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1 安定課にようこそ!

原案・プロット・本文(一部):篠宮雪乃

提案・本文(大体):Gemini

推敲・訂正提案:NotebookLM

でお送りいたします。

なお、NotebookLMにより作品内での矛盾が発覚した場合、内容が変わるほどの修正が入ることがあります。

遥か昔のことである。

魔力と時間を持て余した魔族が魔王を名乗り出した。

魔王は自らが住む魔王城を作り上げ、その魔王城を守護する魔物を作り出した。

魔物は時が経つごとに増えていき、人の世に被害を与え始めた。

そうなると、人の世を守るために勇者が生まれた。

魔王と勇者の戦いは何世代にも渡って続けられ、何名もの魔王と勇者が命を落とした。


そうした年月が過ぎていき、色々な考えの魔王と勇者が生まれた。

そんな中、とある魔王が言った

「戦うことにも飽きた」

という一言で世界が変わり始めた。


そこから魔族と人類の交流が始まり、魔族も政治を行うようになった。

魔族と人類が手を取り、人類に仇なす魔物討伐を協力して行くことになる。

混沌の時代は過ぎ去り、平和も垣間見れるようにはなってきたが、争いや悲しい出来事は無くなったわけではなかった。


さらに時を重ね、とある魔王が言った

「人類と魔族に仇なすのであれば、魔物だけでなく魔族も人類も討伐してよくね?」


そして出来上がったのが


「我ら、魔王城世界安定課というわけだ」

得意げに語る、ローブを纏った全身骨人間。

ここは魔王城にあるとある一室。

骨人間の語った通り世界安定課に割与えられた部屋である。

そこそこ広い部屋ではあるが、大仰な名前がついている組織には相応しくない程度の広さの部屋であり、例えるならば高校の教室くらいの広さである。

そこにいるのは骨人間と黒い翼が背中に生えた高校生くらいの女の子。

堕天使族の女の子セレナが何も考えてなさそうな顔で骨人間の話を聞いていた。

「ほへ〜」

「ねぇ、ほんとにちゃんと聞いてる?」

セレナは大きく頷く。

セレナは聞いてはいるのだ。理解しているのかは別として。


「はぁ」

骨人間はため息をついた。

この骨人間は世界安定課課長であり、種族はリッチ族、固有名はオステンである。

本日世界安定課に配属されたセレナの新人教育中である。


世界安定課ができて50年。オステンは世界安定課の課長になり5年目である。

世界安定課ができた当初、オステンはまだ生まれていなかったが、(育ての)父からよく聞かされたものである。

「これからの世の中の平和は世界安定課が作る。魔王城勤務の者として実に鼻が高い」

オステンは魔都市立魔族学園をそれなりに優秀な成績で卒業し、憧れていた世界安定課に配属され、勤続10年目にして課長に就任した。


世界安定課が設立された当初こそ、華々しい日向部署であったが、オステンが配属された頃には日陰部署になっていた。

まずは人間の世界からの拒絶である。

侵略戦争で領地を広げたい王族や利権を貪りたい貴族や大臣などからは

「人類に危害を加える魔族など言語道断、魔族を滅ぼすために新たな勇者を!」

などの声があがっているし。我らを讃えるはずの一般市民はそもそも我らのことを魔物の討伐業者としか認識していない。

魔族の中からも

「人類の益になる組織など、魔族に不要ではないか?」

という声があがっている。

次第に魔王城内でも干され始め、数年ぶりに配属された新人はセレナ(問題児)


そもそも堕天使族とは?

いわゆる堕天使とは天界に仕える天使が罪を犯したりなどで堕天した存在と言われているが、魔族の堕天使族はそのような存在ではない。

単純に黒い翼が背中に生えている人間の姿をした魔族がそう呼ばれているだけだ。

堕天使族には知恵者が多く、歴代の大臣の中にも堕天使族の者が何名もいた。

にもかかわらずセレナは魔力全振りのいわゆる”脳筋”である。


「なんかよくわかんないけど、感動しました!」


勢いよく手をあげ大声で宣言するセレナ。

うん、セレナは元気も性格も良い。

数年ぶりに配属された新人が即戦力ではなくて悲観的になっていただけだ、じっくり育てよう。と、オステンは考えを改めることにした。



ガラガラガラッ!


