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イルグラード(VR)  作者: だる8
第一章 物語の始まり
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第21話 鍛冶ギルド

 鍛冶ギルドは、調合士ギルドから戦士ギルドのある広場へと向かう道を途中で脇道に折れた先にある。

 この道沿いには鍛冶ギルドの他に黒魔法使いギルドもある。が、鍛冶ギルドの方が手前にあるので、よっぽどの事が無い限りオレが黒魔のギルドへ行くことはなさそうだ。


 ほどなく、建物がゴツい石で組まれた建物が見えてくる。あれが、鍛冶ギルドだ。

 オレは特にノック等をすることなく、扉の中へ入る。すると、カウンター近くに座っていたスタッフと思われるドワーフの女性が駆け寄ってきた。


『なにかご用ですか?鍛冶ギルドの方ではなさそうですね?』

「あぁ……鍛冶ギルド(ここ)で、ギルドメンバーの作成した装備品を購入できると聞いてきたんだが……」


 オレは周りを見渡してみる……が、オレとスタッフ(AIキャラ)以外に周囲に姿はない。クリエラの言ったことが正しいのなら、もう少し戦士系プレイヤーなどが客として居てもいいはずなのだが。


「もしかして買えないのか?」


 呟くように話したオレの言葉に、先ほどのドワーフ女性キャラ(スタッフ)が反応する。


『鍛冶ギルドメンバ以外のプレイヤーが当ギルド直販品を購入するためには、ギルドメンバーによるプレイヤー紹介が必要になります。貴方を紹介したプレイヤーをお教え頂けますか?』


 そういうことか。と、オレは納得する。

 戦闘職プレイヤーの姿がないのは、(ガドル)のような鍛冶職プレイヤーを重要視していないためだ。結果として鍛冶をやっているプレイヤーは購入者として紹介する機会が生まれないし、そもそも相手にしてもらえないプレイヤーなど紹介しない……だろう。


 それにしてもそんなシステムであることをクリエラからは一切聞いていない。というより、調合士ギルドで他職プレイヤーがアイテムを購入しようとした場合でも、この鍛冶ギルドと同じ措置が必要なのではないだろうか?

 そもそもモルトの街には未だにオレしか調合士がいないのだから、オレが紹介しない限り誰も調合士ギルドでアイテムなど買わないのだろうが。


(でも、(ガドル)は購入できるようにしておいてやらんとな。ていうか(ヤツ)は、ギルドでの《装備品購入許可者》としてオレを紹介してくれているんだろうか?)


「すまない。そういった手続きが必要だということを知らなかったのだ。……鍛冶のガドルというヤツが知り合いなのだが、彼からオレのことを紹介されていないだろうか?」


 ガドルはわりと慌ただしくオレの目の前……住宅エリアで落ちた(ログアウト)ので、オレのことを鍛冶ギルドに紹介などしていないだろうとは思う。……が、ダメ元で聞いてみる。


『ガドルさん……あ、確かに支援者経由で利用申請されておりますね。ファクトさん、ようこそ鍛冶ギルドへ!何かご入り用ですか?』


 なんとあのログアウト間際の時間で、(ガドル)はオレの鍛冶ギルド利用申請をしてくれていたらしい。素晴らしい!グッジョブだ。

 そもそも今の情報のお陰で、支援者AI経由で利用申請をすることが出来るとも分かった。オレは後でアリスにガドルの利用申請をお願いしておくことにする。


「どんな装備品(しなもの)があるんだ?」

『原則、プレイヤーがクエスト等で納品したりギルドへ払い下げた装備品を、他職プレイヤーに販売する目的の販売所ですので、販売できる品物は訪れるタイミングの在庫によって異なります。またそういった時価製品以外に、種類は少ないですが常時ギルドから販売している品もあります。ですので、まずは覗いてみて頂いた方が良いかと思いますよ』

「わかった。では今、販売しているラインナップを見せて欲しい」

『承知致しました!』


 女性スタッフ(AI)は、オレの目の前にステータス表のようなウインドウを表示させた。


『まだプレイヤーが少ないですので、納品装備品はあまり数がありません。ギルドで常時販売している装備品も見られますので必要な時はおっしゃってください。』


 プレイヤーがオレだけっぽい調合士と比較すると、数人出品者がいる分だけ鍛冶の方がプレイヤーがいるようだ。ただし、並んでいる装備品を見る限りあまり難易度の高い装備品は出品されていないようだ。もしかしたらオレが見えてないだけで、中には特殊効果がついた装備品があるのかもしれないが、分からないのでは仕方ない。今度、(ガドル)が居るときにでも一通り見て貰うとしよう。


