第78話 3枚のレシピ
3枚……3枚だと!
浅ましいオレが最初に行ったのはレシピ板1枚当たりの金銭価値だ。5万で3枚なのだから1枚あたり約1万……切り上げて7千といったとこか。
いやまあ冷静に考えればプレート板の価値なんてどうでもいい。真の価値は引き当てたレシピ次第だ。
『3枚も同時に手に入れるってこと自体が難しいからね!これはすごい報酬だよっ!』
オレ以上にクリエバが興奮しているのは何故なのか?!
むしろここはオレが引くくらい大げさに喜んでみてはどうだろうか?……いや、やめとこう。苦手なことを無理矢理やってもいいことなんてない。オレの代わりにクリエバに喜んでもらっているということにしておこう。
とまあ屁理屈こねてみたけれど、この報酬が嬉しいことには変わりない。レシピは多ければ多いほど調合士としての格が上がる気がする。
満面の笑みで報酬を差し出してくるクリエバから、レシピ板3枚を受け取ったオレは早速1枚使用した。
オレのステータスの中へレシピ板が吸い込まれ、一つのレシピがそこに現れる。
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名称 :魔力粉
材料 :アロエ×5、マンドラゴラ×20
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なんだ?魔力粉って。調合の中間素材か?
レシピからではアイテムランクは分からないが、マンドラゴラ×20ってのが結構壊滅的な数字だ。これまでモルト~あやかしの森~アカシア~あやかしの森~モルト~あやかしの森~ルーテリアと移動するたびに採集しまくって来たわけだが、手元にマンドラゴラは8個しかない。感覚としてはアロエを採取しようとした時のレアアイテム扱いといったところだろうか?そんなアイテムを20も採集するとか……。
ちょっとガックリくるオレ。しかもそこへクリエバがトドメを刺してきた。
『あぁ!残念。ハズレかぁ。元気出して!いいことあるよ!具体的には2枚目でっ!』
「クリエラ!ハズレってどういうことだ?」
『私はクリエラじゃなくてクリエバだよ?!』
オレの質問には答えずに名前の訂正だけ主張してくるギルドマスター。
「いや、それはそれとして質問に答えてくれ。どうして魔力粉がハズレなんだ?」
『それはね……』
クリエバの説明を聞いて愕然とするオレ。
なんと王都のギルドで素材として普通に購入できるらしい。しかもお値段は5,000G。完全に損じゃないか。ちなみにクリエバの話によると他にも中間素材に関しては特定レシピを販売しているとのこと。つまり残り2枚を含めた今後のレシピ板についても、それらを覚えるのはハズレということだ。
「そういうこと、もっと早く言ってくれるかな……」
『言っても言わなくてもどうせ使っちゃうだろうから意味ないし、有用なレシピが発現することも間違ってないし……だからねっ!』
ややしょんぼりとしてみせるクリエバ。が、あんまり堪えていないようですぐに笑顔に戻った。
さて、残りのレシピ板はは2枚。果たして使うべきか。あとで買えると分かってるレシピがあるのだとしても、それを待ったところでもっとハズレである『木片』みたいなレシピを引くこともあるわけで、結局のところクリエバの言う通りリスクとしては大して変わらないのかもしれない。
『さぁさぁどんどん使っちゃおう!悩むだけもったいないよっ!』
クリエバのテンションは変わらない。
まあいい。クリエバの後押しがあったからではないが、とりあえずもう1枚はオレの中でも使ってみようと思う。
2枚目のレシピ板がオレのステータスの中へ吸い込まれ、さらに一つのレシピがそこに現れた。
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名称 :徹甲弾矢
材料 :クロムインゴット×1、アイアンインゴット×1
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『おぉぉ!いいじゃんいいじゃん!これクロスボウの弾矢じゃない?!』
クリエバが身を乗り出して覗き込んでくる。毎度のことだけどオレの視界を遮ってまで覗き込んだらオレが見えないから。
オレは目の前にあるクリエバの頭を掴むと横に避けてレシピを見る。と、そこには何か相手の防御力を破壊しそうな頼もしい弾矢が見える……が、ちょっと待った。
「ちょっと待て。コレ、まだ材料集まんねえぞ……」
そうだ。どこかで見たような材料のパターンだと思ったら、銃のクエストで必要とされてる素材の組み合わせと一緒だよ。必要数が違うだけだ。てか、これが集まってるなら先に銃を手に入れるっての。期待が大きかっただけにガックリ感も大きい。
『えぇ?いいじゃない。どうせいずれは手に入れる素材でしょ?』
「オレはしばらく先の自分じゃなくて、今の自分を強化したいんだよ。今作ることが出来ないレシピを引き当てたって、なにもないのと同じじゃないか」
『そおかなぁ?でもほら、あって困るもんじゃないよね!』
確かにあって困るものじゃない。でも、オレは今役に立つレシピが欲しいんだ。
『じゃあ、もう迷わずに3枚目引いちゃうしかないよねっ!!』
何故か嬉しそうなクリエバ。引くのはオレだぞ?
