第77話 ルーテリアギルド
明らかにテンションの異なる二人……エルナ、るージュと今後の予定について話した。
とりあえずオレ達がるージュのクエストを手伝ってみることについては決定だ。代わりにもう少し先になりそうだが、オレ達が上位職クエストをする時にはるージュも手伝うという約束付きである。ここは譲れない。
変な奴であることは間違いないが、それなりに強い冒険者だから必ず役に立つはずだ。
と、その上でちゃんとるージュのクエスト内容について本人から確認したところ、目的地である『ラミーラ坑道』はルーテリアから近い……わけではないが、べらぼうに遠いわけでもない……要するに問題ない距離らしい。アカシアの街から行くことを考えたら間違いなくルーテリアの方が近そうといった状況だ。
クロスボウの使用条件についても、クロスボウの攻撃で『キラサカスコ』にダメージが入っていれば良く、トドメである必要は特にないらしい。そしてクロスボウの使用者が本人ではなく仲間の誰かであれば良いようなので、オレが参加した状態でクロスボウでの攻撃をしつつ、討伐出来れば良さそうだ。
それならルーテリアで同行者もしくは協力者を募集して行けば良いし、今よりもログイン中の人が多そうな休日にちゃんと募集をかけた方が仲間が見つかる確率が高いだろう。
オレもエルナも、そしてるージュにしても明日土曜日は特に予定もなく一日イルグラードに籠もることが分かったところで、明日の朝9時を目安にルーテリアの中央広場で待ち合わせをし、そこから同行者を集めて出発ということになった。
「じゃあ、そういう感じで集まる……でいいな?」
「オッケー!」
「……ぁぁ」
まだるージュのテンションが若干戻りきっていないようだが、ちゃんと約束は出来たので安心してオレ達は解散した。少しくらいログイン時間がズレたとしてもるージュともフレンド通信も出来るようにしておいたので、とりあえずは問題ない。
一つ気になる点があるとしたら、オレには仲間がそもそも増えない前提だったので気にしてなかったのだが、フレンド通信の登録枠には限りがあるということだ。
ガドル
エルナ
ミゲル
ランスロット
るージュ
(5/24)
もともと4名の登録があった。オレにしては上出来なのではないだろうか?固定パーティ仲間と繋がりのあるパーティのリーダーだけだったところにるージュが追加されて5名になった。と、ここで初めて枠数について気になったというわけだ。
記載を見る限り24名までのようだ。……少ないよな。多分。
オレは交流範囲が狭いのであまり困らないが、既に一杯になってる冒険者も多いんじゃないだろうか?ていうか、エルナとか既にパンクしてそうだ。今度聞いてみることにしよう。
そんなことを考えながらオレが向かったのは地下街にあるギルドだ。目的は素材クエストの確認と換金、そして条件討伐の報酬受け取りである。
調合士ギルドはすぐに見つかった。モルトなどと違ってとても分かりやすいところにあったためだ。
オレはギルドの扉に手を掛けて扉を開け……るところで一旦立ち止まる。
またここにもクリエラがいるんだろうか?としたら名前は何になってる?モルトが『クリエラ』で、アカシアが『クリエタ』。じゃあルーテリアは?まさかのここだけ別のAIとかそういうことも無さそうだし。
たぶん……あ段だろう。
ア……カ……ないな。サもないだろ?ナ……はあり得る。ハはない。マ……は微妙なラインだ。ヤもワもない。ということは!
クリエナか!
オレは全力でヤマを張った。そしてオレは勢いよくドアをあけ、向こうにいるはずのクリエナと対峙する。
『いらっしゃーい!!おかえりぃっ!?ついにルーテリアにようこそっ!!』
間違いない!このテンションと受け答え!中身はクリエラだ。
あとは……名前だ!オレはクリエラの頭上に記載されている名前を見た!!
