたアヤネが戻ってきた。

「めんどくさいから魔石だけ持ってきた」

と言って前回とはよりも多い10個以上の大型魔石を持ってきていた。



「これなら大丈夫、絶対足りる」

「それなら安心っすね」

とエルナと二人で顔を見合わせて笑った。



遅めの昼食を食べてからそそくさとアヤネは帰っていった。

先ほど取ってきた魔石も含めて向こうで購入手続きをするためである。



明日には向こうに商品が届くはずなのだが、時間帯に関しては配達員によるそうなので転移魔法を発動するのは13時と決めておいた。



「ちなみに何も持っていけませんからね、それこそ服もです」

と言ったら絶望したような表情を浮かべていた。

「これ持っていけないの!?」

「毎回アヤネが裸になるじゃないですか、身体以外は転移出来ないんですよ…」



どうやら服を気に入っていたようで二人とも絶望の表情を浮かべている。

「とりあえず一式は向こうでも用意してあるので大丈夫ですよ」

そういうとホッとしたような表情をしていた。



そんなこんなで予定の時刻。

短いようでかなり濃密な異世界生活であったが、絶対今度転生したときに異世界に転移するのはごめんだなと思うほどには不便であった。



「『通販サイト』スキルがなかったらヤバかったなぁ」

としみじみと思いながらも…二人はかなり緊張しているようだった。



「失敗しても死にはしませんからといっても俺はいつも通り発動出来ないのでおまかせすることになりますが…」

いつもの転移魔法では俺は実質荷物扱いで運んでもらっているだけなので今回も似たようなものである。



魔力のない俺は、そもそも魔法を発動することは出来ない。

いつもと同じように連れてってもらう感じになる。

ただ、その場合本当に荷物扱いにされて弾かれる可能性があるので、今回は俺の身体を通して魔法を発動してもらう感じになる。



「それじゃ行くわよ」

「いつでも良いです」

俺の身体にエルナの手が当てられ魔力が流れ…ているらしいのだが俺には認識すら出来ない。

しかし、俺の持っている魔石が光輝く…なるほど身体を通ってここに来たわけか…。

と関心していると眼の前が光に包まれた。



目を開けるとそこには懐かしい実家のリビングにアヤネが立っていた。

「ただいま」

「おかえり…って服!」

と言われて服を投げつけられる。



想定通りに裸であった。

俺の異世界生活はこれで終わりを迎えたと思っていた。

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