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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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35/53

第35話:進化の洗礼と、地下水路の反撃

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、ミニドラゴンのファル、ウルフのフェリル、小型ゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、白銀の狐ルナ、グリフォンのギルと共に旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である手のひらサイズのミニドラゴン。第弐位階(成長期)へと進化した仲間たちの背中を頼もしく見つめながら、持ち前の明るさで戦場を駆け回る。

フェリル

レインの相棒であるウルフ。第弐位階(成長期)への劇的な成長を遂げ、桁違いのスピードとパワーで特務隊の精鋭たちを圧倒する。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化を遂げたゴーストのマスコット。巨大かつ強固な多層障壁と幻影で敵の視界を完全に奪い、味方を護り抜く。

シルビア・ローゼンベルク

実家の本拠地で、かつての自分を縛り付けていた冷酷な一族の特務隊を前に、恩師ヴァルターや地下の仲間たちと共に毅然と立ち向かうエリート召喚師。

ルナ

シルビアの相棒である気高く美しい白銀の狐。鋭い洞察力で戦況を正確に把握し、パーティ全体の連携を完璧に支える。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。新技の風の翼刃を巧みに操り、空と地上を繋ぐアタッカーとして大活躍する。

ライル

隠れ家でレインたちに救われた見習い召喚師の少年。第弐位階(成長期)に進化した仲間たちの戦いに勇気をもらい、必死で支援魔法に加わる。

ヴァルター

シルビアの元教育係である初老の元上級召喚師。長年隠れ家を守ってきた経験を活かし、地下の住民たちを的確に誘導する。

特務隊長

ローゼンベルク家本家から派遣された冷酷な精鋭部隊のリーダー。強制契約の魔導具を操り、恐怖による支配を絶対とする。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第35話をお届けします!

前回、地下水路の隠れ家に迫ったローゼンベルク家の特務隊との戦闘の最中、フェリルとポルカが頼もしい「第弐位階(成長期)」へと見事に進化を遂げた熱いシーン。第35話では、その第弐位階(成長期)に進化した二人の圧倒的な戦闘力と、仲間たちのコンビネーションが炸裂する地下防衛戦のクライマックスを描きます。ボリュームたっぷりの長編仕様でお届けしますので、ぜひじっくりとお楽しみください!

地下採掘場跡の広場に鳴り響く激しい戦闘音と、交錯する魔力の光。

ローゼンベルク家の本家から送り込まれた精鋭部隊「白薔薇の処刑特務隊」の奇襲に対し、レインの一行は一歩も引くことなく立ち向かっていた。

その戦況を一変させたのが、直前に劇的な進化を遂げたフェリルとポルカの「第弐位階(成長期)への進化」だった。

「ワンッ……!!」

一段と精悍で、しなやかな筋肉を纏った第弐位階(成長期)へと進化したウルフのフェリルは、地面を蹴り飛ばした瞬間、目にも留まらぬ高速の残像を残して前方の敵陣へと突進した。その移動速度は、先ほどまでの小さな体躯の頃とは比較にならないほど桁違いに跳ね上がっており、空気の爆発音が遅れてゴォォンと広場に響き渡る。

「なっ……速すぎる……!? 捕らえられない……!」

特務隊の隊員が慌てて特殊な拘束魔導具を向けようとしたが、フェリルの鋭く研ぎ澄まされた銀色の牙は、すでにその魔導具の柄を正確に、かつ一瞬で噛み砕いていた。

物理的なパワーも圧倒的に増しており、特務隊が従えていた新型の戦闘用キマイラ魔獣さえも、フェリルの体当たり一撃で簡単にバランスを崩し、盛大な土煙を上げてひっくり返してしまう。

「すごいぞ、フェリル! 見違えるほど頼もしくなったね!」

レインが足元に美しく透き通る青い魔方陣を展開しながら、嬉しそうに声を弾ませた。フェリルの成長した姿は、レインの魔方陣の光と完全に共鳴し、周囲の空間全体に心地よい闘気と癒やしの波動を同時に行き渡らせていた。

さらに、その戦場を圧倒的な防御と幻影で完全に支配していたのが、同じく第弐位階(成長期)へと姿を変えたポルカだった。

「僕たちの隠れ家には、一歩も指一本触れさせないんだからね――!」

ふんわりとした圧倒的な存在感を放つ中型へと成長したポルカが両手を大きく広げると、その周囲に幾重もの多面体で構成された巨大な光の障壁――**『エーテル・プリズム』**が展開された。

特務隊長が放った強力な破壊魔法の弾丸がその障壁に直撃したが、ビクともしないどころか、その衝撃エネルギーを数倍に増幅させて、そのまま敵の足元へと綺麗に反射・跳ね返した。

「ぐわっ……! なんだこの防御と反射は……!? 自分たちの攻撃がそのまま跳ね返ってくるだと……!」

特務隊員たちは想定外の防御力と反撃に次々と体勢を崩し、混乱の渦に陥っていった。

それだけでなく、ポルカが放つ光の屈折効果によって、戦場には無数のポルカや味方の幻影がふわりと浮かび上がり、敵の視界と距離感を完全に狂わせていた。どこを狙えばいいのかすら分からなくなった特務隊は、完全に形勢を逆転されてしまっていた。