建付けの悪い、およそ魔王城の重厚なイメージとはかけ離れた軽い音を立てて、部屋の扉が勢いよく開け放たれた。


「ただいまー!あぁもう、課長聞いてよ!人間領の役人ったら、提出書類の角が少し折れてるだけで受理してくれないの。嫌がらせもいいところだわ!」


騒々しく入ってきたのは、背中に透明な羽を隠したスタイリッシュな美女だ。手に持った大量の書類を、空いている机にドサリと投げ出す。


彼女の名はベルゼー。かつては数百万の羽虫を操り、一晩で国を滅ぼすと恐れられた「蝿の女王」の末裔……なのだが、現在はその高い交渉能力を買われ、安定課の**「渉外・通商担当」**として人間領との泥臭い利権調整に奔走している。美意識が高く、机の上が書類で散らかることを何より嫌う。


その後ろから、重厚な金属音を響かせて全身鎧の巨漢が続いた。


「……ベルゼー、声がデカい。ガキが起きるだろう」


彼はガリウス。魔王軍の最前線で「不落の壁」と称えられた元近衛騎士団の重鎮だ。しかし、あまりの生真面目さが災いして上層部と衝突し、現在は安定課の**「実地調査・警備担当」**に収まっている。ちなみにデュラハン(首なし騎士)であり、感情が昂ると脇に抱えた自分の頭部が意思に反して勝手に喋り出すという、極めて騒がしい体質を持っていた。


「あら、ルカくんならさっきまでアーカイブ室に籠もってたわよ。それよりガリウス、見て!新しい子が来てるじゃない!」


「ほへ?」

セレナが首を傾げると、ベルゼーと呼ばれた女性が瞬きする間に距離を詰め、セレナの顔をじろじろと覗き込んだ。


「まぁ、可愛い!この子が噂の新任ね?私はベルゼー。こっちの無口な鉄屑はガリウスよ」


「……誰が鉄屑だ。ガリウスだ、よろしく頼む」

ガリウスは脇に抱えていた自分の頭部を軽く掲げ、挨拶代わりにした。首から上がない鎧から響く地鳴りのような声と、抱えられた生首が同時に瞬きをする光景に、オステン以外の全員が改めて「ここは魔王城なのだ」と実感させられる。


「セレナです!よろしくお願いします!」

元気よく頭を下げるセレナ。その勢いで黒い翼がバサリと広がり、ベルゼーの書類を数枚吹き飛ばした。

「おっと、元気ねぇ……。課長、この子もしかして『そっち系』?」

ベルゼーが腕で「筋肉」の形を作って見せると、オステンは力なく笑って頷いた。


「あぁ。知力テストは壊滅的だったが、魔力測定器を物理的に破壊するほどの実力者だ」

「最高じゃない。ちょうどいいわ、今さっき飛び込んできた案件があるの。――ねえ、ルカ!もう起きてるんでしょ!データを出しなさい!」


ベルゼーが部屋の隅にある、山積みのモニターに囲まれた一角に向かって叫んだ。

すると、高く積み上げられた魔導書の間から、浮遊するメカニカル・チェアに乗った小柄な少年が、欠伸をしながら姿を現した。


「うるさいなぁ、ベルゼー姉さん……。ボクの超精密な睡眠スケジュールが3分も狂っちゃったじゃないか」


片目にデータ表示用のモノクルを光らせた少年――ルカが、不機嫌そうに空中でキーを叩く。


彼は魔族の歴史上でも類を見ない、魔術と科学を融合させた「魔導情報工学」の天才児だ。かつては魔王軍の兵器開発局で神童ともてはやされたが、「倫理観がボクの演算速度に追いついていない」と上層部を鼻で笑い、自ら窓際の安定課に転属を希望した変わり者でもある。現在は安定課の**「情報解析・広域索敵」**を一人で担う、チームの司令塔だ。


