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孤児院の勇者  作者: ピッピ
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12話 屋台



 さて司祭が来たことによって状況が大きく動いた。司祭と話し合って1週間程して又司祭がやって来て試しにいくつかの孤児院でテキストを使った学習をしてみる事になったそうだ。また、孤児の屋台もこの街の教会前で試しにやってみる事に決定したそうだ。


 「では、明日から教会前に屋台を出させて貰います。」


 「はは、用意が良いですね。既に準備でしたか。」


 そう屋台の話をした日から俺は兎耳ちゃんと牛ちゃんにハンバーガーの作り方の特訓を始めていたのだ。何故かチチとヒメとシスターも参加していたが、多分つまみ食いが目的なんだろうが、食べ盛りの子供なのでしょうがないダンジョンはお休みにして1週間特訓する。


 「そこ!脇が甘い!気を引き締めてやれ!」


 「「「「「はい!先生!」」」」


 そう料理でも俺はスパルタなのだ、教員時代もスパルタだったが何故か受けていたな~(遠い目)


 この屋台だけならミンチ肉を召喚すれば良いだけなのだが、他の孤児院の子達にも屋台をやらせたいので現地の材料のみで作る事にこだわった。ここで手に入る肉を何種類か組み合わせてミンチ肉にするのだ、で、今彼女達は包丁で肉を細かくしている所だ。肉も脂身を含んでいないとぱさぱさになるので脂身を含んだ肉と組み合わせ旨みも持たせた。


 「よし、次はミンチ肉をこねるのだ!」


 「うお~!!!!」


 チチが凄い勢いでミンチ肉をこねまわしている。多分早く食いたいんだろう。塩コショウを加えて捏ねたミンチ肉を適当なサイズに合わせていく。


 「チチ!でかすぎるだろ!もっと普通の大きさにするのだ!」


 「え~!うち大きいのが食べたい!」


 「そうか、それなら仕方ないな。」


 直径30センチ位のでっかいハンバーグを作って食わせてやった。他の皆には1個100グラム位の普通サイズだ。肉ばかりでは体に悪いのでトマトやキャベツも大量に召喚する。子供時代の栄養管理は大事なのだ。そう俺はスパルタだが、女には甘かった。特にチチとヒメは命の恩人だから普段は特に甘かった。


 ハンバーガーのパテ作りが終わったら、次はポトフ風スープの調理実習だこれは適当サイズの野菜をにて炒めた肉を加えて固形コンソメを入れるだけなので簡単だ。チチも一回で覚えた。つまり全員覚えたということだ。


 こうして兎耳ちゃんと牛ちゃんにハンバーガーのパテとスープの作り方を教えた俺は街のパン屋に来ていた。バンズに似たパンの確保の為だ、パサパサで硬いパンばかりだったが、何とか食えそうなパンを毎日100個孤児院に届けてもらうように交渉した。教会がバックについているので交渉も非常に楽だ。

 そして今度はドワーフの工房に屋台を作ってもらう様に交渉する。ここでも教会の威光が発揮され非常に好意的に交渉できた。ドワーフや平民は信心深いのだ。


そして屋台を受け取りに行った時に、折りたたみリアカーを持って行ったら偉く興味を持たれて是非この工房で作らせて欲しいと言われた。専売料はいくらでも出す。と言われたが面倒なのでグローブ司祭と話す様に言った。俺がこの世界の事を良く知らないのと司祭に権限を集中させる為だ、この儲けも司祭に還元すれば司祭は出世するだろうと思っての事だ。


 次の日司祭が慌ててやって来た。リアカーの件だった。


 「ドワーフがやって来て、リアかーとか言うものについて延々と語るのですが、私にはさっぱりで・・」


 俺はリアカーの実物を見せて、これを教会を通して専売すれば儲かる事を話した。売り上げの一部を教会に収める様にするのだ。さらに他の工房に真似されないようにリアカーにカトリーヌ教会の印をつければ良い事を司祭に説明する。そして教会全体に還元すれば教会にも平民にも利益がある事を理論立てて説明した。金には余り興味のない司祭も、教会と平民の利益になると分かると俄然やる気を出した。


 「成るほど、そういう事ですか。分かりました。さっそく上司を説得してまいります。」


 司祭様は走って何処かに行った。


 結果は言うまでもなく分かっている、教会は何もしなくても金と販売権を得られるのだから、許可するのに決まってるのだ。


 さてそして最大の問題が売り子の服装だ。ラノベならメイド服なんだろうが俺にはさっぱり良さが分からないのだ、学生時代に女子がブルマだった俺にとっては魅力的な服とはミニスカートなのだ。そこで趣味丸出しで売り子の服はテニスウエアにした。白の半そでにピンクのミニスカートだ、アンダースコートは無粋なので生パンだ。うん、うさ耳ちゃんも牛ちゃんも凄く良い、おじさんは嬉しいぞ。高校生位の健康的な体に良く似合っている。兎ちゃんは健康的な太腿が魅力的だし、牛ちゃんは凶暴な胸が素晴らしい。

 でも他の男には見せたくないので、上からエプロンを付ける事にする。この子達がエロい目で見られるのは嫌だったから。


 そして屋台初日


 俺達は教会前に様子見に来ていた。売れてなかったらサクラになって宣伝しようとしてたのだが・・・

凄く流行っていた??20人位の行列が出来ていた。


 「なんでこんなに流行ってんだ?」


 「美味しいから!」うんチチらしい答えだね。


 「凄い人ですわね。」ヒメも不思議がっていた。


 販売初日に見ず知らずの食べ物に行列が出来るハヅ無いのだが・・等と考えていたが、並んでる人の服装を見てなっとくした。皆教会の人達なのだ、シスターと坊さん達が並んでいるのだ。多分グローブ司祭やったのだ。おまけに美味そうに食べているのを見て教会に来た人達も行列に並んでいる。


 結局屋台の100個のハンバーガーと100のスープは午前中で売り切れた。予想以上の大盛況だった。これで彼女や戦いが苦手な孤児達に希望が生まれた記念すべき日になった。少しだけ人の役にたてた俺は少しだけホッとした。


 まだだ!まだ俺の恩返しは終わらない!孤児院の皆が幸せになるまで戦うのだ。と思って拳を握りしめていたらチチが言った。


 「お腹すいた!何か食べたいおっちゃん。!」


 「そうか、久しぶりに帰ってすき焼きするか?」


 「「「食べたい!」」」


 孤児院に帰って来た2人をねぎらって、すき焼きを振舞うと皆喜んでいた。食事の後は皆で次の日用の仕込みを手伝う。これが結構大変なのだが、これが仕事だからしょうがない。


 後から聞いた話だが、やはり司祭が信者や他の教会の者に屋台の事を宣伝していたようだ。中には平民の格好をした司祭も何人か混じっていて偵察しに来てた者もいたらしい。流行りそうなら自分の教会前に出したい者も多いらしい。


 「どこの教会も、金に困ってますからね~」


 グローブ司祭は笑いながらそう言っていた。



 



 



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