クリエバ
濁点かよ。
騙された気分だ。いや、濁点を考慮しなかったオレが悪い。なんて浅はかだったんだオレは。
『んん~?どうしたのかなぁ?ファクトらしくないな?テンション低いよ?』
「いや……なんでもない」
クリエバはいつものように眩しさ全力の笑顔で覗き込んできた。
名前当てクイズに敗れてちょっとガッカリしているなどとは言えない。
『うん。声に出てるけどね?まぁ大したことじゃなさそうだからいいか!で、今日はギルドになんの用かなっ?!』
しまった。声に出てたか。でも確かにクリエバの言う通り大したことじゃない。用件を済ませてしまおう。
まずは納品クエストによる換金だ。
回復薬小、毒消し薬、麻痺治療薬をそれぞれ50個ずつ納品して4,500Gを受け取る。そして他にも何か納品クエストがないかと確認し、見つけた回復薬中の納品クエストを受注する。……まだ調合できないけどな。
「あと、条件討伐クエストの事後受注と報酬の受け取りをしたいんだが」
『オッケー!ちょっと待ってね!対象魔物は何かな?』
「鬼霊だ」
『鬼霊ね!……あ、これか!』
クリエバは、いつものようにカウンターの裏から、一枚のクエスト板を取り出した。
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件名 :(条件)鬼霊討伐
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依頼者:探索者ギルド
内容 :鬼霊を討伐すること。
期限 :不定期
回数 :1回
条件 :レベル15以下で3人以下のパーティでの討伐
報酬 :ギルド別指定
コメント:あやかしの森の入り口で危険指定魔物である鬼霊を確認しました。街道の安全保持のため、速やかな討伐をお願いします。
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『うわぁ、凄いじゃないこれ。結構高難度だよ!』
「そんなの分かるのか?」
『ううん、わかんないよっ?!』
ガクッとくるオレ。なんだよ……肩透かしもいいところだ。
「クリエラ!適当なこと言い過ぎだろうが!」
『あっ!ごめんねっ!えっとそうじゃなくって、クエストの難易度指定なんてないしそんなのわかんないけど、報酬が凄いよっ!だから難しいだろうなって!あと、私はクリエバだよっ?!』
「うん?50,000Gじゃないのか?」
オレはクリエバの名前訂正をスルーしつつ、クエストの報酬欄を改めてよく見てみた。
ギルド別指定……って書いてあるな。そう言えば前のゴブリンソードの討伐もギルド別指定だったような気もする。てことはエルナ……戦士ギルドでの報酬が50,000Gってだけか。
『50,000Gじゃないよっ!それは多分他のギルドの話だよね?!確か戦士とか魔法とか戦闘職がそれだった気がする!』
「ほぅ?じゃあ調合士ギルドでは何が貰えるんだ?」
オレの問いかけにクリエバの瞳がキラリと光った。
『ジャジャーン!なんとっ!ドコドコドコドコドコドコ……』
「いや、口でドラムロールとかしなくていいから」
さっさと教えてくれと雰囲気でアピールをする。
『報酬はっ!レシピ板3枚っ!いぇーい!』
満面の笑みで高々と掲げたクリエバの右手では、3枚のレシピ板がキラリと輝いている。
その姿は一瞬だけだが後光が差したかのように神々しかった。
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名前:ファクト
性別:男
種族:ドワーフ
称号:クイーンビーバスター
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職業:調合士
LV:10
腕力:26 (20+ 6(STR+50%))
活力:39 (23+15(VIT+70%)+1)
敏捷:36 (26+10(AGL+70%))
器用:43 (40+ 2(DEX+50%)+1)
魔力:12
運 :15
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武器:ハンティングダガー(STR+12) :即死効果50%
盾 :
サブ:クロスボウ(STR+10) :命中精度80%UP:調合士装備時
弾 :ウッドボルト(STR+5)
頭 :ハードレザーバンド(VIT+4) :VIT値+1
手 :ハードレザーリスト(DEX+4) :DEX値+1
胴 :ハードレザージャケット(VIT+12) :毒無効
下肢:ハードレザートラウザ(VIT+5/AGL+4) :クリティカル回避5%
足 :ハードレザーブーツ(AGL+10) :移動速度20%UP
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所持金:
6,040G
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固有スキル
調合
アイテム鑑定:調合士
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修練スキル
虫の知らせ
必中
短刀術
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レシピ
回復薬小
毒消し薬
麻痺治療薬
木片
ウッドボルト
スタンダードボルト
ブーストLV2
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受注クエスト
回復薬小の納品(束)350G/10個
毒消し薬の納品(束)250G/10個
麻痺治療薬の納品(束)300G/10個
回復薬中の納品(束)1,500G/10個 new!
新作武器の材料調達
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