第195話 装備新調
ガドルから受け取った刀と装備品を受け取ったエルナは、その中から主武器となる打刀を取り出してマジマジと眺めている。鞘から刀を抜くと美しい直刃の刀身が姿を見せる。刀身は以前よりも反射する光が白く輝きを増したようにも思える。
また、柄部分は白色で染められ、全体的に白さが目立つ仕上がりとなっている。
「全体的に白いんだね?」
エルナは脇差の方も取り出して刃文や柄を改めて確認する。基本的なデザインは打刀も脇差も同じだ。鞘も白い。
「白虎だど。白い方がイメージに合うだ」
それでいいのか?というツッコミをしたくなる理由ではあるが、単純にデザインとしても美しい。
イルグラードという仮想空間でなければ美術品として飾れるレベルではないだろうか。リアルでも刀剣鍛冶になれそうなデザイン性の高さだった。その刀を眺めるエルナの表情が『気に入った』と訴えている。
「今度はどんな特殊効果がついてるの?この刀には。前みたいなスキルがついてるんだっけ?」
「装備して見てみればいいだよ。ジッと見るだけでわかるのはオラだけだど」
エルナはガドルに促されて二本の刀を腰に差した。鍛冶職であれば《装備鑑定》スキルで詳細ステータスまで確認出来てしまうのだが、鍛冶職以外の冒険者でも装備することで自分の装備品については基本性能を確認する事が出来る。もちろん前の脇差についていたような装備依存スキルについても同様だ。
「え?何このスキル。凄そうなんだけど……よく読めない?!」
表示された刀によるステータス表示と特殊効果として付与されているスキルを見てエルナが首を傾げる。
「あん?どれだ?俺に見せてみろ」
「えぇ?ミゲルはパーティメンバーじゃないじゃん!」
ステータス画面を横から覗こうとしたミゲルに気づき、エルナは慌ててステータスを消す。
「んだよ。もうメンバーみたいなもんじゃねぇか。ケチくせえなぁ」
「ミゲル、やめときなさいって」
「んだよスフィアまで」
スフィアに言われて引き下がるミゲル。
「え?読めないだか?フリガナとかついたらいいだども……読み上げていいだか?そちらのミゲルさんに聞こえるだども」
「別にいいよ。後ろから覗かれるのがなんとなくヤだっただけだし。うん、猫ちゃん教えて!」
「俺がデリカシーなかっただけかよ……」
やれやれといった様子のミゲルに優しい笑顔を向けるスフィア。
「じゃあ……刀についているスキルの説明をするだよ?」
エルナはガドルを見て頷くと、もう一度スキルステータスを開けた。打刀と脇差の装備によって追加されたスキル説明をエルナは食い入るように見いる。
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名称 :影抜
解説 :敵のガード行為や盾などによる防御を抜いて斬撃を放つ奥義スキル
効果 :常時発動可能。
装備者の意思によって、発動の有無を決定出来る。
習得条件:習得できない。
スキル付与された武器を装備した状態で
その武器を使用することで発動できる。
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名称 :隼
解説 :納刀状態から放つ居合の二連斬撃
効果 :一撃につきクリティカル率50%。武器破壊成功率10%(50%減)
発動前に納刀状態で1分間のチャージが必要
発動後は再び納刀状態で1分間のチャージが必要
習得条件:習得できない。
スキル付与された武器を装備した状態で
その武器を使用することで発動できる。
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「一つは影抜。もう一つは隼って読むだ。どちらも前の《無心》のような一撃必殺感はないだども、使い方次第でエルナさんの戦いを有利にしてくれるはずだ。特に《影抜》は凄いだ」
ガドルは腕組みをしながら猫顔をうんうんと縦に振ってみせる。
「ふぅん?そう読むのね?隼は、《無心》と同じで居合斬りだからなんとなくイメージわくけど……《影抜》ってのがよく分かんないかも?あ、そうだ!ミゲル受けてみてよ」
そう言うとエルナは抜刀してミゲルの方を向く。するとミゲルは露骨に嫌そうな顔をした。
「んなもん……嫌に決まってんだろ?盾をすり抜ける攻撃だっていうじゃねぇか。どう考えたって俺の天敵になるスキルだ。道場のAIとやりゃいいだろが」
「あ!たしかに。それもそうね!」
すぐにAIとの戦闘イメージがわいてきたのか、納刀するのも忘れてエルナは斜め上を見ながら一人にやにやし始めた。
「いいから刀しまえよ。……で、服の方はどうなんだよ?そっちも新調してんだろ?エルナの分については」
ミゲルに言われたエルナはハッとした様子で納刀すると、武器以外の装備品を手に取った。当然『剣士』であるエルナには手に取っただけでは装備性能はよく分からない。
「装備しねぇとわからねぇだろ?着替えたらどう……あだっ」
