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囚われるメイド

 明日が来ました、今日もイイ天気です。

 毎日晴れならイイのに・・ 

 最近日課となっている二人でのお茶時間。

 本当は思っちゃダメなんでしょうけど・・ずっと・・なんてね。


 ですが

 いきなり時が動きます。

 バツですかね?そんなコト思ったから。

 忘れてたわけじゃないケド・・『今』が動き出します。


 扉の向こうにナニカが現れた。


 今や眷属勇者になった私にはその異変がスグにわかりました。もちろんご主人様も気付いておいでです。

 『人形』のフリをしなくては・・私達は己の『気』を封じます。

 緊張感が走ります。

 こんなコト今までなかった、この1ヶ月間誰も現れなかった・・何者?


 扉が開き男が入ってくる。 

 「お二人共随分と愛のある生活を過ごしておられたようで、なによりです」

 嫌な記憶を思い出す声が...


 悪夢が蘇ります...

 「素晴らしい成果ですよ、メイドのメイさん。一ヶ月検診に上出来過ぎます。」

 男の名前が、口から無意識に出ます。

 「研究者・・」


 テレパシーで会話します。

 『知ってるのか?』

 『村を支配し、勇者の研究をする人です』


 「勇者の意識の覚醒に自身の眷属勇者化・・素晴らしい」

 !どうやらご主人様が『人形』ではなくなったコトに気付いているようです。 

 それに・・私のコトまで!

 刹那

 ご主人様の体がブレる...戦う意思が、一気に研究者との間合いを詰めます。


 「おや?人質のコトはどうでもよいと?」

 ご主人様と二人でビクッとなります...でも。

 

 『もしオレが戦うと決めたら・・一緒に生きないか?逃げよう!罪を広げたくない、オレ達二人で背負おう。オレ達にできるコトだけをしよう』 

 ご主人様の気持ちが伝わってきます。

 

 決意されたんですね。

 村に生き残るみんなの顔を思い出します。

 でも何回も二人で話し合いましたが、全員を助ける方法はわかりませんでした。

 ・・その度結論はお互い言えないままでした。

 口に出せない結論・・お互いわかってはいました、先にご主人様に言わせてしまいました。


 『二人で罪を背負いましょう』

 わかっていたんです・・どうしようもないことを。

 全員を助けるコトなんてできません。

 いえ詭弁です!

 生きたいんです・・ご主人様と生きていたいんです。

 どう言い繕っても・・

 どう言い訳しても・・

 見捨てて生きます、罪で苦しんで生きます、それでも生きたいんです。

 罪人になります。  

 ご主人様と一緒です。

 私達が救えるだけ頑張りますから・・許して下さい。


 私も追撃に出ます。

 猫のように飛び跳ねます、撹乱するように左右に...

 軽く丸まり、靴から釘を抜き取ります。

 

 ご主人様の突きが研究者の心臓を狙います。

 ・・ですが動きが止まりました、腕が伸びる前の状態で固まっています。

 !

 突然の停止・・私はご主人様を抱き締めそのまま研究者から距離を取ります。

 なにかされた?なにか来るかもしれない?研究者の攻撃手段がわからない。

 ご主人様は目を見開き、冷や汗をかいていらっしゃいました。


 『今何が?』

 『わからない・・体の動きを止められたようだ』

 テレパシーでの会話。


 「君達の生活は筒抜けで、勇者様の体内には動きを操る術が施されているんですよ」

 「魔法や呪具の類の反応はなかったハズだが?」

 金縛りのようにギコチナイ動きのご主人様が問う。


 そんな・・失敗してたっていうんですか・・

 私達は屋敷内やお互いを隈無く調べていました・・それでも見つけきれないモノがあったんて。

 対策がないのは、私達にとって都合のイイ話で思い込みでした。 

 

 「緊急用なため動きを封じるコトしかできませんけどね」

 ニヤニヤ笑ってコチラを見る研究者。


 「それなら私がアナタを殺せば、ご主人様は自由でしょうか?」

 言うより先に研究者に詰め寄り、釘で目を狙います。


 「わざわざ策をろうせずに来るとでも?」

 釘の先に・・私と研究者の間に剣が入り込みます。

 いつの間にか現れた男の剣でした。

 

 それでも!

