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第61話 手のひら返しの法則

「いいもの?」モーフェイは味気ない乾パンを噛みながら、眉を上げた。


「この森には、ちょっとした『特産品』がある」ヴァルクは壁に掛けてあった猟刀を取った。「今夜は一品増やす」


ロックは笑って頷いた。「封城中の追加補償だと思えばいい」


カミラは暖炉の温かさから離れることに少し抵抗していたが、腹がひどく正直に低い音を立てた。

彼女は頬をわずかに赤らめ、マントを引き上げた。「行くわ。美味しくなかったら、精神的損害賠償に加算するから」


「お、俺も行くのか?」アーダイは扉の外の真っ暗な森を見て、首をすくめた。


「お前みたいな災難磁石は、林の中で事故を量産しないでくれ」ロックはアーダイの肩を叩いた。「留守番してろ。あとで少し分けてやる」


アーダイは苦笑しながら頷き、四人が夜に覆われた林の中へ踏み込むのを見送った。


---


夜の森はひどく静かで、虫の声と遠くの獣の唸りだけが残っていた。

ヴァルクに導かれ、四人は茂みを抜け、隠れるように澄んだ水をたたえた池の前へ出た。


数百匹の魚が水中を悠々と泳いでいる。水から跳ねたり泳いだりするたび、鱗から星空のような淡い光点がこぼれた。

「星露魚」が池をきらめく銀河のように彩り、その光景は夢のように美しかった。


「きれい……」カミラは思わず感嘆した。


モーフェイも見入っていた。元の世界なら、この光景はネットでどれだけいいねを稼げるだろうと想像し始めたほどだ。


しかし、その二人がロマンチックな美景に浸っている間、ロックは黙って袖をまくっていた。


「この魚、肉質は悪くない。ちょっと骨が多いだけだ」ロックは何でもないことのように言い、指先からまばゆい雷光を一気に弾けさせた。

彼はためらいなく手を水の中へ突っ込んだ。


バチッ!


青白い電流が瞬時に広がった。星空のような微光は激しく痙攣したあと、次々と腹を上に向ける。二秒も経たないうちに、水面には意識を失った星露魚が一面に浮かんだ。

ロマンチックな美しさは、物理的に一瞬で破壊された。


カミラの口元が引きつり、出かけていた賛辞を無理やり飲み込んだ。


「効率優先だ」ロックは笑いながら、丸々とした星露魚をすくって網袋へ放り込んだ。「どうせ星露魚は水から出ても光る。焼く時も同じように綺麗だ」


「魚は前菜だ。今夜のメインはあっちにいる」ヴァルクはさらに奥の林を指した。

「メインって何?」

「幻跡鹿だ」ヴァルクは革の背嚢から、油紙に包まれた丸い塊を取り出した。「この鹿の肉は非常に柔らかい。ただ、足が速いうえに隠蔽能力まで持っている。普通の方法ではまず触れられない」

「じゃあ、どうやって捕まえるつもり?」カミラが尋ねる。

「『お願い』するんだ」


ヴァルクは慎重に油紙を剥がした。次の瞬間、言葉にしがたい強烈な悪臭が空気中で爆発した。その匂いは、三か月発酵させたシュールストレミングに腐敗したスライムの粘液を混ぜたようだった。


