ヒーリングタイム その3
シーズン1は完結。お話はシーズン2に続きます。
私が秋葉のエッチスイッチを入れてしまったので『ちょっと、葉子が起きるよ!』とか何とか言ってどうにか鎮めた……というか、拗ねたまま私の胸に顔をつけて寝てしまった。しばらくして気がつくと私も眠っていたらしく、秋葉は部屋が寒くもないのにまだ引っ付いていて。
……まさかね、この超絶クールビューティさんとこんな関係になるなんて思いもしなかったよね……なんて世界の不思議に笑って、本当に整ったお顔を眺めていたら隣からも寝息が聞こえた。……もう一人のビューティさんも、そろそろ起きるとは思うけど……まだ回復してないのかな。私も完全とは言えないね……まったく、とんでもないものを食べちゃったよ。異国というか、異世界産の食べ物は特に気をつけなきゃいけない。
パチッ……バチッ……って暖炉の爆ぜる音がすごく心地いい。でも、少しお部屋が乾燥してるからタオルを干した方が良いのかもしれない。はぁ、美女の髪………とか惚けて秋葉のサラサラヘアーを無駄にいじってたら彼女は起きてこちらを見た。すると「ん……」と、もう一回私の胸に顔を埋め……って、やめてよエッチ。負けじと秋葉の頭をスンスン嗅いだ。『いいニオイ……』とか本家をマネていく。
「汗かいてるからやめて……?」なんて、私に引っ付いてたからでしょ〜?と指摘をして『秋葉の汗もいいにおいだよ……』って本当にそうだからスンスンする。これも本家の完全コピーだ。秋葉は「変態……」などと失礼なことをつぶやきながら突然、静かに私から離れて…………?様子がおかしい。
どうしたの?と聞いても「いや……」とか、気になるじゃん!……なんて言わなければ良かったのに、問うたら「………思い出した………お風呂の丹海………エッチだった……」って……その話は禁止だからっ!しかも「でも真面目な話、癒されたよね……」などとおっしゃっているのは何??カッコよく言えば何でも許されるのは葉子だけだが?
「……『肌の触れ合い』というと、どうしても生殖的な方向に意識の焦点が向かいがちなんだけど……とにかく、何か明るくなるよね、気持ちが。…………身体的にそういう仕組みなんでしょうけど……不思議……」とか、顔を赤くして何言ってるの?
「まぁ、身体というのは本来、そういう軽いもの……この世で鎧のように服を着て生きているのは人間だけ………もし私たちが魚になったら……その重さによって溺れ死ぬ………」って意味分かんないよっ!キノコと私の毒で狂っちゃったの?
まぁ……全く分からないでもないけど。『……私もね、いつもお風呂では全身に対してね、ありがと〜ってマッサージしてたよ♪そうやって肌を軽く揉むだけで気持ちいいよねっ♪』と述べたら「エッチ……」って……何でだよっ!この前も、手を揉んであげたらやたら恥ずかしがってたし、何かやっぱり感覚狂ってるよこの人っ!
「丹海は鈍感………だから無意識の魅了がデフォルト……」
『秋葉が過敏なんだよっ、急に変なこと思い出してエッチなんだからっ、どうせ、お風呂でハグした時に私の胸とか堪能してたんでしょっ!』なんて言ったら耳を赤くして「……や、柔らかかったね………」とか、素直すぎる感想やめて??親友として反応に困るが??