「今だ、みんな! 攻勢に転じよう!」

シルビアが杖を大きく振り上げ、エメラルドグリーンの瞳に鋭い光を宿しながら指示を飛ばした。

その隣では、元教育係であるヴァルターや、隠れ家の若い召喚師たち――そして勇気を取り戻したライルも、それぞれの魔法を合わせて次々と支援の光を放った。

「僕たちだって……負けないんだからね!」

ライルが杖を突き出し、かつては恐怖で震えていた手が、今は仲間を護るために真っ直ぐ力強く伸びていた。その足元には、救われた猫の魔獣がしっかりと寄り添い、共に勇敢な威嚇をしている。

空の上では、グリフォンの幼体・ギルがその翼を大きく広げ、新技**『ガスト・ストーム』**の余韻を纏いながら旋回していた。

「へへっ、地上はフェリルとポルカが大暴れしてるから、ボクは逃げようとする奴を上から全部抑え込んでやるぞ!」

ギルが鋭い目で通路の出口を見張り、特務隊の退路を完全に塞いでいる。

肩の上のファルも、『みんな、最高に息が合ってるね! この調子で一気に押し切っちゃおう!』と、小さな翼をパタパタさせながら満面の笑みを浮かべていた。

戦局は完全にレインたちの圧倒的優勢へと傾いていた。

しかし、特務隊の指揮を執るリーダー――特務隊長だけは、部下たちが次々と無力化されていく現状に顔を真っ青に歪めながらも、激しい怒りと焦燥から最後の手段に出ようとしていた。

「ふざけるな……! 落ちこぼれの反逆者どもが、我がローゼンベルク家の絶対的な支配に逆らうなど許されると思うな……!」

特務隊長は懐から、一族の禁忌とされる巨大な黒い魔導結晶――「暴走の強制コア」を取り出し、自らが従える最強の戦闘魔獣の胸元へと無理やり埋め込もうとした。

「あっ、危ない! あの魔導結晶を無理やり埋め込んだら、魔獣の理性が完全に破壊されて、この地下空間ごと自爆しかねないわ!」

シルビアが危険を察知し、青ざめた顔で叫んだ。

その瞬間、白銀の狐・ルナが優雅に、しかしこの上なく素早く跳躍した。

『そんな自分勝手な暴力の道具に、これ以上命を弄ばせるわけにはいかないわ!』

ルナの瞳が眩い月の聖光を帯び、新技である**『ルナティック・ミラージュ(月光幻影陣)』**が瞬時に発動した。

特務隊長の視界のすべてが眩い月の光の幻影に包まれ、彼の手はピタリと動きを止めた。自分がどこにいて、何をしようとしていたのかすら分からなくなった隊長は、その場でバランスを崩してバランスを失った。

その絶対的な隙を逃さず、中型へと成長したフェリルが高速の突進で一瞬にして間合いを詰め、その鋭い一撃で特務隊長の持っていた魔導結晶を綺麗に弾き飛ばした。

弾き飛ばされた魔導結晶は、レインが足元に広げた青い魔方陣の光の波長に包まれ、音もなく無害な光の粒子へと完全に浄化されて消えていった。

「……勝負あり、だね」

レインが静かに、しかしどこまでも優しく穏やかな笑みを浮かべてそう告げると、特務隊長はすべての気力を失い、その場に崩れ落ちるように膝をついた。

特務隊のリーダーが倒れ、精鋭と呼ばれていた部隊も第弐位階(成長期)へと進化したフェリルとポルカ、そして仲間たちの完璧なコンビネーションの前に全員が戦闘不能となった。

地下採掘場跡の広場を包んでいた緊迫した空気はスッと消え去り、代わりに勝者の誇らしい歓声と、お互いを讃え合う温かな拍手が鳴り響いた。

「やった……! 僕たち、勝ったんだ……!」

ライルが両手を大きく広げ、嬉しさのあまりその場で飛び跳ねた。周囲の隠れ家の住民たちや魔獣たちも、お互いに抱き合いながら歓喜の涙を流している。

シルビアは大きく息を吐き出し、安心した表情でレインや仲間たちを見渡した。

「ふう……危なかったけれど、みんなが無事で本当によかったわ。それにしても、フェリルもポルカも、見事に成長してくれたわね」

レインはフェリルとポルカの頭を優しく撫で、そして顔を上げて一同に向かって力強く頷いた。

「みんな、本当によく頑張ったね。でも、これはまだ始まりに過ぎない。ローゼンベルク家の本家は、今回の失敗を受けてさらに大きな動きに出るはずだ……。僕たちはこの勝利をバネにして、いよいよこの街の根幹を正すための次のステップへ進もう」

地下の隠れ家を守り抜き、確かな手応えと新たな進化を手に入れたレインの一行。

物語はいよいよ、ローゼンベルク家本家との直接対決、そして白薔薇の都全体の解放に向けた核心へと、劇的な加速を見せていくのだった。

後書き

第35話「進化の洗礼と、地下水路の反撃」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

第弐位階(成長期)へと進化したフェリルとポルカの圧倒的な戦闘力や、ギル、ルナ、シルビア、そしてライルたちの総力戦によって、ローゼンベルク家の特務隊による奇襲を完全に撃退する爽快な防衛戦を描かせていただきました。仲間たちの成長と絆の強さがしっかりと伝わっていたら嬉しいです!

次回の第36話では、特務隊の襲撃を退けたレインたちが、いよいよ一族の支配を根本から打ち破るための「反撃の作戦会議」、そして街の内部や改革派の協力者たちとの本格的な接触へと繋がっていきます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第36話でお会いしましょう!

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