空中に青白い魔導スクリーンが何枚も展開され、複雑な魔法数式が滝のように流れ落ちる。


「……案件だよ。北西のギラン湖に、本来は深海にしかいないはずの『グラン・リヴァイア』が出現した。周辺の村の漁師たちがパニックになってて、このままじゃ人間側の軍隊が動く。そうなる前に、ボクらで『安定』させなきゃいけない」


「リヴァイア……? おっきなお魚さんですか?」

セレナが呑気に首を傾げると、ルカはモノクルの奥の瞳を冷ややかに光らせ、画面をスワイプして巨大な影の映像を映し出した。


「お魚、なんて可愛いものじゃないよ。あれが暴れれば、湖に面した三つの村が地図から消える。……新入りの君。ボクの計算を邪魔しないでくれるなら、力を貸してあげるけど?」


ルカはセレナを一瞥し、鼻で笑った。

「新人が脳筋だってのは、さっきの挨拶で計算済みだよ。ボクがバックアップしてあげるから、さっさと準備して。……現場の未開人フィールドワーカーさんたち?」


「よし、出動だ。セレナ、これが君の初仕事になる」

オステンの言葉に、セレナは「はいっ!」と力強く拳を握りしめた。


「それじゃあ、私とガリウスが現場まで案内するわ。ルカ、道中のナビは頼んだわよ!」

ベルゼーが軽やかに羽ばたき、開け放たれた窓から外へと飛び出す。

「……ったく、ボクを使い走りだと思ってない?……位置データ送信。最速ルートをガリウスのモノクルに飛ばしたよ」

ルカが気だるげに指を弾くと、ガリウスは無言で頷き、セレナを促してバルコニーへと出た。


「ガリウスさんは……飛べるんですか?その鎧、重そうですけど」

バルコニーから広がる魔界の空を見上げ、セレナが純粋な疑問を口にした。

ガリウスは脇に抱えた自分の頭部の、顎のあたりを甲冑の手袋でゴリゴリと掻いた。

「……俺自身は飛べん。だが、俺の『足』はある」


ガリウスが空いた右手で虚空に複雑な紋章を描く。

「来い、カヴァロ」


低く渋い声が響くと同時に、大気が裂け、そこから漆黒の霧があふれ出した。

霧の中から現れたのは、一頭の巨大な馬だった。

しかし、その馬の首から上には実態がない、モヤのような馬の頭がそこにあった。代わりに、背中からはコウモリのような、骨張った黒い巨大な翼が生えていた。蹄からは青白い魔力の炎が揺らめいている。


「うわぁ……!カッコいい!」

セレナが目を輝かせた。

「こいつはカヴァロ。俺が前線にいた頃からの相棒だ」


ガリウスは首のない魔ペガサス、カヴァロの胴体を愛おしげに撫でた。カヴァロは首がないためいななくことはないが、蹄を鳴らしてガリウスの愛撫に応える。

「カヴァロは、首がない私の代わりに、周囲の魔力の流れを『視る』ことができる。……ほら、セレナ、乗るぞ。お前の翼じゃ、まだ長距離の巡航速度は足りんだろう」


ガリウスはカヴァロの背に軽く飛び乗ると、呆然としているセレナに手を差し伸べた。

「あ、はい!お願いします!」

セレナの手を掴み、ガリウスは彼女をひょいと自分の前に引き上げた。


「しっかり捕まっていろ。……行くぞ、カヴァロ」


ガリウスの合図とともに、カヴァロは青白い炎を散らしながら、重力を無視して一気に上空へと駆け上がった。

眼下に広がる魔王城がみるみる小さくなっていく。


『……あー、聞こえる?現場の脳筋ども。感度は良好かな』


耳元に装着された通信用魔導具インカムから、ルカの生意気な声が響いてきた。

「ルカくん!聞こえるわよ。今セレナちゃん達がカヴァロに乗って加速して私に追いついたところ!」

先行して飛んでいたベルゼーが、風を切りながら答える。


『ふん。カヴァロの速度なら、あと五分でギラン湖の上空に到達する。ボクはもうアーカイブから湖の地形データを引き出し終わってるよ。……セレナ、キミ、空から落ちてカヴァロに迷惑かけないでよね?』