「あ、あの……………丹海さん…………」
あっあおいっ!?振り向くと、かなり気まずそうにしてうつむいている。ちょっとっ、秋葉のせいで変な話聞かれちゃったじゃん!『……良かった!治ったんだね♪』って言ったら……急にバッ!と抱きしめられ。
「……ごめんなさいっ!!私…………あのっ、おかしくなっちゃっててっ!何だか丹海さんに、ひどいお願いとかしてましたよねっ?!」
うんまあ、全体的にかなりエッチだったけど……割と記憶が残ってるんだね。『………ううん、大丈夫!全然気にしてないよ!元に戻って良かったよ♪』と伝えたら「すみません……」って、今度は「ううっ!……」なんて泣き始めて。
「丹海さぁん!…………ぐすっ……私、もうどうしたら…………あ、あろうことか姫と……き、き、…………スなんて…………!それからあんな……だ、抱き合って…………ああっ!!もうダメですっ!!姫の推しとして絶対に許されませんこんなことっ!!!」
えぇ……?やっと仲良く通じ合ったと思ったのに。推しでいたい気持ちはやっぱりあるんだね……難しいな。『う〜ん、でも葉子はすごく喜んでたよ?それを見てあおいも嬉しいんじゃないの?だって葉子泣いてたもん、それ位あおいにありがとうって思ってるんだから。』と話しても「で、でも……」って悩んでいる。
「あおいさん、推し活動の中に『キスやハグで本人を直接的に喜ばせる』という項目を増やして頂ければ……」
なんて秋葉がめちゃくちゃなことを言うと顔が急沸騰して「そっそっそんなのっ!!私おかしくなっちゃいますからっ!!」ってなるのはそうなんだけど……でも、ある意味良い案なのかな?推しと恋人を両立させる方法があればいいよね……無茶なことを言ってるかもだけど。
何だか色々なことがあったのでゆっくりしようよ♪って、あおいと秋葉とテーブルでお茶の続きをすることにした。あおいに黄色いシトラスのマカロンをあ〜んしてあげると嬉しそうに食べてくれて、テンション上がってきたようだ。私も秋葉がとっておいてくれたピスタチオとガナッシュショコラの素敵な色のを一つ取って頂くと……最高に天国♡やっぱり甘い物でも食べて気分をアゲないと♪
あおいは、葉子が起きないのを気にしてたので『あおいも起きたし、そのうちに目が覚めるよ。』と伝え。秋葉が床に散らばったままのトランプをまとめているのを私たちも手伝った。「……今度は、丹海と葉子の秘密を暴く。」などとおっしゃるけどさ、秘密なんてないですよ〜と笑う。
あおいに『ごめんね。私のトランプのせいであんな暴露みたいになっちゃったよね……』って話した。彼女は、カードの1枚を手に取りながら「い、いえっ、私が黙っていたことだったのでっ、私が悪いんですっ。………一緒に暮らしている以上、隠し事は嫌なのに………いつか伝えなきゃと思っていたのに……ごめんなさい。」なんて言うから『も〜あおい〜優しすぎるよ〜』ってぎゅっとして、秋葉も便乗してハグをしたら「こっ、ここあさんっ」と過剰に反応した。
……そういえば秋葉、葉子にそっくりだからあおいは何かと大変なんだよね。『秋葉、あおいが困ってるよ。』と伝えるとぷぅ……なんて子どもみたいに膨れる。かっ、可愛いですっ♪ってあおいがナデナデしたから……なるほど、これは葉子との距離に慣れるチャンスでは?と思ったけど……やっぱり本人と秋葉は雰囲気というかノリが全然違うんだよね、だから顔に慣れるだけじゃダメなんだ。
のんびりとミントティーを飲んでいたからなのか……まどろんできたね、あおいも小さなあくびをした。『……また、横になったら?』と言ったら遠慮して…………え?なんか思い出したようにして……私のことをチラチラと…………ま、まさか、お風呂のエッチヒーリングを見られてたとか!?
「あ、あの……丹海さん、この前のことなんですけど…………」
う、うん……って冷や汗をかいていたら「この前の…………お、………お願いなんですけど……一つあるので叶えてくれますか…………?」ってなんだそれか……というか何だっけ?……そうだ、あおいに植物のエッチ診断をさせてしまったのでお詫びに何でも叶えるよ、って言ってたんだ。『うんうん、何かお願いごとある?』と聞くと、
「あの…………膝枕をして、耳の……asmrをしてくれませんか…………?」
…………だいぶ専門的な用語が出てきた。ええと、確かあれだっけ?asmrって……YouTubeで何回か見たことあるけど、なんか眠くて落ち着く音みたいな……?と聞くと「そうですっ!丹海さんのお声が癒されるので、ぜひやってほしいです!」なんて、声のプロに言われたらちょっとニヤけるよね。『やるやる♪』って喜んで引き受けちゃう。秋葉は、あおいに何かを言いたそうにしているけど……私と目が合うと横を向いた……何なの?もう、美人なんだから私が幸せになれるような最高のスマイルを下さいよ秋葉さ〜ん。
お風呂場でもらってきた綿棒を用意し、あおいはそっと、私に膝枕され外側に顔を向けて「それでは……お願いしますっ!……なんかドキドキしますねっ♪」とか緊張してるのも可愛い……♡と思ったら、あおいのすぐ隣に秋葉がふざけて横になってきたから「こっ、ここあさんっ!」って慌てている。秋葉は私の隣に来てもらうと、後ろから抱きついてきて背中をスンスン……犬なの?
