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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第21章 遺跡の違和感

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第172話 レオンとの再会

封印陣の前で、二つのクラウンが向き合っていた。

 

リリアの分析が終わり、全員が陣の状況を把握した。

 

誰かが意図的に緩めている。放置すれば、いずれ解ける。

 

その事実が、重く空気に漂っている。

 

「で、どうする」

 

レオンが口を開いた。

 

「封印が緩んでいる。中に何かが封じられている。それは分かった」

 

彼の金色の瞳が、ユイを射抜く。

 

「だが、それがどうした」

 

「……どうした、とは」

 

「俺たちの仕事は異常の排除だ」

 

レオンは腕を組んだ。

 

「封印が解けそうなら、中身が出てくる前に叩く。それだけの話だ」

 

「待ってください」

 

ユイが一歩前に出た。

 

「原因を突き止めなければ、また同じことが起きる」

 

「原因?」

 

「誰かが意図的に封印を緩めている。リリアの分析では、そうなっています」

 

「だから何だ」

 

レオンの声が低くなった。

 

「緩めている奴がいるなら、そいつも叩けばいい。単純な話だ」

 

「単純ではありません」

 

ユイは譲らなかった。

 

「なぜ封印を緩めているのか。その目的が分からなければ、対処のしようがない」

 

「目的?」

 

レオンが鼻で笑った。

 

「お前は考えすぎだ。敵がいるなら倒す。それが俺たちの仕事だ」

 

「力だけでは解決しない問題もあります」

 

「ほう」

 

レオンの目が細くなった。

 

「最下位が、俺に説教か」

 

空気が張り詰める。

 

ザークスが一歩前に出た。

 

「レオン様」

 

「黙れ、ザークス」

 

「しかし……」

 

「俺は最下位と話している」

 

ザークスは口をつぐんだ。

 

レオンがユイに近づく。

 

「お前、何を知っている」

 

「……何のことだ」

 

「とぼけるな」

 

レオンの声が、さらに低くなった。

 

「さっきから見ていた。お前、この陣を見た時、驚いていなかった」

 

「……」

 

「まるで、知っていたような顔だった」

 

ユイは表情を変えなかった。

 

だが、心臓が跳ねた。

 

見抜かれている。

 

レオンは馬鹿ではない。単純に見えて、観察眼は鋭い。

 

「知っていることがあるなら、話せ」

 

「話すことはない」

 

「嘘をつくな」

 

「嘘ではない」

 

ユイは真っ直ぐにレオンを見返した。

 

「今、話せることはない。それだけだ」

 

「今、話せることはない?」

 

レオンが眉を上げた。

 

「つまり、話せることがあるということか」

 

「……」

 

沈黙が答えだった。

 

レオンは舌打ちした。

 

「理屈っぽい奴だな」

 

「そう言われたことはある」

 

「褒めていない」

 

「分かっている」

 

二人の視線がぶつかる。

 

周囲の仲間たちは、息を呑んで見守っていた。

 

3位と最下位。実力差は歴然だ。

 

だが、ユイは一歩も引かなかった。

 

「お前の目的は何だ」

 

レオンが問う。

 

「異常の原因を突き止めること」

 

「それだけか」

 

「それだけだ」

 

「嘘だな」

 

レオンは断言した。

 

「お前には、別の目的がある。俺にはそう見える」

 

「……」

 

「だが、今は追及しない」

 

レオンは踵を返した。

 

「俺たちは俺たちのやり方でやる。お前たちは好きにしろ」

 

「ただし、邪魔はするな」

 

「こちらも同じだ」

 

ユイは静かに応じた。

 

「私たちの調査を妨害しないでほしい」

 

レオンは肩越しに振り返った。

 

「調査? 何を調べるつもりだ」

 

「この陣の構造。緩めている者の正体。そして……」

 

ユイは言葉を切った。

 

「封じられているものの正体」

 

「正体を知ってどうする」

 

「知らなければ、対処できない」

 

「対処?」

 

レオンが鼻で笑った。

 

「出てきたら倒す。それが対処だ」

 

「倒せなかったら?」

 

その言葉に、レオンの動きが止まった。

 

「……何?」

 

「倒せない相手だったら、どうする」

 

ユイの声は静かだった。

 

「力だけでは解決しない。そういう相手も、この世界にはいる」

 

レオンが振り返った。

 

その目には、怒りではなく、興味が浮かんでいた。

 

「お前、何を知っている」

 

「……」

 

「答えろ」

 

「今は、話せない」

 

「なぜだ」

 

「確証がないからだ」

 

ユイは視線を逸らさなかった。

 

「確証が得られたら、話す。それまでは待ってほしい」

 

レオンは黙ってユイを見つめた。

 

数秒の沈黙。

 

「……いいだろう」

 

レオンは背を向けた。

 

「だが、長くは待たない。俺は気が短い」

 

「分かっている」

 

その時だった。

 

地面が、震えた。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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