32章 人魚
そう俺は今日も暇をしていた。温泉はチチとヒメ達獣人女性に取られてしまったのだ。ゆっくり温泉に入っていると彼女達がアラレモナイ恰好で入ってくるのだ。まあ、温泉に服着てはいるヤツはいないのだが。賢者モードにも限界があるので俺は直ぐに出てしまう訳だ、兎に角彼女達は解放的過ぎるのだ、丸見えなので夜中にこっそり行ってのぞき見・・・じゃない、温泉の周りに生垣と桜の木を植えた。レビン達がのぞけない様にしてやったのだ、春になれば満開の桜の下で露天風呂に入る愉しみを彼女達も知る事だろう。俺のよく行く温泉のパクリだが誰にもばれないはずだ。
「何を黄昏ておるのじゃ?」
「いや、温泉取られたな~とか思ってた。」
「一緒に入れば良いではないか。彼女達は一緒に入りたがっておったぞ。」
「それは倫理的にどうかと思うんだ。」
「ふん、つまらん男じゃの。温泉は中々面白かったぞ。他にはないかの?」
「魚釣りでも行くか?」
「魚なんか釣って面白いのか?」
「釣った魚をその場で塩焼きにして食ったら美味いぞ。」
「ほう、見せてもらおうか塩焼きとやらの実力を。」
そこで魚釣りに行くべく犬族の子供達を連れて行く。獣人は水嫌いが多くて、犬族しか付いてこなかったのだ。
「おっさん、今から何するんだ?」
「釣りの餌探しだ。石をひっくり返してゴカイを沢山取るのだ。」
餌を召喚しようとも思ったが、ここの魚が何を食うか分からないので現地調達することにした。現地調達ならこれから子供達が魚を取って食えるから丁度良い。
子供達5人が次々石をひっくり返してゴカイを集めている。余ったら撒き餌にする予定だ。
「のわ~!変な餌なのじゃ~!」
「うわ~、気持ち悪い!変なの出た!」
ノジャが騒いでるので見に行くと、タコを捕まえていた。流石女神は怖い物知らずだ、平気で掴んでいた、子供達は警戒して周りで見ている尻尾は警戒態勢の振り方だ。
「勇者、このゴカイはへんじゃ!手に吸い付いてくるのじゃ!」
「それはゴカイじゃないぞ、タコだから。」
「何じゃと、では餌ではないのか。」
「餌じゃないけど食えるぞ、茹でて食ったら美味いんだ。」
「うえ~、オッサンそんなもの食うのかよ。」
「たこ焼きにすると美味いぞ。たこ天もいいな、酢味噌もなかなか、おでんも良いな~」
「ふむ、なかなかの食材のようじゃな。大事に保管してやろう。」
女神が一瞬でタコを何処かに保管した様だ、タコは跡形もなく消えた。
「よし、それじゃあ釣りするぞ。皆こうやって餌つけるんだぞ。」
「結構むずかしいのじゃな。」
「おっさん、つけてくれ!」
こいつら獣人は大雑把なやつが多すぎるのが問題だ。針にゴカイを上手くつけられないのだ。針先で動く様につけるだけなのにブチブチちぎってしまうのだ。
投げ釣りは少し技術がいるので無理っぽいので、岩場で浮き釣りをすることにする。
「いいか、浮きが沈んだら竿を上げろよ。」
「任せるのじゃ。」
「「了解。」」
獣人の子供達はこらえ性が無くて全然釣りに向いていなかった。浮きが沈むまで待てないのだ、仕方ないから浜辺で貝堀にいかせた、穴掘りは凄く上手いのだ。そして女神は物凄い勢いで釣りまくっていた。
「勇者よ、また釣れたのじゃ。」
「ノジャ、インチキしてるだろ?」
「な・・何の事かのう・・全然わからんのう。」
「お前、餌つけてねーじゃん。」
「・・・・・」
「おっちゃん、貝いっぱいとれたぞ!」
「そうか、そんじゃ食べるか。」
早速浜辺でバーベキュー大会だ、鱗の硬い魚だけ鱗を落として、普通の奴は塩焼きだ。取り合えず直ぐに焼ける様に開きにした。
「おっちゃん。うめ~な。」
「貝食べるのはちょっとまて、醤油と酒たらすから。」
「そのままでも、美味いぞ。」
「それはそうなんだが、気分的にこうした方が美味しそうな感じがするだろ?」
実際獲れたてが美味しいのは野菜位なもんで、魚は一晩干した方がグルタミン酸が増えて美味しさが増したりする、しかし雰囲気で美味しく感じるのも又事実なのだ。
「おっちゃん、アレ!」
「??何だ。」
海から顔を出してる子がいた、獣人達は海で泳ぐ子はいないはずだがな~と思っていたら。
「ほう、人魚じゃな。珍しいの。」
「人魚?」
「上半身は人で下半身は魚じゃな。」
「お~、逆ならシュールな存在だな。」
危険な魔物じゃないらしいので、取り合えず餌付けしてみる事にした。
「人魚さんこんにちは。」
「人族の方、こんにちは。」
「あっちで魚焼いてるけど、食べませんか?」
「焼いたものは食べた事ないです。」
なんか可愛いので、焼いた魚や貝、ついでにパンとかをあげたら喜んでいた。特にパンは気に入った様だ。少しの時間なら陸に上がれるらしいので今度バーベキュー大会に誘ったら来るそうだ。
で、次の日に海に行ったら増えていた。仲間を連れて来た様だ。顔の見分けがつかないので髪の色で区別する事にした。胸の大きさで区別すると色々言われそうだから。
なんだか仲良くなったら魚を取って来てくれるようになった、お返しにパンをあげたら喜んでいた。
「で、勇者よ何しておるのじゃ?」
「人魚の家つくってるんだよ!」
「あやつら海に住んでるんじゃぞ?」
「海の中は、サメとかいて危険なんだって言うから、陸の上に人魚が休める小屋作ってるんだ。ここなら安心して寝られるだろ。」
「獣人の次は人魚の保護か。人間以外には優しいの~。」
「人間にも優しい事があるぞ。」
別に可愛いからと言う理由だけで保護した訳じゃない、魚や貝を毎日捕って来てもらうことで。この町に新しい売り物を作りたかったのだ。新鮮な魚や貝を街に軽トラで輸送すると高く買い取ってくれるので町の貴重な産業になるのだ。
海の中ではお金が使えないので、色々な物を魚と交換に上げたら喜んでいた。仲間を次々と呼んでいつの間にか海岸は人魚の村が出来ていた。
「今度は何してるんだ?勇者よ。」
「温泉つくってるんだ。人魚がはいりたがってるんだよ。」
「本当に主は甘いの~」
魚の売り上げが思いのほか良かったので、海岸に露天風呂を作った。人魚目当ての観光客も増えて町のお土産屋も儲かっていた。
「へへ、旦那。あの黒髪の人魚。紹介してくれね~かな。」
「おい、レビン彼女達の胸をよく見てみろ!」
「いや~、ガン見はチョットな、俺紳士だからさ。」
「いいから、見てみろって。」
「・・・・・・?」
「な。気が付いたか?」
「ないじゃん。」
「そう、彼女達は卵産むんだ。だから乳首はない!お前がしたがる事も出来ないぞ。」
「そんな~。」
「レビンはゲスじゃな。」