一回だけ見たことのあるasmr動画を思い出し……さっそく、あおいの右耳をゆっくりと、親指と人差し指で軽く挟むようにモミモミする。「ひゃっ!」ってちょっとびっくりしていて『だ、大丈夫かな?』と聞くと「あ、はい!平気ですっ」って言うので顔を近づけて『……それでは、これから綿棒でこすっていきたいと思いま〜す。』とかささやくとビクッ!とした。エッチだけど……asmrってなんかやってる方も癒されるね。
綿棒を優しく、撫でるように内側のへりの部分から往復して『どうですか〜』とか言ってあげると「ん……すごいですっ、生のasmrは触感もあって全然違います!」と熱く語っている。耳の穴の近くをこすり始めたら「く、くすぐったいですねっ!」って身をよじりながら笑っていて………可愛い死ぬよこれ。ちょっと秋葉っ、おなかをむにむにしないでっ。
そうだ、と思いついて秋葉にティッシュを1枚持ってきてもらい。静かに穴の近くまで押すように入れると「わっ!すごい!炭酸とか泡の音がしますっ!」って感動してくれた。「丹海さん、あ、あの……耳を塞いでくれませんか?こう、手のひらを当てる感じで……」と言われたままフタをするように塞ぐと「わっ!すごくいいですっ!あの、それでくっつけたり離したりしてもらえますかっ?」とか……結講マニアックだ。あおいはasmrをよく知ってるんだね。
反対側の耳も同じことをしてあげるとすごく満足してくれたみたい。「最後に、癒されるささやき声をお願いしますっ!」なんてあおいからお願いされ。どうしようかな〜って考えて『……あおい♡また、いつでもしてあげるからね♡お疲れさまでした♡』と言ってみたら「ひゃっ!名前を呼ばれるのすごいゾワゾワします!丹海さんありがとうございますっ!」って喜んでくれた。asmr……楽しかったな……秋葉がわざとおしりを触ろうとしたので手で払った。
3人でキッチンへ行き、肉じゃがの残りを温める。調理台のそばの壁にカーテンがあって、めくると和の小鉢やお皿が重ねて収められていた。それを見て秋葉が「豆腐を作る。」と言い出し、豆乳と一般的にがりを創生する。それらをよく混ぜて4つに分けたものを蒸し器にかけていると……あおいが葉子を心配していて。
「……まだ、寝てますね。何だか私……テントの時以来、記憶が曖昧なことばかりな気がするんですが…………そ、そういえばっ!お風呂でも見たんですけど、あの黄色い光って一体何なんですか??」……そうだ、その説明をしなければ。秋葉を見ると、人差し指を立てる準備をしていたから手で押さえたら睨まれて振り払われた。
「……ええと、私たちはピンクのキノコの力により、少しだけケガとかの回復をできるようになったみたいです。発動条件は、おそらく愛……癒しの気持ちですね。ただし、片方が健康な場合はもう片方へ自分の分を送るわけですから一時的な疲労は発生しますし、逆にお互いがそこそこ健康な状態の時は、数秒で行わないと先程の葉子のように生命エネルギーが溢れて暴走することになりますので……あおいさん、葉子とヒーリングをする際はくれぐれも秒数に気をつけて……」
……と、自分の反省も含めて言ってるんだよね秋葉?って顔を覗くとまたギロって睨んで……だから〜葉子みたいにプラチナのスマイルしてよ♪とか、私がニコってしたら急にびっくりしたのか赤くなり。こういうところは葉子と違う可愛さだよな……って見ていたら急にわき腹をくすぐってきたからやり返した。その間も、あおいはずっと考えている。その真剣な表情は、まるで謎解きドラマの女優さんみたい……惹き込まれるように美しい……思わずじっと見ちゃうよ。
「……なるほど、そういうことだったんですね。……え?じゃ、じゃあっ、葉子さんは毒でおかしくなった私のために………?だっ、だから、あんなに疲れていたんですねっ??」
「……まあ、心配されることはないですよ。もともと怪我のヒーリングができるくらい葉子のエネルギーレベルは高いですし、今回はライブ関係による創生エネルギーの大幅消費も原因だとは思いますから。」
