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孤児院の勇者  作者: ピッピ
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9話 64式小銃

下手でもスランプになるみたいです。



 さて今日の敵はオーガだ、身長180センチ以上の大型の魔物だ。素手で人間を撲殺し棍棒を持ったオーガは中級冒険でも一人ではあぶない相手らしい。オーガを安全に相手するには3倍の人数の中級冒険者が必要だという。

 そこで俺は64式小銃を使うことにした。この小銃は今まで使って来た拳銃とは訳が違う本物の武器だ戦争をするための兵器なのだ。拳銃は戦場では護身用のお守りみたいなものでパンパン音がする玩具というあつかいだ。この小銃以上が本物の兵器なのだ。因みに今の自衛隊が使っている5・56mm弾も軽いだけの飾り兵器だ、車の陰に隠れるだけで防弾出来る兵器など平和な時の飾りにしかならない。因みに64式なら車のドアをぶち抜き相手を殺す。空砲でさえ空き缶に簡単に穴が開く威力なのだ。まあ、付属の足が弱いのは本当の事だけど。

 国産の弾丸は高いので安いアメリカ製NATO弾(1発100ゴールド)を詰め込んだマガジンをフル装備した俺は2人を連れてダンジョン21階層に降り立った。

 

 流石に相手がオーガなのでチチとヒメも緊張している様だ。


 「おっちゃん!来たよオーガ」


 「強そうですわ。」


 前方からオーガがゆっくり近づいて来る、今までの雑魚とは違い吠えない。こっちの出方を見ているようだ。おまけにデカイ、筋肉も凄いのだ、俺に銃が無かったら盾と槍が無ければ勝負に成らないだろう。この子達は捕まれば簡単に引き裂かれてしまいそうだ。


 「二人は俺の後ろに居ろよ!絶対に前に出るなよ。今度の銃魔法は前のより凄いからな!」


 「大丈夫?オーガに勝てる?」


 「大丈夫に決まってますわ!おじさまは無敵ですわ。」


 距離が30メートル位になった時急にオーガが走り出した。物凄く早い!


 俺に向かって一直線に来るのでとても狙いやすい。チョットだけ怖かったので連射モードで全弾発射する!3点バーストするには相手が速すぎるのだ。

 

 「バババババ!!!」

 64式の発射音は外ならば軽快な感じだが洞窟の中ではやはり煩い、銃口から出る火炎も拳銃の比じゃない量がでる。銃炎で目がチカチカするが手ごたえはあった。10メートル先にオーガが倒れている、絶命しているようだ。運よく重要臓器に当たったらしい。


 「随分大きいな。」


 「オーガは強いよ、チチ達大人にならないと勝てない。」


 「私も1対1なら勝てませんわ。オークなら楽勝なのですが・・」


オーガには結局10発程命中していた、心臓か動脈に当たって即死だ。64式が十分通用する事が分かったがオーガは危険なので戦い方を変更することにした。魔石は1個1万ゴールドらしいがこれならオークを3匹狩る方が安全で割が良いと思う。


 「チチ、ヒメ、オーガを見つけたら直ぐに俺に教えてくれ。今度は近づく前にヤル。」

 

 64式の射程をいかした本来の戦い方をする。人型なので有効射程400メートルは余り変わらないはず、因みに有効射程は相手を殺せる距離の事だ。豆鉄砲の5mm弾は確か200メートルだったかな?興味が無いから良く覚えてないけど。実際には400メートル先の人間は良く見えないので裸眼で狙うなら200メートル位からだ。因みにこの距離なら静止目標なら10発撃って10発当てる自信がある。動いている目標はなかなか当たらない。因みに拳銃なら50メートル位なら手のひらサイズに当然当たる。当たらないのは下手なだけだ。そして世の中の99%の奴は下手だ。


 「わかった~!」


 「すぐ教えますわ!」


 次のオーガはチチ達に早めに教えてもらったので準備する。今度は伏せ撃ちだ。

 砂袋が有れば一番良いのだが無いので、仕方なく64式の足を出す。これは左右に動かしにくくなるので本当に非常用のおまけなのだ。200メートルの照準調整はしてないが近いので大丈夫だろう。レバーは単に合わせる。単発の精密照準だ。


 呼吸を合わせて、オーガの胸の中心を狙い引き金を引く。慣れれば無意識で引き金を引ける用になるので練習あるのみだ、才能があれば100発ほど、無ければ1万発程撃てば上手くなるだろう。風向きや湿度・温度等は500m以上の中距離射撃から考えれば十分だ。


