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君だけの勇者様  作者: ama
チート系勇者様
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第37話 新たな目的

俺とマリナはハーデス村に戻るか戻らないかの話し合いで口論になり、ただでさえ消耗している体力を喧嘩をして消耗するのは不毛だから

お互いが元気になり、次の街に着くまでは話し合いを中断することになった

荷車に乗せられて全く気づかなかったが、俺達は砂漠にいたらしい

1番近くの安全な国であるリービル国に奴隷解放された俺達は全員向かった

立派な宿を取り、十分な睡眠、食事をして

「ハーデス村に戻りたい。」

と俺はマリナに言った

「カイトとランが旅に出た理由の為だけにわざわざハーデス村にまで帰るなんて出来ないよ。」

「このまま魔王の元へ向かっても俺達は何も出来ないじゃないか。」

「だからと言って引き返す理由にはならない。まだまだ実力不足かもしれないけれど、強くなる為に冒険を続けてきた。魔王を討伐する為に。」

「闇雲に戦ってもあまり強くならなかったじゃないか。」

「それでも少しずつ出来ることは増えている。魔王を倒すんだもの。そう簡単に出来るわけないじゃない。」

俺は鍵の剣の力があればドラゴンだって一撃で倒せる

魔王討伐も出来るかもしれない

ランと一緒なら魔王を倒せる

「俺が持っている鍵の剣はランを守る為にチャイナお婆さんが作ったものだ。ランが近くにいないと力を発揮できない。この剣の力があればドラゴン討伐も可能だ。」

「結局言いたいことはランと一緒に旅がしたいってことでしょう?」

「…そうだ。」

「私は聖女なのよ?この世界で千年に一度しか誕生しない聖女なの。私が魔王を討伐する為にこの力を与えられた。ランじゃなくて私の方が適任だと思うけど。」

「マリナがいなくても、俺とランがいれば魔王を討伐することが出来る。」

「じゃあ私は何のためにこの力を神様から与えられたの!?」

「別に聖女の力があってもなくてもマリナであることには変わりないんだから魔王討伐に固執しなくても…」

「私は聖女の力が目覚めてまだ半年しか経ってないのよ?それで現時点で私よりランの方が強くて頼りになるから用無しなんて言われたら怒るに決まってるじゃない!!私はクーデルと一緒に特訓して強くなって魔王を倒したい。今もその気持ちは変わらない。」

「やっぱり俺は勇者なんて向いてなかったんだ。魔王討伐とか世界平和とか興味ないもん…」

「何言ってるの!?魔王討伐する為にずっと命懸けで戦っていたんじゃないの!?」

「俺はランが好きなんだ。ランを守る為にずっと戦ってた。」

「じゃあ…なんで…!!私と一緒に魔王討伐の冒険の旅に出たのよ!?」

「ランに振られたから。」

「振られた?」

「そう。振られたんだ。だから気持ちを切り替えて俺を選んでくれたマリナと一緒に旅をすれば…この気持ちも薄れてマリナを大事に思える日がくると思っていたんだ。でも無理だった。ランが好きだ。この気持ちが消えることは一生ない。」

「ふーん…振られたなら諦めないと。振った相手に執着されたらそれこそランに嫌われるんじゃないの?」

「それは…」

「今はカイトとランが一緒に旅をしているんでしょう?2人の邪魔をしない方がいいわよ。」

「邪魔なんて…!俺はただなんで2人が旅をしているか知りたいだけで…」

「知ってどうするの?」

「力になりたいなって…」

「大丈夫よ。カイトは強いから。クーデルの力なんて必要ないと思うわ。」

「…。」

むかつく

むかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつくむかつく

こんなにも腹が立つのは図星だからだ

俺の力なんておそらく必要ない

カイトの方が何倍も何十倍も優秀だ

ランが目的を持ってカイトと旅をしているなら

カイトならきっと目的を達成させられる

圧倒的な実力で

「わかったなら私と地道に修行して力をつけて魔王討伐に向けて先に進むわよ。」

「…ランは魔物になったと言っていた。」

「え!?」

「魔物ラン様と呼ばれていたんだ!ランはきっと人間に戻る為に旅をしているはずだ。」

「そうだったの…じゃあ私が浄化すれば解決するよね。」

「…でもそうしなかった。何かわけがあるんだ。だからカイトとランは旅をしている。」

「じゃあカイトが解決してくれるわ。」

「俺は…!!カイトじゃなくて!!俺がランの力になりたいんだ!!」

「振られたくせに。未練がましいわよ。ランはクーデルじゃなくてカイトの力が必要だったのよ。」

「俺だってランの役に立てる!」

「カイトの方がずっと役に立つわよ。きっと。」

「そんな言い方しなくてもいいだろっ!!」

「本当のことよ!!」

俺達の話し合いがヒートアップしてきて大声をお互いに張り上げてしまった

街中で揉めている男女として周りの人々から訝しな目で見られる

「あれ?クーデル?」

と声を掛けてきたのはリービル国でランが友達になったカーラだった

「カーラ?」

「久しぶりね。痴話喧嘩の最中に声を掛けて申し訳なかったわね。それじゃあ…」

「待って!カーラは魔物になったランに会った?」

「会ったわよ。」

「ランは元気だったか!?どうして魔物になったんだ!?どうしてカイトと旅をしているんだ!?」

「えぇ…?知らないの…?」

「教えてくれ!」

「えー…私の口からは言いたくないなぁ。」

「お願い!どうしても知りたいんだ!!」

「うーん…少し調べればわかると思うけど…私だってランの口から聞いたんじゃなくて、新聞で知ったんだし。」

「新聞で…?」

「自分で調べてみてね。じゃあねー。」

と言ってカーラは去ってしまった

俺はカーラの話を聞いてすぐ、マリナを置き去りにして図書館へと向かった

図書館でここ半年間の新聞を俺は読み漁る

「これだ…」

“リアジーニャ城のミスコンテストに純血魔族の女の子が登場。大人の色気のバニー衣装で街中の男達を魅了し、見事優勝。魔王が消滅すると死んだしまう彼女は魔族と人間の共存をコンテストで演説した”

魔王が死ぬとランも死ぬ…?

そうとわかれば魔王討伐なんて絶対に出来ない

ランは純血な魔族だったのか

寿命も人間とは異なるのかな

人間が魔族になる方法を探そう

ランと一緒に生きる為に

カイトはおそらく魔族と人間を共存する世界を作れるから



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