17章 胸枕
評価点とブックマークありがとうございます。
主に祈りを奉げたあと、気合で又書いてみました。これ以上は無理なので温泉に行ってきます。
最近ダンジョンに潜ってない。ヒメと屋台の売り上げでご飯をたべてる、つまり俺は子供達のヒモ状態なのだ。それできっと俺の立場が変な事になっているに違いない。やはり男は稼いで来なくては威厳が保てない。
それじゃ稼ぎに行くか、確か鍛冶屋に頼んでた折りたたみリアカーがもう完成してる頃だ。
「おっちゃん、どこ行くの?」
「金稼ぎ]
「ウチが養ってあげるから、ご飯作ってくれれば良いよ!」
この小娘、俺に、主夫になれだと。ちょっと魅力を感じたが聞こえないふりをして鍛冶屋に行く。俺は大人だからスルー能力には自信があるのだ。
「おじ様は本当に鈍いですわね。」
「だよね、ウチらがこんなに誘ってるのに手を出さないんだから。もしかして男が好きとか?」
「チチの胸と私の太腿をガン見してるから、女好きだと思いますよ。本人は見てないふりしてますけど。」
「何時でも、ウチの上に乗せてあげるのに。」
「私も、おじ様の子供を産んであげたいのですけどね。」
「YESロリータ、NOタッチとか分けわからない呪文唱えてますからね~。」
彼女達もおっちゃんの扱いに困っていた。
そんな事とはつゆしらず、俺は鍛冶屋に来ていた。家の改造部品を買いにリアカーで来たら、俺の折りたたみリアカーに食いついた鍛冶屋だ。ぜひ研究させてくれと煩いので、リアカーを貸してやってたのだ。
「邪魔するぞ~。おっさんリアカー出来たか?」
「おう、偉く苦労したけど出来たぞ。まあ見てくれ。」
俺のアルミ製の折りたたみリアカーに似てない何かが有った。
「全然似てねーな。」
「当たり前だ、そんな軽くて強い金属なんて手に入らねーよ。おまけに折りたたみの装置を作るのが偉く難しくてな、かなり大きくなっちまった。」
「こんな物が売れるのかね~?」
「売れるに決まってるんだよ!、いいかよく聞け。先ず冒険者達が買う。ダンジョンや討伐に持って行けば大量の荷物を運べるからだ。次に商人が買う、荷馬車に積んでおけば、買い増しの時にこれが使えてより多くの儲けが出るからだ。そして、行商人だ、金が無くて馬車を買えない者もこれを使えば商売出来る様になるんだ。俺達鍛冶屋も村に修理とかに行くのにこれが有れば楽に道具を運べるんだ。」
「ふ~ん、で幾らぐらいで売るつもりだ?」
「材料代が8万ゴールド、後は手間賃だが1人1日最低1万、4人でやれば1日で出来るから、原価は12万だ。」
「そうか、それじゃ20万で売る事にしよう、儲けは山分けだな。」
「それで、いいぜ。人を増やして慣れてきたら、もっと速くて安く出来ると思う。」
それから俺は試作品を引っ張りながら、孤児院に帰って来た。勿論途中で生活必需品を大量買いしてリアカーの荷台に積んでリアカーの有用性を周りにアピールしてきた。明日から孤児院の買い出しに使って宣伝する予定だ。大司祭と話をしてこのリアカーは教会公認の道具にしなくてはならないのだ、理由は簡単。このまま売っているとコピーが大量に出回って俺の儲けが減るからだ。だから、このリアカーは売る前に教会で祝福を受けて教会の紋章付きで売る予定だ。勿論教会には祝福料金1万ゴールドを奉げるつもりだ、売れるたびに現地の教会に現金が入るので、教会は絶対この商品を手放さないだろう、コピーは自分たちの現金収入を脅かす悪魔として教会が許さないはずだ。こうして俺は教会の力を利用して、販売網とコピー防止、そして利権目当ての貴族や商人をけん制するわけだ。
「マリア、大司祭は明日来るのか?」
「はい、また新しい教育テキストとボールペンが欲しいそうです。」
「そうか、明日はついでにリアカーの売り込みもしとくからな。これが売れたら孤児院は安泰だぞ。」
そして次の日、大司祭にリアカーの独占販売と教会の祝福によって各教会に利益が有る話をすると大司祭は枢機卿に話を持っていった。2~3日で販売許可が出たので、俺は鍛冶屋のオッサンに量産体制に入る様に指示を出した。
そして、販売すればするほど儲かることに気づいた教会は、信者や周りの者にリアカーを絶賛し、神の荷台として正式認定した。結果この国のみならず他国にも売れる大ヒット商品になった。
「お~い、オッサン居るか?」
「なんだ、賢者様じゃねえか。どうしたんだ?俺達忙しいんだよ!」
