『時をかける交差点 〜未来へ架かるオレンジの道〜』第1話:朝焼けのグラデーションベンチ。
あらすじ…、
待たせしました!、5歳のユウヒちゃんが大冒険を終えたあとの、新しくて温かいシーズン6の第1話を、拡大版でAiノベルが新しく書き下ろしたよ。
お母さんのアサヒが描いてくれた手作りの絵本『ちかのひかりトンネル』をきっかけに、地下の世界へと飛び込み、朝日くんと夕日ちゃんの危機を救ったあの大冒険から、早いもので数か月の月日が流れていた…、
5歳になったユウヒは、お気に入りのオレンジ色のふんわりとしたスカートを揺らしながら、お母さんのアサヒの手をぎゅっと力強く握りしめて、お天気の良い街の道をトコトコと元気よく歩いていた。今日のお出かけの目的地は、お母さんが人生で初めてメインのデザインを担当して、最近この街に新しくオープンしたばかりの、あの小さな綺麗な公園だ。「お母さん、もうすぐ公園に着く? わたし、あのベンチに早く座ってみたい!」
「ふふ、もうすぐそこだよ、ユウヒ。そんなに急がなくても、ベンチはどこにも逃げないから大丈夫だよ」
アサヒ(31)は、隣を歩く我が子の愛らしい笑顔を見つめながら、優しく目元を和ませて微笑んだ。
ユウヒが歩くたびに、その小さな背中で、ひいおばあちゃんの形見である古い懐中時計が、コートのポケットの中でカチコチと、まるで本物の心臓のように優しく、規則正しい「現在の時間」を刻みながら揺れている。あの大冒険を終えてからというもの、時計は二度と逆回転することなく、アサヒとユウヒの「今を生きる幸せ」を守るようにして、静かに眠りについていた。
「あ! 見えた! お母さん、あれだよね!」
公園の入り口に差し掛かった瞬間、ユウヒはパッと目を輝かせて、小さな指で公園の真ん中をさした。
緑豊かな芝生の広場のちょうど真ん中に、人々の憩いの場として設置されている、ひと際目を引く大きな木製のベンチ。
それこそが、アサヒがかつて大好きなお母さんと一緒に見上げた、あの美しい夕暮れの紫色のグラデーションと、生まれたての未来を祝福する朝焼けのオレンジ色が綺麗に溶け合うようにデザインした、世界にたった一つだけの特製ベンチだった。
「わあ……! お空の、朝焼けの色とまったく同じだね!」
ユウヒは嬉しくなってお母さんの手をパッと離すと、ベンチに向かって短い足を一生懸命に動かしてトトトッと駆け寄っていった。そして、オレンジ色のベンチの上にちょこんと腰掛け、小さな手のひらでその温かい木の感触を愛おしそうに何度も撫で回した。アサヒもその姿を後ろから見守りながらゆっくりと歩み寄り、ユウヒのすぐ隣へと優しく腰を下ろした。
ベンチに座って二人で並んで街並みを眺めていると、ふわりと心地よい秋の風が吹き抜けていく。
お母さんから、大人になった私へ。
私から、新しく生まれた我が子へ。
繋がった三世代の愛のぬくもりが、このベンチを通して「今」というこの素晴らしい瞬間を、優しく包み込んでいるかのようだった~
「お母さん、このベンチ、すっごくあったかいね」
「うん、そうだね、ユウヒ。みんながここで、明日からまた頑張ろうって、元気を出すためのベンチだからね」
アサヒが我が子の頭を優しく撫でた、まさにその時だった。
「……ねぇ、それ、僕たちの色だね」
静かな公園に、突如として、どこか鈴の鳴るような、透き通った男の子の声が響き渡った。
ハッとして二人が顔を上げると、ベンチのすぐ目の前に、いつの間にやってきたのか、ユウヒとちょうど同じ5歳くらいに見える、一人の不思議な男の子がぽつんと立っていた。
『時をかける交差点 〜未来へ架かるオレンジの道〜』新シーズン6
第1話:朝焼けのグラデーションベンチ
お母さんのアサヒが描いてくれた手作りの絵本『ちかのひかりトンネル』をきっかけに、地下の世界へと飛び込み、朝日くんと夕日ちゃんの危機を救ったあの大冒険から、早いもので数か月の月日が流れていた。
5歳になったユウヒは、お気に入りのオレンジ色のふんわりとしたスカートを揺らしながら、お母さんのアサヒの手をぎゅっと力強く握りしめて、お天気の良い街の道をトコトコと元気よく歩いていた。
今日のお出かけの目的地は、お母さんが人生で初めてメインのデザインを担当して、最近この街に新しくオープンしたばかりの、あの小さな綺麗な公園だ。
「お母さん、もうすぐ公園に着く? わたし、あのベンチに早く座ってみたい!」
「ふふ、もうすぐそこだよ、ユウヒ。そんなに急がなくても、ベンチはどこにも逃げないから大丈夫だよ」
アサヒ(31)は、隣を歩く我が子の愛らしい笑顔を見つめながら、優しく目元を和ませて微笑んだ。
