表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第12章 素材集めへの準備

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
96/122

第096話 出発前夜

夜。クロウフォールの拠点。


廊下には蝋燭の灯りが揺れ、各部屋の扉の下から淡い光が漏れている。明日から始まる素材収集遠征に向け、全員が最後の準備をしていた。


カイルの部屋では、大剣と盾が壁に立てかけられている。彼は椅子に腰かけ、無言で盾を磨いていた。銀のプレートアーマーが橙色の光を反射する。


「明日から、素材集めか」


低く呟き、盾の表面を撫でる。ゴードンに確認してもらった際、微細なヒビを指摘された。強化が必要だと言われたことを思い出す。


「もっと強くならないと」


拳を握る。守りたい。追いつきたい。その想いだけは、誰よりも強い。


装備を順に確認する。回復薬、ロープ、予備武器。抜けはない。


隣の部屋では、リリアが杖を机に置き、先端の宝石をじっと見つめていた。


「少し曇っていますわね……」


魔力を流す。光が弱い。伝導率が落ちている。


羊皮紙の素材リストを広げる。


魔石、元素核、雷結晶、火精核、氷精核。


「強化しないといけませんわね」


穏やかに微笑み、薬品を丁寧に鞄へ収めていく。回復薬、解毒薬、魔力回復薬。指先の動きに迷いはない。


セリスとセイラは隣室で準備をしていた。


「明日、楽しみですね!」


明るい声が響く。


「……そうだな」


淡々とした返事。


セリスは薬品を並べて数える。回復薬5本、解毒薬3本。


「セイラさん、足りてます?」


「……ああ」


セイラは氷の杖を確認していた。魔力結晶の消耗を感じる。


「氷洞にも行くんですよね」


「……そうだ」


短い返答。それでも覚悟は固い。


アイリスの部屋では地図が広げられていた。


「深森、岩場、山岳、湿原……」


指でなぞりながら確認する。


「氷洞、溶岩帯、雷原……」


地図を畳み、小型ナイフを抜く。刃こぼれが目立つ。


「ま、とりあえずは使えるか」


軽く振り、鞄へしまう。


エルザは無言で短剣を研いでいた。石に刃が触れるたび、静かな音が響く。


研ぎ澄まされた刃が光る。


「……準備完了」


短く呟き、窓の外の月を見上げる。


ハンスはハンマーを手に取り、重さを確かめていた。柄の劣化を思い出すが、振り心地は問題ない。


「……明日」


低い声が部屋に落ちる。


ユイの部屋。


机の上に並ぶ双剣を見つめる。整備は完璧だ。前世からの習慣で、武器管理は徹底している。


「みんな、準備してるかな」


廊下へ出る。各部屋の灯りが心強い。


階段を下り、広間へ向かう。


広間にはカイル、リリア、アイリスが先に集まっていた。


「ユイ!」


アイリスが手を振る。


「準備は終わったか?」


「はい。問題ありません」


「私も完了ですわ」


「あたしもバッチリ!」


やがてエルザとハンスが現れる。


「……準備完了」


「……ああ」


最後にセリスとセイラが合流する。


「みんな揃ってますね!」


「……ああ」


8名が揃う。


ユイは全員を見渡した。


前の人生では、隣に誰もいなかった。失敗も痛みも、すべて一人で抱えた。


だが今は違う。


7人の仲間がいる。


「明日から、素材収集に入る。無理はするな。だが、必ず成果を持ち帰る」


カイルが力強く答える。


「はい!」


リリアが静かに頷く。


「皆でなら可能ですわ」


「楽しみだね!」


「頑張りましょう!」


「……ああ」


「……明日から」


それぞれの声が重なる。


ユイは小さく笑った。


「今日は休め。明日は早い」


それぞれ自室へ戻っていく。


自室に戻り、窓の外を見る。月が高い。


ダイアウルフ、アーマーリザード、ストーンゴーレム、マッドゴーレム、そして各種エレメンタル。


長い遠征になる。


だが一人ではない。


今度こそ、最後までやり遂げる。


ベッドに横になり、目を閉じる。


静かな夜が、明日への決意を包んだ。


翌朝。


全員が広間に集まる。朝食を終え、最終確認を済ませる。


ユイが短く告げた。


「行くぞ」


全員が頷く。


素材収集遠征が、始まる。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じていただけましたら、

ブックマーク・評価・感想などで応援していただけると、とても励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