と、秋葉は優しく言ったけど「どうしようっ!姫にたくさんの負担をっ!……もうっ!私っ、推しの資格なんてないですっ!」なんて最高に落ち込んでいるので『あおいっ、asmrだよっ!あんな風に葉子を喜ばせてあげるんだよっ!』と、自分でもよく分からないことをそのまま言って励ました。
「えっ、asmr………?葉子さんを……?」
『うん!推しの気持ちで、葉子を癒してよ♪』などとさらに意味不明になっちゃったけど意外にも「……そういう推しのスタイルとか……あるんですかね………?」って何かを考えてくれたみたい。
蒸し器を開けてお豆腐の様子をみんなで確認していたら、寝起きの葉子が「肉じゃが……いいにおい……」って、ぼーっとやってきた。あおいを見つけると、途端に目がウルウルしてそばにやってきて「あおちゃんっ!好きっ!」と犬のように飛びついて。
あおいは「ひゃっ!!」って怖がり、「よ、葉子さんっ!あのっ!ごめんなさい、私っ……!」と、色々を話し出そうとしたけど……赤くなったり青くなったり……再び壊れた信号機になってカーテンの裏へダダッ!とか走って逃げ込んだ。
「あおちゃん!?」
葉子は静かに近づき、カーテンごと、あおいをぎゅっと抱きしめる。しばらくすると「葉子さん、苦しいです……」と真面目につぶやいたので秋葉と上や下を見ながら吹き出すのをこらえた。
葉子がゆっくりとカーテンを広げ……目をそらすあおいを見つめて。「あおちゃん、私のこと……好き?」と聞くと即答で「好きですよ……とても尊敬してます。」って言うけど、葉子はそれに満足できないのか「じゃあ、あおいからハグして?」と手を広げた。
あおいは、だいぶためらったけど、いきなり突進するようなハグをすると葉子はニコニコっとして「あおちゃんっ!好きっ!」って抱きしめ返す。あおいが小さな声で「あの、ごはん……食べませんか……?」と葉子に聞くと「うんっ!!」とか元気よく返事をした。
テーブルにて、4人で美味しい肉じゃがと、輝くごはんと特製のお豆腐を頂く。スプーンですくったらあったかくてトロトロで……ごはんに合うよこれっ!「すごい……豆乳でこんな簡単にできるんですね!美味しいですっ!今度作りますっ!」とあおいも感動した。
葉子があ〜んと、あおいにお豆腐を口に運んだら耳が赤いけど素直に食べて、また次を……ってやろうとすると「あのっ、あのっ、」とか慌てふためいてる所に葉子がじゃがいもをあげたらパクっ……て食べるんかいっ!「……あっ!ちょっ、ちょっともういいですからっ!」なんて動揺しつつモグモグしてるの最高に小動物♡可愛い……♡ほんとにピュアで……こんな可愛い天使さん、葉子でも誰でも好きになっちゃうよ……
『みんなでご飯食べて楽しいよ♪私こういう時が一番好きなんだ〜』って話したら葉子も「そうだよね♪ほんとに家族みたいなものだもん♡ね?あおちゃん♡」とか、隣のあおいに笑いかける。すると彼女は「…………いいですね、こういうのも。」というお返事をして。ちょっと驚いている葉子が「……じゃあっ、私といつも一緒に食べよっ?おみそ汁とごはんで結婚しよっ?」なんて謎のプロポーズをすると「ふふっ、なんですかそれ……」って、きゃ〜ん!ついに新婚♡♡始まっちゃった〜?♡♡
私がそう言うと葉子が、慌てて赤面するあおいを無視して「そうなの〜♡ねぇ〜♡にゅ〜達と新婚旅行いきた〜い♡ねぇ行こうよ〜♡」って言うから新婚じゃないけど……とりあえずノリで「え〜?どこ行く〜?」とか返したら「デズニーランド行きたい〜♡」と提案し。それは楽しそうだ。
何か食べよ〜♪って、葉子はお皿に山盛りのドライフルーツを創生した。すごいな、さすがの能力。あったかい黒豆のブレンド茶をみんなのマグカップに入れ直し、ドライクランベリーや大粒のレーズンをつまみながらあれこれ喋って、目を閉じながらあ〜んして何のフルーツか?を当てたりした。私たち……こんな素敵なことしてて、今ならロケットさんに見られても全然構わないのに………何であんな最悪の時に来たんだ?