でも1~2枚目がハズレだった手前、3枚目を引いておきたくなるのが人間ってもんだ。
仮に3枚目が大ハズレだったとしても……それがオレの実力ということで、諦めがつきかけている。お陰でなんだか吹っ切れたような気もした。
「じゃあいくぞ!3枚目!」
『いっちゃおぉ~!』
オレは気合いを入れて3枚目のレシピをステータスに通した。果たして結果は……
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名称 :魔力障壁
材料 :魔力粉×50
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うん?ナンダコレ?魔法?
『あぁ!ついに魔導具のレシピゲットじゃない?!』
魔導具ですと?
つまりあれか、使うことで魔法と同じような効果が得られるアイテムってことかな?
『魔導具ってのはね、1回限りだけど魔法を使えるアイテムだよ!』
クリエバが補足でオレの思考を肯定してくれた。やっぱりそういうことか。……いや待て。このレシピも材料がオカシイぞ!
「クリエバ。魔力粉×50ってどういうことだよ。1つを合成するのにマンドラゴラを20個も使うのにそれを50とか!!今、8個しかないアイテムを1000個集めろってか。なんでこう今回のレシピは厳しい素材ばかりなんだ……」
『え?マンドラゴラはそうかもしれないけど、そもそも魔力粉ってAI素材屋で買えるから買えばいいんじゃない?』
なに?そうなのか。……ってますます魔力粉レシピの有用性が薄れる情報じゃないかソレ。
「ちなみにいくらで買えるんだ?」
『王都でしか売ってなかった筈だけど、確か1,000Gだったかなぁ』
「1個1,000Gだぁ?!」
無理だ。当面買うのは諦めよう。だいたいソレを50個集めるとか要するに魔力障壁というアイテムの価値が5万Gクラスってことだろ?てことは、『穴蔵』で売っていた完全回復薬や完全異常回復薬と同レベルじゃないか。
魔力粉レシピの価値が無くならなくて済んだのはいいが、買って集めるものでも無さそうだ。地道にマンドラゴラ採集して調合して、……そうだな。当面の調合目標としておけばいいか。長く時間を掛ければ作れそうなアイテムではあるからな。
ちなみにクリエバによると、魔力粉というアイテムは調合士だけが使用する素材ではなく、他職でも魔力付加屋なる場所へ持ち込むことで、装備品に特殊効果を付加することができるらしい。
もちろん猫が作ってくれたように、鍛冶によって最初から狙って作成する作り方もあるが、主にダンジョンで見つけた武具に効果を付けたい時などに重宝するとのこと。言われてみればそうかも知れない。
とりあえず……今回覚えたレシピでオレが調合できるのは『魔力粉』のみだ。その先に見えるのはちょっと遠いが魔力障壁の作成。
魔力粉の納品クエストも一応受けておいたが、しばらく納品することはないだろうと思う。
道のりは長いが、オレは当面できることを少しずつやっていくことにした。
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名前:ファクト
性別:男
種族:ドワーフ
称号:クイーンビーバスター
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職業:調合士
LV:10
腕力:26 (20+ 6(STR+50%))
活力:39 (23+15(VIT+70%)+1)
敏捷:36 (26+10(AGL+70%))
器用:43 (40+ 2(DEX+50%)+1)
魔力:12
運 :15
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武器:ハンティングダガー(STR+12) :即死効果50%
盾 :
サブ:クロスボウ(STR+10) :命中精度80%UP:調合士装備時
弾 :ウッドボルト(STR+5)
頭 :ハードレザーバンド(VIT+4) :VIT値+1
手 :ハードレザーリスト(DEX+4) :DEX値+1
胴 :ハードレザージャケット(VIT+12) :毒無効
下肢:ハードレザートラウザ(VIT+5/AGL+4) :クリティカル回避5%
足 :ハードレザーブーツ(AGL+10) :移動速度20%UP
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所持金:
6,040G
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固有スキル
調合
アイテム鑑定:調合士
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修練スキル
虫の知らせ
必中
短刀術
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レシピ
回復薬小
毒消し薬
麻痺治療薬
木片
魔力粉 new!
木の弾矢
標準弾矢
徹甲弾矢 new!
魔力障壁 new!
ブーストLV2
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受注クエスト
回復薬小の納品(束)350G/10個
毒消し薬の納品(束)250G/10個
麻痺治療薬の納品(束)300G/10個
回復薬中の納品(束)1,500G/10個
魔力粉の納品(束)6,500G/10個 new!
新作武器の材料調達
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