ユウヒが歩くたびに、その小さな背中で、ひいおばあちゃんの形見である古い懐中時計が、コートのポケットの中でカチコチと、まるで本物の心臓のように優しく、規則正しい「現在の時間」を刻みながら揺れている。
あの大冒険を終えてからというもの、時計は二度と逆回転することなく、アサヒとユウヒの「今を生きる幸せ」を守るようにして、静かに眠りについていた。
「あ! 見えた! お母さん、あれだよね!」
公園の入り口に差し掛かった瞬間、ユウヒはパッと目を輝かせて、小さな指で公園の真ん中をさした。
緑豊かな芝生の広場のちょうど真ん中に、人々の憩いの場として設置されている、ひと際目を引く大きな木製のベンチ。
それこそが、アサヒがかつて大好きなお母さんと一緒に見上げた、あの美しい夕暮れの紫色のグラデーションと、生まれたての未来を祝福する朝焼けのオレンジ色が綺麗に溶け合うようにデザインした、世界にたった一つだけの特製ベンチだった。
「わあ……! お空の、朝焼けの色とまったく同じだね!」
ユウヒは嬉しくなってお母さんの手をパッと離すと、ベンチに向かって短い足を一生懸命に動かしてトトトッと駆け寄っていった。
そして、オレンジ色のベンチの上にちょこんと腰掛け、小さな手のひらでその温かい木の感触を愛おしそうに何度も撫で回した。
アサヒもその姿を後ろから見守りながらゆっくりと歩み寄り、ユウヒのすぐ隣へと優しく腰を下ろした。
ベンチに座って二人で並んで街並みを眺めていると、ふわりと心地よい秋の風が吹き抜けていく。
お母さんから、大人になった私へ。
私から、新しく生まれた我が子へ。
繋がった三世代の愛のぬくもりが、このベンチを通して「今」というこの素晴らしい瞬間を、優しく包み込んでいるかのようだった。
「お母さん、このベンチ、すっごくあったかいね」
「うん、そうだね、ユウヒ。みんながここで、明日からまた頑張ろうって、元気を出すためのベンチだからね」
アサヒが我が子の頭を優しく撫でた、まさにその時だった。
「……ねぇ、それ、僕たちの色だね」
静かな公園に、突如として、どこか鈴の鳴るような、透き通った男の子の声が響き渡った。
ハッとして二人が顔を上げると、ベンチのすぐ目の前に、いつの間にやってきたのか、ユウヒとちょうど同じ5歳くらいに見える、一人の不思議な男の子がぽつんと立っていた。
その男の子は、まるで太陽の光をそのまま紡いで作ったかのような、キラキラとした眩しい黄金色の綺麗な髪をしており、着ている服も、生まれたての朝日のような眩しい光の色をしていた。
男の子は、アメジスト色とオレンジ色のグラデーションベンチをじっと見つめ、それからユウヒの顔を見て、いたずらっぽくクスッと無邪気に微笑んだ。
「君、そのスカート、夕日ちゃんの光のドレスと同じ色だね。……やっと会えた。地下のトンネルでは助けてくれてありがとう、ユウヒちゃん」
ドクン……!!!
その瞬間、アサヒの、そしてユウヒのコートのポケットの中で、あの動かないはずの形見の懐中時計が、まるで大喜びするようにカチリ!と一度だけ高く鳴り響いた。
アサヒは驚きのあまり息を呑み、その両目を大きく見開いた。
間違えるはずがない。
この黄金色の美しい髪、そしてこの懐かしい光の気配は――。
「あっ! あなた、アサヒくんだ!!」
ユウヒはベンチからピょんっと飛び降りると、目を丸くして、その男の子の元へと嬉しそうに駆け寄っていった。
いつもは時間の止まった【ひかりの交差点】や、誰も知らない【ちかのひかりトンネル】にしかいられないはずの光の神様が、人間の男の子の姿を借りて、現実世界のこの公園へと遊びにやってきたのだ。
「しーっ、大きな声を出したら、周りの人間にバレちゃうよ」
朝日くんは小さな人差し指を唇に当てて「内緒だよ」というように笑うと、ユウヒに向かって小さな黄金色の手を真っ直ぐに伸ばした。
「地上の世界は、本当に温かくて素敵な場所だね。ねぇ、ユウヒちゃん、アサヒお姉さん。今日は僕と一緒に、この新しい世界で、いっぱいいっぱい『楽しい今』の思い出を作ろうよ!」
「うん!!」
ユウヒは最高の笑顔を浮かべると、朝日くんの差し出した小さな手を、ぎゅっと力強く握りしめた。
その瞬間、二人の小さな手の隙間から、まるで未来を祝福するような、まばゆい朝焼けのオレンジ色の光がパチパチときれいに弾け飛んだ。
過去の悲しみを乗り越えたアサヒさんと、新しい明日を連れてきたユウヒちゃん。
二人の暮らす現実の世界に、光の神様が舞い降りて始まる、新しくてどこまでも温かい「最高の毎日の物語」が、いまここに新しく幕を開けたのだった。
(第1話・おわり)
もしよかったら一緒に読んでもらえたら…、嬉しいです。




