28章 女神のせいで大騒ぎ
また遊びに来てくれる人が増えてるので大急ぎで書きました。
レビンを見送った後、俺は連日道作りに励んでいた、一日10時間労働など俺にとっては何でもない、年中休みなしで呼び出しを受けていた経験があるからだ。
「ふははは~!完成だ!」
毎日10キロづつ頑張っていたら遂に道が完成した。これで交易は無理でも子供達の移送は楽になる。なにせ車を使えば8時間で移動できるのだ。馬車なら1週間だ。
道が完成したので、次の孤児の受け入れを確認しに大司祭の所に行った。
「お久しぶりです大司祭様、孤児の受け入れについてご相談を・・・」
「おお!勇者様、待ってましたよ!何でもこの度は大変な事になってらっしゃるそうで。」
「はあ、なんのことでしょう?」
「あれですよ、あれ女神様のことです。」
大司祭はウインクしながら俺に小声で言った、分かってますよアピールが凄くウザかった。
「なんで、そのことを大司祭が知ってるんですか、くそレビンの野郎!喋りやがったな。」
「大丈夫です、この事は教会の極秘情報として司祭以上にしか知らせませんから。」
「うちの町が大騒ぎになると困るのですが。」
「でも、何百年ぶりの女神の降臨ですから我々皆が興味を持つのも当然ですよ。」
「いや~、しかし賢者様と思っていたら勇者様だったとは驚きました。」
「俺もこんなに噂が速く広がるのに驚きました。」
大司祭が興奮して煩かったが、子供達の受け入れ人数と日にちの確認だけは何とか済ませた。そしてその内女神に合わせてやると言ってなんとか教会から逃げ出せた。
そして聖騎士の宿舎のレビンを探しにやってきのだが、レビンは枢機卿の護衛についてるそうなので、そのまま枢機卿の屋敷にやってきた。
「勇者さんひどいじゃないですか!何で私に教えてくれなかったのですか!」
枢機卿の所に行ったら、枢機卿に秘密にしていた事の文句を言われた。
「こんな騒ぎになるのが嫌だったからですよ、あなた達は女神について勘違いしてますからね。」
「勘違い?」
「あなた達は女神が全治全能とか慈愛に満ちてるとか思ってるんじゃないですか?」
「えっ、違うんですか?」
「違います、全知全能ではありません。もっと危険なものです。」
「女神様が危険なはずありませんよ。」
「それでは聞きますが、女神が人間を滅ぼすと決めたら貴方はそれを止められますか?」
「神を止められる人間はいません。ですが、女神様が人間を滅ぼす事などありません。」
「だから、あなた達には教えたくなかったのですよ。貴方たちは女神を自分たちに都合が良いだけの存在だと思ってますよね?彼女が我々の敵になる事を考えてませんね?」
「神が我々を滅ぼす・・・ですか?」
「そう、女神が我々に絶望し滅ぼそうとした時あなたはどうしますか?神に祈りますか?」
「つまり、女神の降臨に浮かれている私達が愚かで有ると言いたいのですね?」
「そう、物事には裏と表が有るのですよ。」
それから俺は枢機卿に秘密の厳守を言い渡し女神に干渉しないように命令した。
「おい!レビン。お前のお陰で大変な事になる所だったぞ!」
「でもよ旦那、俺は枢機卿直属の聖騎士だから秘密に出来ないよ。」
「馬鹿、そのせいでこの国が亡ぶかもだぞ!」
「げえ!そんな・・・」
「悪気が無かったら何でも許されると思うなよ。」
「・・・・」
この国の連中は兎に角女神が善良な物だと勘違いしていた、特に教会関係者は酷かった。全知全能なら孤児なんか生まれないし、戦争や犯罪なんか起きない事に気が付かなかった。善意で悪い事をする人間は幾らでも居るのだ。俺は前の世界で幾らでもそういう人間を見て来たから知っている。そして、悪人程善人のふりをして正義を振り回して大声を上げるのだ。
そして次はサキュバス達に会いに行った。この国の上層部の情報収取を頼む為だ。俺は彼女達を信用していたのだ、この国でチチやヒメの次に信用しているのは彼女達だ。人間の中で魔族が上手く生活する適応力と知能に全幅の信頼を寄せていたのだ。おまけに彼女達なら人間の暗部も良く知ってるはずだ。
「と言うわけで、今俺の所に女神が住んでいるんだ。」
「成るほど、それは厄介ですね。」
「女神は危険なのですか?」
「人間どもが、大挙して町にいきそうですわ。」
「厄介事の匂いしか、しませんわね」
流石は魔族だ女神を崇拝してないので、問題点が正確に分かる様だ。彼女達は見た目も頭も抜群に良いのだ、流石男どもを手玉に取るだけの事はある。おまけに人間の本質を理解している。
「だから、俺の町や女神について危険な噂なんかが有ったら知らせてくれ。」
「分りました、任せて下さいな。魔王様は私達がお守りします。」
「ありがとう。」
勇者の次は魔王らしいが、彼女達に逆らう気は無いので当然黙っていた。
次は自分の町に大急ぎで帰る事にする、女神に会うためだ。
「あら、おじ様随分早いお帰りですわね。」
「おう、オッサンどうかしたのか?」
そこで俺はヒメとチチに女神の存在がばれた事を話した。彼女達も女神の危なさを身近に感じてたので俺の心配を分かってくれた様だ。
「確かにあの女神はあぶね~な、何でもやりすぎるんだ。」
「大体私たちが、物を食べる事もその為に毎日働いている事も知りませんでしたしね。」
「そう、あいつは人間の事をまるで分ってないんだ。変な奴に騙されて利用されるに決まってる。」
「善意で害悪をばら撒く未来しかうかびませんわ」
「だよな~、頭悪すぎだろあいつ。」
ひどい言われようだがその通り、この世界の事を何一つ理解してないのに強力な力だけは有るのだ。無制限に力を使われたら人間だけじゃなく世界が滅びそうだ。おまけに俺達の力は通用しそうにないのだ。あの女神が善意で俺達の敵になったら、俺達は負ける。
そこで、俺達は善後策を話し合った。帰ってくれるのが一番良いのだが、偉くここが気に入ったみたいで帰らないのだ。
「あ~、女神様。お願いがあるのですが。」
「どうしました、勇者殿?」
「女神様、変身できますか?」
「変身ですか、一応どんな姿にもなれますよ。神ですから。」
「人間に女神様がここにいる事がばれて大騒ぎになりそうなので、女神とばれない姿になってもらいたいのですが」
「成るほど、この間見た映画にあった、お忍びってやつですね。ふふ楽しそうです。」
女神様は俺の希望通り女神に見えない姿になってもらった、変身ついでに眩しいので後光もけしてもらった。あれが有ると皆に女神だと直ぐバレるのだ。
「どうです勇者どの?」
「完璧です!女神様!」
おれは女神に白いブラウスにタイトスカート伊達眼鏡で完璧な秘書を演じてもらう事にした。違う意味で凄く目立ったが、女神とばれるよりは良いので納得してもらった。
でも、女神とはバレなかったがレビン達男共がファンクラブを作ったりして凄くウザかった。
「ねえねえ!勇者。あの美人秘書って彼氏いるんスか?名前なんすか?」
「あいつは俺の愛人だ!諦めろレビン。」
「くそ~またかよ!早く死ねよあんた!」
「ふふん、長生きして、畳の上で死んでやる!」