「ね〜お部屋あったかくて汗かいた〜、みんなで温泉行こ〜?」
私の解毒は……ほぼ終わったんだと思うけど……身体は微かにだるさが残る。ということは、あともう少しか。替えの服は……お風呂場のをもらうとして、タオルだけ持って4人で廊下を歩いた。なんかいいねこういうのも♪旅行って感じで♪
『ゆ』の扉を開くと…………あれ?お風呂場のガラス戸がおしゃれな白木のドアに変わってる…………あと、何かラベンダーみたいな高貴な香りがする………って葉子っ!脱ぐの早いよっ!私も、そこそこ汗をかいたキャミソールを脱いで一応丸めて…………あおいがまた、タオル1枚で立って、中に入るのをためらっている。
……でも、あおいは推しの人ではあるけど、葉子を愛している人だからさ。葛藤とかはあってもキスの時みたいに、最後は自分の心をうまくまとめることができるよね?秋葉?……さっきから私が脱ぐのを見てたね?と下着姿で問うと赤い耳をして「見るわけない……」などとタオルを身体に当てながら横を向いており。「さっ、さぁ!あおいさん行きましょう……」ってそそくさと「ひゃっ!!」とか驚くあおいを押していった。……ムッツリエッチ。
ゆっくりドアを開けると……ええっ?!全体が白い大理石の床の、ヨーロピアンな感じに変わってる!!大きな丸いお風呂!変な像とたくさんある柱!そしてエッチなクリアーパープルの湯!私が興奮するそばで、あおいが泡だらけになりながら「いゃぁぁっ!!」という事件性のある叫びをあげ、その原因の葉子を秋葉が取り押さえ、私は少し離れた洗い場に……行こうとしたけど逃げ出した葉子に捕まって、じゃ、じゃあっ、みんなで背中を洗おうよ♪なんて提案する。葉子はとりあえずそれを受け入れた。
秋葉を先頭に座り、私は最後尾で葉子を洗うことになった。ボディタオルを濡らして……ん?なんか……お高そうな陶製のポンプ容器が2つある。『Wood』と『Sea』か……どっちがボディ用なんだ?と困惑しながらとりあえず森の方を選ぶと、正解なのかは分からないけど……よく泡立って森林浴みたいな透き通った香りだ。『お背中洗いますね〜♪』と葉子に告げて「は〜い♡」ってお返事がきて。
背中をごしごしすると……すぐに「んっ……♡はぁっ……♡そんなところまでっ……♡にゅ〜♡気持ちいいっ♡ねぇ……前もやって……?」……などというようなエッチすぎるボイスが勝手に始まり、秋葉が「ようこっ!」って怒り出した。
それに笑顔で「は〜い♡」と返事をし、今度は「あおちゃん……♡痛かったら言ってね……♡」なんて優しいごしごしタイムが始まる…………あれ?いつの間にタオルではなくて……手で背中と首を撫でて洗ってるエッチィ!!「ひっ!!ひゃあっ!!」とあおいは背中を反らせて飛び跳ねて「ようこっ!セクハラやめてっ!」って秋葉は振り振り向いたらあおいを見てしまい、すぐに前を向いた……マネージャー業は大変だね?
