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IL FALCO NERO 〜黒い隼〜  作者: 新駒直胤
「英雄」の受勲
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ハヤブサ・ドナドナ

ある晴れた昼、とある飛行場で

落下傘の花が咲いた

 謎の筋肉軍団に運ばれて、向かった先は滑走路。いつの間にか輸送機が止まって居た。もがくファルコ、は機体に描かれた標章を見て全てを察した。

 紛れもなくヤツの仕業だ。

 扉が開き、ファルコは機内に投げ込まれた。

 投げ込まれるや否や脱出を試みたが、唯一開いている扉から筋肉軍団が次々と搭乗して来るため、脱出しようにも出来るスキマなど無かった。


「観念なさい。そいつら一応この国の最精鋭よ?」


 嘲笑うような口調でファルコを制する声が掛けられる。ファルコは声の主を睨み、罵った。


「ずいぶん手荒な真似してくれるじゃねぇか、えぇ? モニカ・フェラーリンさんよぉ?」


 声の主、モニカ・フェラーリンは、通常絶対フルネームで自分を呼ばない男にフルネームを呼ばれ、その上罵られたためか、非常に嬉しそうな笑みを浮かべた。そのまま襲い掛かってもおかしくない様子だった。しかし、モニカも一軍人。任務中である。流石にこの場では理性が勝った。


「こうでもしないと、あなた絶対来ないでしょうしね」


 ファルコはぐうの音も出なかった。おっしゃる通り、こうでもされなければ絶対役人の呼び掛けになど応じない。

 少しして、筋肉軍団全員の乗り込みが完了した。隊長格の筋肉の報告を受けたモニカは操縦席まで行き、操縦士に声を掛けた。


「作戦第三段階完了よ。出して」


「了解。中佐、席に着いて下さい」


 間も無く輸送機は動き出した。着陸してからほんの数分しか経っていない。強行離陸である。

 離陸しようとするにつれ、ファルコの抵抗は激しくなった。しかし抵抗虚しく、あっという間に拘束され、両脇を筋肉兵でガッチリと固められ、モニカの向かい側に座らされた。

 やっと観念したファルコは、モニカに色々と気になることを訊ね始めた。


「なぁ、おい『叙勲式』って何の冗談だ? 俺ァ、そんな大層なことした覚えねぇぞ?」


 これを聞いたモニカ及び周りの筋肉軍団は、まさに鳩が豆鉄砲を食ったような表情してファルコに注目した。


「え? あなたまさか自分のやったことの大ゴトさ、何も判ってないの?」驚きつつも呆れた様子でモニカが訊ねた。


「応、国家を助けるような仕事したこたぁ、賞金稼ぎ稼業始めて以来(このかた)いっぺんもねぇ」


 うっそだろこの野郎莫迦か。と表すのが相応しい雰囲気が機内に蔓延した。自慢でもないことを自慢し堂々としているこの賞金稼ぎの莫迦は、自分が成した事の偉大さに気付いていなかったのだ。これは教えてやるのが道理というものだろう。

 モニカは呆れつつ、ファルコに彼の功績の内容を教えた。


「あなたがこの間、アカから助けた旅客機。あれ、王室専用機でね。我が国の第一王女、マリア殿下が御乗りになられていたの。だからあなたは『王女殿下の窮地を救った英雄』になったワケ。判る? あなた騎士(ナイト)よ、騎士(ナイト)


 静寂。ファルコの反応を見るためか、機内はシンと静まる。エンジン音のみが響く。

 黙ったまま、ファルコは胸ポケットから煙草を取り出し、自作ライターで火をつけ、そして一息。普段から煙草を忌避する両隣の筋肉兵が嫌な顔をしても御構い無し。黙々と吸い続けた。

 そして煙草を吸い終えた後、モニカの顔をジッと覗き、ポツリと一言で全ての感情を語った。


「マジで?」


ドナドナドーナードーナー

ファルコをのーせーてー

ドナドナドーナードーナー

ヒコーキゆーれーるー

(JASPAMRACお断り)

また久しぶりです

もう大丈夫です

ではまた

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