 研究者さえ殺せれば、機会は増えると思いました。おそらくご主人様の開放の可能性も!

 

 諦めずそのまま第二撃に入ります。

 防がれた釘から手を離し、クルッと体を回しながらスカートの中に隠した包丁を掴み..遠心力のまま首を狙います。

 ですが首を狙う軌道に男の剣が割り込み受けられました。

 

 「諦めてはいかがですか?無駄に怪我をするだけですよ」

 男の後ろで研究者がニヤニヤしている。 


 「逃げろ!」

 ご主人様の悲痛な叫び。

 目が合います。  

 

 できない・・

 二人で逃げるんなら逃げたかった、罪人にもなれた。

 一人じゃできないよ、罪人になれない。 

 私のためだけに村人を見捨てるなんて無理・・。

 二人でじゃなきゃ嫌です!

 一緒に・・一緒に逃げましょう! 


 私は戦います。 

 指先を回す軌跡に光が残ります、ソレを連続して男に向け投げます。

 色々なモーションに加え・・カーブをかけたり等の様々な軌道で攻めます、男を集中的に狙い...時に隙を探り研究者を狙う。

 届かない!無数の光輪が消滅させられ、焦ります。

 

 「なかなかヨイ腕だな」

 剣の男が喋ります。

 褒める位なら手を抜いて、当てさせて欲しいです。切実。

 

 「研究者よ・・この女はオレが貰うぞ?」

 ゾワッと鳥肌が立ちます。

 勝手なコトを言わないで下さい!


 「・・仕方ないですね。その代わり勇者は頂きますよ」

 研究者が更に勝手な会話をしています。


 「ふざけないで!」

 これ以上私達を弄ばないで!


 私は空中に魔法陣を手早く印し魔法を完成させ...発動寸前の魔法より先に、男に向かって突撃します。

 私自身を使った衝撃弾、それか魔法のどちらかは当てます!捨て身の技...できれば研究者もろとも!

 

 屋敷の破壊された大きな音が響く、耳に残る。 


 「惜しかったな・・魔法が先に届いていればもう少しダメージを与えられただろうが・・経験の差か」

 全身を使った衝撃弾が、力にねじ伏せられました。

 でも魔法は確かに当たったはずです。


 「弱いのだ、遅いのだ、バレバレだ!どちら付かずの魔法の威力などな・・が、育てがいはありそうだな」

 ダメ出しされました・・自分の無力が恨めしい。


 「だがますます気に入った・・よもや剣が折れてしまうとは思わなかったな」

 私の体は、剣の腹で叩きつけられ床に沈んでいます。

 衝撃波で身を包んでいたため外傷はありませんでしたが...違う方向からの剣の威力に、全身の筋肉が深刻なダメージを受けていました。

 動けない、苦しい。


 男が私を抱きかかえます。

 「い・・や・・の・・」

 抱き上げられている姿を、ご主人様に見られたくない・・でも体が動かない。


 「その子に手を出すな!」 

 ご主人様・・

 お互いの姿は見える所にいるのに、近づくができない。 

 遠い・・遠くなる・・目も耳も・・。

 体の悲鳴が意識を散らそうとしてくる。


 「あ・・ああ・・」

 涙がこぼれます。

 嫌だ、あそこに戻りたい。

 ご主人様の咆哮が聞こえる。

 

 意識が・・閉じたくない・・嫌だ・・いや。

 

 罪人になれなかったのに囚われました。

 二人で罪人になりたかった。

 もう叶いません。

読んで頂けたらとありがとうございます

『・・』が多くて読みづらいとの指摘を受けましたので

心理描写?は従来のままで、その他には『...』を使うことにいたしました。

よくわからなくなったので、文章がおかしいかも。

小説はまだまだ慣れません、いえメール位しか書きませんけどね文章なんて

がんばります。

あと戦闘描写はあまりできなかった、反省。

のの字書いてて思いついたら、勢いでメイドさんが特攻かけてました・・

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