あおいも秋葉の背中を洗う。心なしか、秋葉の耳が赤い。「じゃ……じゃあ、いいですか……?」「は、はいっ……」とか…………何なの?新婚なの?葉子が終始、黙ってそちらを見ていて怖い怖い。「あ……ここあさんっ、肩のところにほくろがあるんですねっ!ふふっ♪」あおいが、ちょんって触ると「あっ!えっ、そっ……そうなんですっ!珍しいのかなっ??」なんて……声高くなってイチャイチャして……やっぱりカップルだよねこれ?
こっそりと葉子が、あおいの手を止めさせて代わりに秋葉を洗い始めたから私とあおいは下を向いて笑わないように耐えた。ボディタオルではなく手で肩から撫で始めると「ひぁっ!!あっ……あおいさんっ!?」と秋葉は仰天し、後ろを振り向いてから……また向き戻り、シャワーを出して無表情で髪の毛を洗い始め。
「あははっ!」なんて葉子が笑っても無反応だったのに、私とあおいが笑い出すと「ようこっ!さっさと洗ってお風呂行って!!」とか……はぁ♡ここちゃん可愛い〜♡って葉子とクネクネしてたら「丹海も洗うよっ!」などと言い出すから「いいよ?洗いっこする?」って問うと……私を二度見してから前を向き、顔を赤くして。……見ないでよエッチ。
「きゃ〜ん♡愛のバスタイム♡からの♡エッチなヒーリング♡」とか、やめて葉子っ!あおいがまた気になってるからっ!……秋葉はお風呂へ逃げた。葉子は「あおちゃんっ♡腕を洗ってあげるよっ♡」と半強制的にごしごしを始める。あおいは仕方なく目を閉じながら黙っていたけど「あおちゃんっ♡気持ちいい?」なんて聞かれ……目を開けて状況に耐えられなくなったのか「あああのっ!!自分でやりますからっ!!」とか声がエッチィ!
でも、ちょっと寂しそうな葉子を見て「……あの、腕を……私、洗いますよ……」と言うと「えっ!やってくれるのっ!?」なんて葉子は狂喜して。……まあ、想いは通じ合ってるんだし……何にも恐れることはないよ、あおい。私はお風呂へ向かい、静かに肩まで湯に浸かる秋葉のそばに行った……ら、何か距離取られた。
まぁ、いいや……って、壁に掛けてある薬湯温泉の効能を読むと『精神的リウマチ、精神的冷え性、各種解毒効果。』とまた筆文字で書かれており。微妙にとろみのあるオトナな紫の湯と、ミントやラベンダーのような清涼感あるハーブの香りが心をスッとさせる。大理石の白い湯船と天井にある貝殻の照明すご……とか見てたら秋葉さんが隣に寄ってきた。
『葉子とあおい、仲良くなれてよかったね。』と話すと手をつないできて。『……毒はそろそろ抜けそうだね。色々あったけどさ、楽しいキャンプだったよ。みんなでライブ見てさ、プールも…………』ちょっと思い出してしまったら「エッチだったね。」って……優しく笑うのなに?急に正面から魅了魔法を受けたみたいに秋葉を見つめてたら「それは……誘ってるの?」なんて、何だよそれっ!
何にも誘ってないしっ、とか言ったらため息をついて目をぎゅっと閉じて。「丹海……は、やっぱりビッチ……遊びを覚えたら確実に……大学生の丹海……エッチすぎて出禁……」ってひどいなっ!何言ってるの??……というか、大学って何する所なの?と聞くと「高度で専門的な知の探求……という表向きを掲げながら、実際には男や女や職などの近い将来を探索させるための大きな建物……」なんて言ってるが??本当なの??