「げほっ、げほっ! おえ──」カミラとモーフェイは同時に激しく咳き込み、転がるように十数歩も後退し、涙を噴き出した。

モーフェイに至っては四つん這いでそばの木に登り、地面のあの生物兵器から少しでも遠ざかろうとした。


「ヴァルク! 殺す気なの!」カミラは鼻をつまみ、普段の抜け目ない様子を完全に失っていた。


「静かにしろ。いい匂いのするものほど、原料は死ぬほど臭い。違いは量の加減だけだ」

ヴァルクは悪臭を放つ餌を石の隙間へ押し込み、木の陰に隠れた。

「これは二層になっている。外側は鹿が嗅ぐと癖になる。内側は鹿が触れると気絶する」


二分後、淡い紫色の毛並みをした鹿が匂いをたどり、音もなくそっと近づいてきた。目は陶然としており、まるで術にかかったように餌へ歩いていく。


まさに食らいつこうとした瞬間、餌が弾けた。


濃い黄緑色の煙が幻跡鹿を包み込む。鹿は悲鳴を上げる間もなく四肢を硬直させ、その場に倒れた。


ヴァルクは五十キロ近い獲物を引きずり出した。しかし鹿の毛皮には黄緑の粉末がびっしり付着し、悪臭が夜風に乗って何度も漂ってくる。


「それをこっちに持ってこないで!」カミラは恐怖で後退した。「あと一歩近づいたら、銃で吹き飛ばすわよ!」


「表面に匂いがついているだけだ。処理すれば済む」ヴァルクは仕方なく足を止めた。


モーフェイは鼻を押さえた。さっきまで腹を空かせていた胃が、今はむかむかしている。

「ヴァルク、これを最高級食材って言うのか? 俺モーフェイは今日、餓死しようが、この木から飛び降りようが、こんな臭気に燻された鹿肉は絶対に食べない!」


「早まるなよ」ロックが横で笑って首を振った。


四人は林の中で空き地を見つけ、焼き台と石鍋を据えた。


ヴァルクは手際よく幻跡鹿の皮を剥ぎ、内臓を処理して洗い流した。ロックは鹿肉のステーキを串に刺し、焚き火の上で返しながら焼く。


高温で炙られるにつれ、吐き気を催す悪臭は急速に揮発し、食欲を誘う蜜の香りへ変わっていった。香りは濃厚なのにしつこくなく、果樹の薪を思わせる芳しさを帯びている。


「ぐうう」モーフェイの腹が大きな音を立てた。

「この匂い、どうなってるの?」カミラは目を丸くした。


「幻跡鹿は森の剣歯苔をかじって歯を研ぐのを好む。あれを食べすぎると、肉の中に金元素が蓄積し、肉質が締まりすぎる。食べると鉄板を噛んでいるようで、錆びた鉄片みたいな生臭い苦味まで出る。だが、この冥息の実の汁をかけて炙ると『元素分解反応』が起きる。その金元素が、この食欲を誘う琥珀色の蜜香へ変わるんだ」

ヴァルクは説明しながら、下処理した星露魚を沸騰する石鍋へ放り込んだ。


モーフェイとカミラの視線は、煮立つ石鍋と黄金色の鹿ステーキの間を何度も行き来した。喉が無意識に上下する。


星露魚のスープの旨味と鹿肉の蜜香が絡み合い、野営地に広がった。


「焼けたぞ」ヴァルクは油をじゅうじゅう滴らせる鹿ステーキを引き上げた。


二つの黒い影が、飢えた虎が羊へ飛びかかるように飛び出した。カミラは魔女としての尊厳を捨て、焼けた鹿ステーキをつかんで大口でかじりつき、幸せそうな顔をする。「店主、もう一本」


モーフェイは星露魚のスープを一口飲み、焼き肉を頬張った。疲労が一気に吹き飛ぶ。「うまい!」


「餓死しても食べないって言ってなかったか?」ロックがからかう。


「これは自然の恵みに敬意を払っているんだ!」モーフェイは平然と肉をかじった。


……


一同は腹いっぱい食べて飲み、モーフェイは木の幹にもたれ、腹をさすりながらうとうとしようとしていた。


「アーダイのやつ、ずいぶん静かだな。まさか何も起こして……」


轟!


モーフェイが言い終える前に、廃小屋の方角から鈍い爆発音が突然響いた。大地がかすかに震え、驚いた鳥たちが夜空へ飛び立ち、静寂を破った。


一同は一斉にモーフェイを見る。


「ええと……行こう、戻って確認だ!」モーフェイは身を起こした。


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