ミゲルの頭にスフィアのチョップが炸裂する。
「ミゲル?流石に女性に目の前で着替えろはないと思うわ。いくらイルグラード内だと言ってもね」
「わかった。よそで着替えてくる。どっか場所あるかな?」
エルナの視線が同行しているAIスタッフに向けられる。
『はい。こちらへどうぞ』
AIの案内でエルナはガドルの工房を一旦退出した。
ちなみに、今回ガドルがエルナのために用意した防具は、彼女の戦闘スタイルを変えること無く、全体的にステータスの底上げをするような性能の装備一式となっている。
「で、そうだ。俺の盾も見なきゃな!おめえとお揃いだって?」
「んだ。ちゃんとオラの銘も入ってるだよ。。。刀ほどのインパクトはないだが」
ミゲルはガドルから受け取った聖銀製の大盾をいろんな角度から眺めてみる。すると持ち手の側に小さく『銘:白虎』と書いてあるのが分かった。確かに銘が入っている。刀の銘は柄に隠れる箇所に入れるのが普通であるので通常見えないのだが、盾の場合は見える箇所に彫りがあるようだ。
ふむ……と小さく納得しながらミゲルは盾の性能を確認する。
「おぉ?!これが特殊効果って奴か!」
ミゲルの盾装備ステータス欄には『シールドバッシュによるダメージ2倍、スタン効果30%増』と記載されていた。
「んだ。オラの装備はこっちだ。オラにはシールドバッシュは使えないだもんで」
そう言ってガドル見せてきたもう一つの《聖銀製》の盾には『魔法ダメージ50%減』という効果がついていた。
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名前:エルナ
性別:女
種族:人間
称号:道場破り
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職業:剣士
LV: 1 (総合LV21)
腕力:124 (76+48(STR+120%)) ※剣装備時STR値120%
活力:104 (70+28(VIT+100% +6)
敏捷: 62 (37+16(AGL+50%)+9)
器用: 60 (52+ 8(DEX+50%))
魔力: 24
運 : 30
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武器:打刀(銘:白虎)(STR+40/DEX+10) :使用時《影抜》New!
盾 :なし
サブ:脇差(銘:白虎)(STR+20/DEX+10) :使用時《隼》New!
頭 :鉢金硬(VIT+5) :VIT値+2
手 :硬手(VIT+4/DEX+5) :VIT値+4
胴 :東方闘衣(VIT+12/AGL+10) :AGL値+4
下肢:東方袴(VIT+5/AGL+10) :AGL値+3
足 :強化足袋(VIT+2/AGL+12) :AGL値+2
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固有スキル
《パワースラッシュ》
《連続発動》
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修練スキル
《剣撃》
《旋風刃》
《魔物鑑定》
《甲殻破壊》
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名前:ガドル
性別:男
種族:猫の獣人
称号:鍛冶マイスター:ゴールド
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職業:鍛冶
LV:16
腕力:43 (29+12(STR+50%)+2)
活力:97 (38+55(VIT+70%)+4)
敏捷:22 (19+3 (AGL+70%))
器用:53
魔力:13
運 :36
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武器:チタンハンマー(STR+20) :スタン効果35%
盾 :ミスリルシールド(VIT+40) :魔法ダメージ50%減
頭 :チタンヘッドギア(VIT+8) :VIT値+2
手 :パワーグラブ改 (STR+4/VIT+4) :STR値+2
胴 :ブレストプレート(VIT+12) :異常防御20%
下肢:ハードレザートラウザ(VIT+5/AGL+4) :クリティカル回避2%
足 :チタングリーヴ(VIT+10) :VIT値+2
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固有スキル
《鍛冶[ゴールド]:付与効果中》
《戦闘鍛冶》
《装備鑑定:鍛冶》
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修練スキル
《鉄壁》
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