 しっかり肩付けしてるので殆ど反動はない、ライフルや拳銃で反動がどうのこうのと言うのはモヤシの素人だ。基礎体力もないくせに銃を扱うのは初心者がリッターバイクに全開で乗るのと同じで無謀なだけだ。


 「当たった!」


 「オーガが倒れましたわ!」


 当たり前だが命中した。200メートルで外すのは素人だけだ。警戒しながらオーガに近づく、死んだふりをする位の事はしそうな相手だ。念のため頭に1発撃ち込んで終了だ。


 「オーガは危険だから、この方法で行くぞ!チチとヒメは出来るだけ早く俺にオーガの場所を教えてくれ!」


 ついでに俺は安物のオペラグラスを2つ召喚して2人に渡した。倍率は低いが彼女達ならかなり遠くのオーガまで見つけるはずだ。


 「お~!遠くまでみえる~。」


 「何だか大きく見えますわ!」


 こうして俺たちはオーガを狩りながら30階層に到達した。

 

 30階層のオーガは5匹、1匹はハイオーガと言い更に強いらしい。今回はヒメに護身用にガバメントを渡しておく。29階層で練習として10発程撃たせて音と反動に慣れさせる。あくまで非常用なので10メートル以内に来たら撃つ様に言っておく。ヒメなら多分大丈夫、冷静に対処するだろう。チチには64式の銃剣を渡しておく、本物の鋼で出来ているので重い。簡単に缶詰を切りさけるし、小石を切っても刃こぼれしない軍用の良いナイフだ。最も彼女達には近づけさせない、弾倉交換技術で勝負だ、弾倉を交換しながら弾をばら撒く作戦だ。


 「よし行くぞ!」


 「頑張る!」


 「私も銃魔法で、頑張りますわ!」


 入ったと同時にオーガが5匹凄い勢いでこちらに走ってくる。こちらも直ぐに迎撃する、セレクターは連に合わせてある。相手の動きを止める為に腰の高さを狙い左端から掃射する、2秒で撃ち尽くしマガジン交換。既に相手は20メートルまでせまってきている。


 「くそ!速い!おまけに轟音と閃光にひるまない!」


 俺はかなりあせりながら弾倉を交換してコックを引く。間に合わなければ多分死ぬ、俺が死んだらこの子達も死ぬ。2匹が俺に飛び掛かって来た。残り5メートル。


 手前のオーガに全弾発射。命中。20発でオーガをボロボロに引き裂いたが残り1匹いる。弾倉交換している暇はない。最後の手段だが64式を棍棒代わりに使うしかない、10キロ位あるので実は強力な打撃武器になるのだ。64ちゃんサイコーペロペロなのだ。


 俺がオーガと睨みあっていると、左側から轟音が聞こえた。リズミカルな発射音が7回、45口径の発砲音だ。

すっかり忘れていたがヒメにガバを渡しておいたのだった、何発か当たった様でオーガが倒れて転げまわっている。この隙に俺は大急ぎで弾倉交換してオーガを撃ち殺した。


 「ヒメありがとう、助かったよ」


 「このくらい何でもありませんわ!」


 「む~私も役にたちたい!」


 ヒメは銃を使えそうなので、これからは練習させる事にする。本人もやりたいらしい。チチもやりたがっているが何となく危なっかしい。魔石を回収して転送陣にのる。これでこのダンジョンは制覇した。ランクアップタグを貰いギルドに行く。魔石を買い取ってもらい60万ゴールド手に入れた。オークより強いせいか余り数出てこないのだ。

 そして上級冒険者の証、鋼鉄のタグを受け取る。このタグを付けている冒険者にちょっかい出す冒険者はいない。オーガより強い証だからだ。


 それから3人で孤児院に帰り、晩飯にオデンを作って皆にふるまった。何となくポトフっぽいせいか皆喜んで食べていた。それぞれ好きな具が違うのが面白い。

 チチはスジばっかり、ヒメはごぼう天、シスターはバランスよく、うさ耳ちゃんはジャガイモ、牛ちゃんは大根ばっかり食べていた。俺は残ってたはんぺんや竹輪を食ってた。そうして腹いっぱいになった俺たちは5人で雑魚寝した。


 今日はチョット危なかった、死が目の前に立っていた感じだった。明日からはもっと慎重に行こうと思いながら俺は寝た。

 





 


 


 



 






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