よく知ってるね?と聞くと「うちに来る葉子の友人が教えてくれた……」って……色んな知識をこの人はあらゆる所から収集してるな。……へぇ、大学って存在は知ってたけどよく分からなかったからさ、高校の時から気になってたよ……とか話すと「丹海は……何か将来の夢があった?」なんて聞かれて。
「いや、なかったかな……」と言うと「じゃあ、お嫁さん?」などとニヤニヤして……何なの?『……別に、私はあおいと同じで、そういう感覚があんまり分からない人だから……」って述べると「うん、それっぽいね。」とか……失礼すぎるぞっ!秋葉にバシャバシャお湯をかけたらこっちもかけられて、「紫の湯の上で濡れてる丹海……エッチ。」って君もそうだからっ!みたいにやってたら「丹海………あのさ……一緒に、大学行かない?」と急に言われ。
どういうこと?とか尋ねると「私たちは、何事も経験が必要。私も旧世界の大学……興味あったけど行けなかった。夢世界にも必ずあると思うから……丹海、一緒に潜り込んでみない?」なんて手を掴んでニコっとするところ……葉子にそっくりすぎて、何だかのぼせてきちゃうよね。
そういえば葉子達は……と、後ろを見ると、あおいが葉子の髪をシャワーで洗ってあげていた……どちらかというと母親みたいな表情だからasmrモード入ってるね……と秋葉と微笑み。そのうちに2人もこちらへやってきて、葉子はジャブジャブ進んで円形のお風呂の深い所へ向かい、「このお湯ヌメヌメしてるっ!!エッチだよっ!!」とか叫んで泳ぎ出す。
あおいが「失礼します♪」なんて隣に来て「はぁ……このローマみたいなお風呂と丹海さん……すごくマッチしてて美しいです。」って言われちゃった♡あおいもだよ〜紫が似合いすぎるよ〜♡と話すと急に肩に頭を乗せてきて…………あれ?私たち恋人だっけ?そうだったね。
「ありがとうございます……丹海さんのおかげで……葉子さんの気持ちと向き合って行けそうです。」
さっき仲良くできてたじゃん!あおいすごい!って褒めたら「で、できたんですかね……?」と照れながらつぶやいて。はぁ……可愛い♡とかやってたら秋葉も私に寄りかかり……何これ?「あ〜っ!にゅ〜ずる〜い!私もヒーリングする〜!!」……いやいやヒーリングじゃないから、と3人で否定した。そのワードと一連の出来事は……もう封印したいんだ。
『でも……これで、何かケガとか体調不良があってもさ、何とかできるって分かるから安心だよね♪』なんて私が笑うと「そうだよ〜♡だから、新婚旅行♪いこうよっ♡にゅ〜♡」って……抱きつかないでぇっ!「ようこっ!!」と、最高に怒った秋葉に引き剥がされ、さらにあおいをハグしようとしたところでマネージャーに阻止され、最終的に葉子は秋葉に抱きつくと、あおいは「はぁ……双子姉妹、神の戯れ……♡」とか目を輝かせて違うモードに入った。
『……ええと、私はほぼ治ったけど……みんな解毒はできた?』と聞くと「はいっ、身体も意識も軽いので、もう大丈夫だと思いますっ!」ってあおいも元気だ。葉子は?と尋ねると「うん♪ほぼ治ったかな。あおちゃんにも癒してもらったし♡」とかクネクネして。
「そうだ、ごめんなさい葉子さん……私のせいでたくさんエネルギーを使わせてしまって……」
あおいが落ち込んでいると「あおちゃん♪そんなこと、思わなくて大丈夫だよ♪大切な人に自分の力をあげられるって素敵なことだから♪」って手を握ってニコっと微笑むウインクがイケメェン!!あおいは目をウルウルさせ、葉子の手を頬につけて「もし、葉子さんに何かあったとしても、私が癒しますから…………」と、愛の黄色い光が発せられたところであおいは赤くなってバッと手を放し。葉子は「あ〜ん♡もっとヒーリングした〜い♡あおちゃん一緒にいっぱいしよ〜♡」などと言い出して「ようこっ!」とかマネージャーが阻止し……のぼせる前にみんなでお風呂を出た。
これ以上の替えの服はもう持ってきていないので、モグラ色のルームウェアをみんなで頂いて着ることにする。葉子にまた新たな下着セットをもらった………肌に優しく温かそうな薄紫の綿の生地だ。私も下着の創生はできるんだけど……画像を見たりイメージを固めなきゃいけないので時間がかかる。想像力とかは絶対必要でしょうし、とにかく葉子に言われたように欲が、私には足りないのかもなぁ……と洋服をまとめて、脱衣のカゴに忘れ物がないか確認した。
〈顔の火照りはもう消えたんやな。なかなかしぶとい毒やったわ。次は気ぃつけんとあかんで?〉
レスキューの仕事から戻ったのか、偶然廊下にロケットさんがいたので『ありがとうございます!』ってみんなでお別れの挨拶をする。〈それはええけど、もう二度とあの島で冬キャンプしようなんて思わんといてな?元気なのはほんまにええことやけど。〉と釘を刺され。お礼に、葉子が鯛焼きのおまんじゅうの箱を創生して渡すと大変喜んで〈あんた、ええ趣味しとるなぁ。〉って……これはどっちの反応なんだ?「ふつうに褒めてるよ……」とか秋葉は小声で言うけど……分からないよっ!