「そうだな。ギルドの常時販売分も見せてもらえるか?」

『承知致しました!』


 オレの求めに応じて、女性スタッフ(AI)は商品のラインナップを変更した。するとチェインメイル装備一式とレザー装備一式が現れた。

 チェインメイルは、要するにガドルにあげたアレだ。そして盾はラインナップになさそうである。


「よし、レザーヘッドギア(500G)とレザーグラブ(250G)、それからレザートラウザ(800G)をくれ。あと、もう一度納品装備品を見せてもらえるか?」

『承知致しました!』


 女性スタッフ(AI)にお願いして改めて装備品ラインナップを見るが、そこに並んだリストの中に盾に相当する装備品は見当たらない。


(まぁ仕方ない。本当に必要なら(ガドル)に作って貰えばいいか)


 オレは盾以外の装備欄を全て軽量装備で埋めた。

 締めて1,550Gは、自分の手持ち金から考えると決して安い金額ではないが、装備品の充実は必須事項だとオレは考えている。であるならば、これは必要投資だ。何も痛くはない。


 あとは、もしあれば更にクロスボウの命中精度を高めるような装備があれば、それがあると嬉しいが……ないだろうな。とオレは結論づける。

 仮にあったとしても手持ちの残り490Gで用意出来るような装備ではないに違いない。


 オレは何気なしにフレンドリストを確認する。まだ(ガドル)はインしてこない。

 普通に考えて夜寝るためにログアウトしたのなら、どんなに早くてもリアルで7~8時間は戻らない。となれば、イルグラード(ここ)の時間で7~8日……一週間近くは戻らないということだ。ちょっとしたログアウトのつもりが結構なタイムラグである。


(ちゃんとログイン時間を示し合わせないと、プレイヤーとの合流が難しいゲームだな……)


 ログアウトの際に、(ガドル)の次回ログインのタイミングを聞き忘れたのは失敗だったと改めて思う。パーティメンバーはもちろんのこと、ゲームを円滑に進めるためにもフレンドのログイン計画は意識しないといけなさそうだ。そのうえ、合流が難しいならフレンドの母集団数を増やしておく必要がある。完全固定メンバーを作るとなかなかプレイ出来ないという状態になりかねない。……まぁ、いまは(ガドル)しかいないが。


 オレは鍛冶ギルドの女性スタッフ(AI)に挨拶をし、鍛冶ギルドを後にする。


 (ガドル)の言う通り、パーティを組みづらいのかもしれない。でも、だからと言って諦めるのはまだ早い。

 少なくともあやかしの森へ蜂蜜を取りにいくなら、仲間が必要だ。もう少し強く……LVが上がってからならともかく、現時点でオレが一人でキラービーと戦うなんてビジョンは今のところ全く浮かばない。

 かといって、調合士としての価値を高め、この世界(イルグラード)で強くなるためには蜂蜜で調合できるブーストアイテムの力が必要だ。


(誰か、付き合ってくれるいい奴(プレイヤー)が居ればいいんだが……)


 そんな一握りの希望を握りしめ、オレは戦士ギルドへと向かった。


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名前:ファクト

性別:男

種族:ドワーフ

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職業:調合士

LV: 3

腕力:12+ 6(STR+50%)

活力:16+13(VIT+70%)

敏捷:10+ 5(AGL70%)

器用:27+ 1(DEX+50%)

魔力: 3

運 : 3

--------------------

武器:ハンティングダガー(STR+12):即死効果50%

盾 :

サブ:クロスボウ(STR+10):命中精度80%UP:調合士装備時

弾 :ウッドボルト(STR+5)

頭 :レザーヘッドギア(VIT+2)

手 :レザーグラブ(DEX+2)

胴 :ハードレザージャケット(VIT+12):毒無効

下肢:レザートラウザ(VIT+4)

足 :ハードレザーブーツ(AGL+10):移動速度20%UP

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所持金:

 490G

--------------------

固有スキル

 調合

 アイテム鑑定:調合士

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修練スキル

 虫の知らせ

--------------------

レシピ

 回復薬小

 ウッドボルト

 ブーストLV2

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受注クエスト

 回復薬小の納品(束)

 新作武器の材料調達

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