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君だけの勇者様  作者: ama
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第4話 初めての大都会

目的地のレアジーニャ城は歩きと汽車を乗り継ぎ、半日程で到着することが出来た。

汽車から降りた景色は人混みだらけで、ハーデス村しか知らなかった俺はカルチャーショックを受けた。

「人って沢山居たんだ…。」

「ここが都会…。す、凄い…。」

ランも圧倒的な人の多さに驚いているようだ。

「お城があるからあれがレアジーニャ城よね。行きましょうか。」

「うん。」

そうは言ったがランは止まったまま動かない。

「どうした?行こうよ。」

「ど、どこを歩くの?人にぶつかるんだけど。」

駅のホームには沢山人が居て立っているだけでもぶつかる。

「ほら。」

俺は手を差し伸べる。

「なに?」

「手を繋いで歩こう。はぐれないように。」

「え、わっわかった。」

ランと俺は手を繋ぎ歩く。

しかし、手を繋いでいるのに人混みは激しく、沢山の人に押されて繋いだ手が離れそうだ。

「ゅ、勇者様!!絶対離さないでよ!」

「わかってる!ランも離すなよ!」

ランは涙目になりながら訴えてる。

俺もこんな人がいっぱいで押し潰されるようなことになるなんて知らなかった。

「わっ!や、やだ!!」

ランが人混みに飲まれて手を離してしまった。

「ラン!!」

「勇者様ー!!」

声は聞こえるが人の波に飲まれてはぐれてしまった。

「うわーーーーん!!勇者様助けてーーーー!!」

大声で泣くランの声を頼りに人混みをかき分けてランを探す。

ランは大声で泣きながら、周りにいる人達に“俺が勇者だよ?助けてあげるよ?”とたくさんの知らない勇者達に声をかけられていた。

「すみません…。俺の仲間なんです。はぐれてしまって…。」

「君が勇者?平々凡々なパッとしないやつだなぁ〜。こんなやつより俺と旅しない?」

「ゆ、勇者様〜!!」

俺を見つけてランは泣きながら抱きついてきた。不安だったのだろう。

「一人にしてごめんね。」

「わ、私が手を離しちゃったから〜。」

「ねぇ。そんな頼りない勇者より俺の方が強いよ?一緒に旅しよ?」

「うるさい!私の勇者様が一番強いんだから!!あんたなんか一瞬でボコボコにするんだからね!!」

「あ?」 

「ちょっと!ラン!やめなさい!すみません…。お騒がせしました…。」

「お前ら魔王討伐のパーティか?」

「そうです。」

「レアジーニャ城の勇者試験に行くのか?」

「勇者試験?」

「そんなことも知らずに来たのかよ。勇者試験に合格したやつだけが魔王討伐に行けるんだよ。」

「そうでしたか。教えて頂きありがとうございます。」

「はっ。お前が行っても恥さらしになるだけだろうけどな。」

「ハァ?お前みたいなくそ性格悪い勇者が選ばれる方がこの世の終わりだと思いますけど??」

「ラン!やめなさい!」

「なんで?こいつが先に失礼なこと言ってきたんじゃん!」

「気が強い所も凄く可愛いね。さっきは迷子になって泣いてたのに。」

「うるさい!二度と顔を見せるな!!」

男はランの手の甲にキスをする

「俺の名前はタクト。またお城で会おうね。ランちゃん。」

「キモイ!何すんの!!」

タクトと名乗った男はヘラヘラと笑いながら人混みに消えていった。

「信じられない!都会の男ってみんなあんな男なの?」

そう言いながらランは自分のハンカチで手の甲をゴシゴシと拭いていた。

「いい人そうだったけどね。」

「はぁぁ??あんた世の中の人全員善人に見える病気なんじゃないの??」

「それよりどうする?この人混み。」

やもう歩きたくないよ。怖いよ。」

「しょうがない。おいで。」

俺はしゃがんでおんぶをしようとする。

「は、恥ずかしいよ…。」

「また離れたくないだろう?」

「うぅぅぅ。」

ランは渋々俺におんぶされる。

「ごめんね。重いでしょ?」

「全然。もっと食べた方がいいじゃないのか?軽すぎるよ。」

「ごめんね。勇者様。人混みも歩けない役立たずで…。」

「そのうちなれるさ。俺だって初めての経験で上手く歩けなかったし。ランを泣かせてしまったからね。」

「だって怖かったんだもん…。」

「でもちょっと楽しかった。」

「えぇ…。私はもう二度と人混みはやだ…。」

「ハーデス村に帰る?」

「まさか。魔王を倒すまで帰らないよ。」

「ランのそういう所好きだよ。」

「定期的に告白するのやめてくれる?」

「いいじゃん。相手に気持ちを伝えるのは大事なんだよ。」

ランはおんぶされたまま、俺の耳元で囁くように言う。

「私も勇者様大好きだよ。」

「なっ!!」

俺は恥ずかしくなり、顔を真っ赤にしてしまった。

「あれー?勇者ー?相手に気持ちを伝えることは大事なんですよねぇー?何照れてるんですかぁー?」

ランは煽るようにやにやしながら俺を見る。

「お、俺はただランと仲良くしようと思って…。好意は揶揄うように言うもんじゃない!」

「はいはい。揶揄って申し訳ございませんでしたー。勇者様のように清く正しく生きていきまーす。」

「こんなの普通だろ?」

「はい。私の勇者様は最強ですから。」

 

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