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孤児院の勇者  作者: ピッピ
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8章 休息



昨日30万近く稼いだので、今日はお休みにする。

 別にさぼろうとしてる訳じゃない、2日で中級冒険冒険者になったので目立ったので今日はギルドに行きにくいのだ。まあ明日は30階層突破して鋼級冒険者になる予定だったりするんだが。

 本当の目的はチチとヒメに装備を買いたいのだ、子供用の戦闘装備は無いので街の武器・防具店に見に来たのだ。ラノベではドワーフ族なんかは小さいらしいからこの子達に合うサイズの防具が有るかもしれない。この子たちのサイズは小学校の高学年位のサイズなのかな、力は成人男子並みだが兎に角小さい。160センチ位になれば軍用の装備が着られるので安全なのだが。


 で武器防具の店に来たが、兎に角高い。剣が50万以上、ハンマーが30万以上する。手作りなので物凄く高い。で、中古の小槍を2本だけかった。木の棒に刃渡り20センチ程のナイフの様な穂先が付いてる槍だ。これでも今持っている木の先を尖らせただけの槍よりましだと思う。1本10万ゴールドだった。

 服も見てみたが新品1着5万ゴールド以上!高すぎるので後で召喚することにした。


 「さあ二人とも帰るぞ。」

 街にいると金がいくら有っても足りなくなるのでそそくさと二人を連れて孤児院に帰ってくる。

大量生産に慣れた感覚では分からない物価を感じた買い物だった。


 昼飯にお好み焼きを作りながら、二人に服の話をしてみた。


 「チチは何色の服が欲しい?」


 「チチ何色でも良いよ、服よりこれのおかわりが欲しい!」


 「服を買っていただけますの?」


 チチは服に興味が無い様だが、ヒメは目が輝いている。


 「ヒメは何色が良いのかな?」


 「私白いのが欲しいですわ!白い服を着るのが夢でしたの。」


 スエットの上下を召喚。サイズはSにしておく。1着1000ゴールドなので3着ヒメにあげたら喜んでいた。チチにはグレーを3着だ。ピンクや赤は目立ちすぎるのでやめておく。


 「あの~私にも頂けませんでしょうか?」


 シスターが申し訳なさそうに言ったので、シスターには黒のサイズMを3着渡した。


 3人とも新品の服が余程嬉しかったのか、その場で着替え始めた。チチやヒメはワンピースのボロ服の下は何も着けていなかったので丸見えだった。驚いたことにシスターまでその場で服を脱ぎだしたので俺は慌てて部屋の外に出た。

 まあシスターは腰に布を巻いていたからぎりぎりセーフだろう。ヒメはつるペタだったが、チチは胸がシスターと同じ位だったのは内緒の話だ。


 「着替えた~!」


 「素晴らしい着心地ですわ。」


 「ふわふわしています、それにとても軽くて暖かいです。」


 一人は全然気にしてないが、他の二人は大変な喜びようだ、1着1000ゴールドの安物でこんなに喜んでもらえるのならどんどん出してやろうと思った。でもその前に下着を出した方が良いのかな?でも女物の下着のサイズなんて分からないし、第一聞きにくいのでスルーする。ヒメやチチが大きくなったら考えよう。


 「そんなに喜んでもらえると俺もうれしいよ。儲かったらまた出すから。」


 「いっぱい魔物やっつけますわ!」


 「チチもすき焼きの為にがんばる!」


 「二人ともドンドン魔物を倒すのです!神も応援しています!」


 日ごろ影の薄いシスターもハイテンションで叫んでいた。


 「あっ、そうでした。大事なお知らせが御座います。明日新しい仲間が二人来ます。」シスターは俺にすまなさそうに言った。


 「何でそんなに暗い顔してるんだいシスター?」


 「二人増えると食事が・・・・費用がまた掛かります・・・・」


 そんな事は気にすることは無いと俺は言ってシスターを安心させた。今日くらい稼げば後30人位食べさせられるというとシスターは感動して祈っていた。今日稼いだ分は全部無くなったから又明日から頑張ろうと二人に言って寝る事にする。

 ランクアップが早すぎるので明日も今日と同じ階層で稼ぐ事にする。そう伝えると2人とも納得して張り切っていた。


 そして翌日、前の日と同じ11階層~20階層を軽く走破してギルドに向かった俺たちは魔石を交換してもらい32万ゴールド受け取りギルドを後にする。ランクアップしてないので何だかホットしていたように見えた。


 孤児院に帰ってみると新しい仲間が来ていた。シスターが俺に紹介する。


 「この子が兎族の女の子アニーちゃんです。」


 「よろしくお願いします、ピッピさん」

 兎の耳をつけた女の子だった、背丈はチチよりも小さい。ちょっと怯えてるかも?


 「よろしくアニー仲良くしようね。」精一杯愛想良くしたが、多分怖がられていると思う、俺は第一印象が悪いのだ。特に男からは怖がられるのだ何もしていないのに何故怖がられるのか歳をとってもさっぱり分らなかった。因みに見た目は普通だ、女には余り怖がられなかった、むしろモテル方だった。まあそんな事はどうでも良い。俺には慣れてもらうしかないのだ。


 「こっちは牛人族のバーバラちゃんよ。」


 「こんちは、おじちゃん」

 この子は小さな角が耳の上に生えてた。たれ目で愛嬌があった。チチと同じ位の身長だったが胸がやたらと大きかった。乳牛の血筋なんだろうか?大きくなったら毎日乳が出る様になるんだろうか・・・等くだらない事を考える程のものを持っていた。


 「こんにちはバーバラ、宜しくね。」

 胸を見ない様に俺は紳士的に言った。


 さて、女と仲良くなるにはまず餌付けだ、俺はバーベキューセットを取り出し盛大にバーベキューを始めた。炭火で焼いた肉と野菜は凄く美味い。


 「さあ皆どんどん食べておくれ。」


 「「「「美味しい~!!!!」」」」

 皆満足げにバクバク食べている、既に仲良くなってどうでも良いチチとヒメは肉ばっかり食っている。シスターはバランス良く食べてる。そして新人二人は・・・・なんか野菜ばっかり食ってる、やはり種族的に菜食なのか?仕方なく別に生野菜のニンジンやキャベツを出したら喜んで食べていた。

 そして食後に服の貢ぎ物、スエット上下を3枚わたす。兎族のアニーにはSサイズ、牛人族のバーバラには

Mサイズだ。

 2人は貢ぎ物に満足したのか俺を警戒しないようになった。俺は自分たちにとって有益な存在と認めた様だ、なんかチョット勝った様な気がした。


 さて食い扶持稼ぎに明日は頑張ろう。21階層に潜るか。オーガはかなり強いらしいから64式をメインに使って戦う予定だ。NATO弾の威力を見せる時がやってきた。20発フルに装填したマガジンを10個持つ標準戦闘装備でダンジョンに潜る事にしよう。


 こうして新人二人が増えた孤児院で俺は眠りについた。現在の所持金75万6千ゴールド。



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