そう、俺は鍛冶屋を冷やかしに来たのだ。今では周りの工房を全て配下に加えた第工房である、従業員100人体制はこの世界では珍しい。毎月の俺への上納金は今や3000万ゴールドにもなるのだ。全部、ここの親父の思い付きから始まった事だから、俺は結構感謝してるのだ。
「折角気を使って酒持ってきたのに、要らんのか?」
「へへへ~、冗談だよ、賢者様を邪険にすると罰が当たるぜ!マジで。」
この親父ドワーフだったので、酒をやると機嫌が良いのだ、がぶがぶ飲むので焼酎を差し入れだ、最近は芋焼酎ばっかり欲しがるのだ。そんじゃあ飲みすぎるなよ。
リアカーによる教会の収入増、教育システムによる信頼増加、そしてマリアによる消毒・殺菌・滅菌の効果により死亡率を大幅に下げ権威をました功績により、教会から正式に褒美が出される事になるらしい。大司祭やシスターの陰から見ているはずだったが、枢機卿には俺の存在がばれていたので、逃げられない様だあのボールペンがここまで影響を及ぼすとは思わなかった。
「フハハハハハ~!もう少し、あともう少しだ!」
「おっちゃん!メシ。腹減った。」
「美味しい物をお願いしますわ、美味しかったら膝枕をしてあげますよ。」
最近事ある毎に絡んでくる俺の娘達、だが今日の俺は機嫌が良い。俺様の郷土料理を作ってやろう。
「生意気な小娘共め!俺の本気の料理をお食って腰を抜かすが良い!」
ラノベの定番は唐揚げだ!どのラノベでも出てきても皆に大好評なのだ、しかし、俺の地元では唐揚げはつい最近流行りだした新参ものだ、俺の地元では唐揚げではなく天ぷらにして食べるのだ。どうだ驚いたか?俺は唐揚げの方が他所では普通だと知った時は驚いた。
「何、作ってるのですか?」
「鳥の、天ぷら。付け合わせにシシ唐と椎茸も天ぷらにする。」
下ごしらえは特に要らない、たれに付け込んだ鶏肉でも良いが、硬くなるので塩コショウを軽くふっただけの鶏肉で十分、部位はささみを使う。天婦羅粉は卵を加えてだまにならない様にとけばOK、氷水で溶きたい人はどうぞ。フリッター風にしたければ水を少なめに、普通の天ぷらの衣が好きな人は水を多めに。
唐揚げとの最大の違いは、酢醤油を付けて食べる事、その時辛子も付けるのだ。かなり味が濃くなるので下ごしらえで鳥肉に味付けすると凄く辛くなるのだ。
あっ、普通に天つゆにつけても勿論美味い。天つゆには大根おろし、ショウガなんかを加えるなおれの地元では。天つゆも醤油、みりん、水を使って手作りだ簡単で市販のものより美味しい。
大量の鳥の天ぷらを皆に振舞う、ご飯のおかずに良く合うのだ。お好みで甘酢あんかけにしても旨い。
「どうだ、チチ美味いか?野菜も食えよ。」
「ご飯が、何杯でも行ける!酢醤油さいこー!」
「酢醤油とからしの組み合わせが癖になりそうですわ。でも、からしをつけすぎると凄いです。」
「この、カボスを絞ってかけても旨いぞ。」
うちの地元はレモンやスダチを使わない、すべてカボスなのだ、ラノベで人外魔境とか呼ばれてる場所だ。唐揚げよりも癖が有るので心配したが、子供達は喜んで食べていた。今度は、ギョロッケでも作ろうかな、コロッケではないぞ、ギョロッケだ。変だろ、これも地元の料理だ安いのが取柄の料理だ。
夕食後にくつろいでいたら、ヒメとチチが遊びに来た。また、俺で遊ぶ気らしい。
「おじ様、どうぞ。」
「なんだ?」
「晩御飯が、美味しかったから、ご褒美の膝枕です。」
「・・・・・・・」
「さあ!遠慮しなくて良いのですよ。」
無理やりヒメの太腿に頭を押し付けられる、太腿の感触より押さえつけられている頭が痛い。身長160センチ85・56・85のグラマー美少女だ。北欧の女性によく似た足が長くてすらりとしている。
「どうですか?私の膝枕は?」
「あんまり、良くね~な。」
「ハハハ!今度はウチの番だな!オッサンこっち来な。」
今度はチチに強引に引っ張られる。身長170センチ、100・60・95のダイナマイトボデイー。短い髪に大きな目をしてる。野性的な子だ、黙ってれば凄く可愛い。
ぼふん!
何だか柔らかい。
「どうだ、ウチの胸枕は?膝枕より良いだろう。」
「おう!これはとても良いもんだ。やるな、チチだけに!(笑い)」
とても気持ち良かったので親父ギャグも披露してやった。
ヒメは悔しそうに見てたが、華麗にスルーした。チチの胸枕の前では他の事はどうでも良かった。胸枕のおかげでその日は非常に気分良く寝れた。