「大丈夫です!私、頑丈さだけは自信ありますから!」

「……そういう意味じゃないんだがな」


ガリウスの溜息混じりの声を風に流しながら、三人と一頭は一路、人間領との境界にあるギラン湖へと突き進んでいった。


カヴァロが黒い翼を大きく広げ、空中で静止ホバリングする。眼下には、深い藍色をしたギラン湖が広がっていた。本来なら穏やかであるはずの湖面は、今や激しく泡立ち、巨大な影がのたうち回っている。


「……ひどい波立ちね。あれじゃ漁師たちも怖がって近づけないわ」

隣を並走するベルゼーが、眉をひそめて湖畔の集落を指差した。

里の入り口にはバリケードが築かれ、槍を手にした男たちが震えながら湖を睨みつけている。彼らの瞳にあるのは、ただ圧倒的な破壊への恐怖だ。


「ルカ、カヴァロが何かを感じ取っている。データを更新しろ」

ガリウスが低く告げると、通信機からルカのキーを叩く音が激しく響いた。


『了解。カヴァロの視神経データをこっちの計算機に同期……。あぁ、なるほどね。グラン・リヴァイアの腹部、右側面に異物反応あり。かなり深いよ』


「異物……?食べ物じゃないんですか?」

セレナがカヴァロの背中から身を乗り出し、目を凝らす。

「ほへ?……あ!なんか刺さってる!」


『正解。……って、ボクが解析するより先に肉眼で見つけないでよね、脳筋セレナ。……拡大表示するよ』


ルカが転送した映像が、ガリウスとベルゼーのモノクルに映し出された。

なお、ガリウスのモノクルは脇に抱えている頭部に付けられているのではなく、ガリウスの眼の代わりのカヴァロの頭部についている。

モヤのような頭部にどうやってモノクルがついているのかは謎だが、セレナ以外の安定課の面々は慣れているのでスルーしたため、セレナもよく考えず、それが当たり前なのだろうとスルーした。

巨大な水棲生物の脇腹に、無残に突き刺さっていたのは——折れた**船の主帆柱マスト**だった。腐食の進み具合からして、人間が湖に不法投棄した古い廃船の一部だろう。


「……痛そう。あの子、暴れてるんじゃなくて、痛くて苦しんでるだけだわ」

ベルゼーの声から、いつものお節介な明るさが消え、同情の色が混じった。

『その通り。しかも、その柱には人間が施した「防腐の魔法」が中途半端に残ってる。それが傷口で魔力干渉を起こして、激痛を増幅させてるんだ』


「……人間は勝手だな」

ガリウスが小脇の頭部で湖を見下ろす。

「自分たちの捨てたゴミで魔物を狂わせ、狂ったと言って怯え、軍を出して殺そうとする。……安定課の出番だな」


「私が抜いてあげます!」

セレナが立ち上がり、カヴァロの背中で翼を広げた。

「あのトゲを抜けば、みんなハッピーですよね!」


『ちょっと、待ちなよ!あんな巨大なのをまともに抜こうとしたら、暴れて湖畔の村が津波で沈むよ。計算上、成功率は——』


「ルカくん、計算はいいわ。……セレナちゃん、やるなら一瞬よ。ガリウス、足止めを!」

「……承知した」


ガリウスが手綱を引くと、カヴァロは急降下を開始した。

「セレナ、俺がリヴァイアの動きを封じる。お前はその隙に『トゲ』を抜け。……いいか、殺すなよ?あくまで『安定』だ」


「はいっ!」

セレナは黒い翼を羽ばたかせ、カヴァロから飛び出した。

湖面では、巨大なグラン・リヴァイアが再び苦しみに悶え、尾を振り回して里を飲み込まんばかりの水柱を上げている。


恐怖に震える里の人々の頭上を、黒い羽の堕天使が一直線に駆け抜けていった。

AIってすげぇ。

次回投稿日は4/27(月)です。

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