ロケットさんにバイバイして、暖炉部屋で服や荷物をバックにまとめて、部屋を元の通りに整えて……葉子は「じゃあ、行くよ〜♪」ってニコっとした。……ありがとう、素敵なお部屋…………
最後に感謝をすると、フッと周りの景色が歪み……いつもの、葉子とあおいの家のリビングに切り替わって『はぁ〜♡』なんて、みんなで長くて大きなソファに荷物ごと倒れて。何だか落ち着くね……私も、この家の住人になったのかな?
「色々……ありましたね…………」ってあおいも笑って、うん、そうだね〜と立ち上がったら……クラっと来た。うわ、気絶タイムが来てしまった……帰ってきた安心感もあってものすごく眠いよ。でもここで倒れるとまた、顔に跡がついてたり首を寝違えたり酷いことになる……「うぅん……また来ちゃいましたか………と、とりあえず荷物はここに置かせてもらってっ……私は部屋に戻りますねっ……」とフラフラしながらも階段へ急ぐあおいの後を私たちも追うように走っていく。
すると葉子も駆けてきてあおいの服をつかみ「ねぇ〜!みんな行かないで〜!あおちゃんのお部屋で寝たい〜!」なんて謎グズりモードになって「よっ、葉子さんっ!?うっ、うちはダメですって!」とあおいに珍しく強めに振り払われると「じゃあにゅ〜と寝る〜!!」って私の腰にくっ付いて来た。「葉子……部屋に戻って?」と秋葉が突き放すとますますムキになってついて来て……割と長いらせん階段を何とか上がって、あおいが部屋に戻り、私と秋葉は………………部屋の前の廊下に倒れる。…………だめだ、眠い…………ああ、カーペットが気持ちいい…………
「しっかりしてっ!にゅ〜っ!ここちゃ〜んっ!」
……葉子はさすがだね……別に死ぬわけじゃないけどさ……身体を起こされながら呼びかけられて……何だか映画の主人公になった気分だよ…………横を見ると、秋葉がうつぶせのまま放置されてるから扱いの差に『はは……』なんて笑った。「いや〜っ♡死なないでにゅ〜っ♡目覚めのキスをしないとっ♡」って……ねぇ、私で遊ばないで……?キスしないでね……?「ふぁぁ……」とか、葉子も眠いんじゃんっ。
『お願い、葉子…………私、廊下とか床とかで寝たくはないんだ……できたら……ベッドまで運んでくれないかな……?』って頭がぐにゃぐにゃになりながら伝えるとフッと微笑み「大丈夫だよ、にゅ〜、私が連れて行ってあげるから……」なんて……優しく髪を触らないで?もう……葉子の夢を見ちゃうよ………
葉子……あの……早く運んでね……?おでこにキスしたり、首をスンスンしないでいいから………『にゅ〜っ!死なないで〜っ!』とかもういいから………早く……運ん……………耳を舐めないで?「あははっ!バレちゃった?」なんてやたら素敵な声なんだから……………私は、葉子に見つめられながら……………静かに眠りについた。




