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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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32/53

第32話:明かされる真実と、地下の隠れ家

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、ミニドラゴンのファル、ウルフのフェリル、小型ゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、白銀の狐ルナ、グリフォンのギルと共に旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である手のひらサイズのミニドラゴン。ライルたちに美味しいお菓子を分けてあげたりして、すっかりお兄ちゃん風を吹かせている。

フェリル

レインの相棒である小さなウルフ。助けたウルフの魔獣と心を通わせ、静かに見守りながら安全な道を示す。

ポルカ

小型ゴーストのマスコット。涙を拭いたライルを元気づけようと、周りでフワフワと可愛い光の輪を作って遊んであげる。

シルビア・ローゼンベルク

実家の本拠地「ローゼニア」で、かつての自分と同じように苦しんでいた少年ライルに優しく寄り添い、共に戦う決意を新たにするエリート召喚師。

ルナ

シルビアの相棒である気高く美しい白銀の狐。ライルから語られるローゼンベルク家の知られざる内部事情を冷静に聞き取る。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。空からの警戒を続けつつ、エリアスの緊張をほぐそうとコミカルなポーズを見せる。

ライル

ローゼンベルク家の強制的な調教と支配システムに苦しんでいたが、レインたちに救われ、心を開いた見習い召喚師の少年。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第32話をお届けします!

前回、訓練施設の裏手で過酷な調教を受けていた見習い少年のライルと傷ついたウルフをレインたちの「絆の癒やし」で救い出した感動のシーン。第32話では、ライルからローゼンベルク家の隠された裏の事情や、街の地下にひそかに身を隠す「虐げられた召喚師たち」の存在について詳しく聞き出し、いよいよ街の深部へと踏み込んでいく重要なエピソードを描きます。ぜひじっくりとお楽しみください!

白薔薇の都ローゼニアの裏路地。冷たい石壁に囲まれた訓練施設の裏手から、レインたちはライルと、彼が守ろうとしていた傷だらけの猫の魔獣を連れて、人目のつかない安全な場所へと移動していた。

街の華やかな表通りから離れた、かつて古い倉庫として使われていたという薄暗い一角。しかし、中はしっかりと掃除されており、レインが足元に展開した「青い魔方陣」の優しい光が、部屋全体を温かく照らし出している。

「ふう……ここなら、当分の間は誰にも見つからないはずだね。ライル君、少しは落ち着いたかい?」

レインが優しく微笑みながら、温かいお茶の入った木製のカップを差し出すと、ライルは両手で大切そうにそれを受け取り、コクリと小さくうなずいた。

「はい……ありがとうございます、レインさん。僕、あんな風に助けてもらえるなんて思っていなかったから……なんだか、まだ夢を見ているみたいです」

ライルの足元では、先ほどまで瀕死の重傷を負っていた猫の魔獣が、すっかり元気を取り戻した様子で、尻尾をパタパタと振りながらフェリルのそばに寄り添っていた。フェリルは「ワンっ」と低く優しく鳴き、自分の分け前である干し肉を少し分けてやっている。その微笑ましい光景を見て、ライルの顔にようやく心からの安心した笑みが戻っていた。

『ほら、これ食べて元気出しなよ! 僕が分けてあげるからさ!』

ファルが小さなお菓子をポンとライルの手のひらに乗せると、ライルは「わあ、ありがとう……!」と目を丸くして笑った。ポルカもその周りをフワフワと飛び回り、『よかったね、もう怖いことは何もないんだよー!』と明るく励ましている。

そんな和やかな空気をそっと見守りながら、シルビアはライルの向かいの木箱に腰を下ろし、真剣な眼差しで静かに切り出した。

「ライル。さっき、この街の裏側で苦しんでいるのはあなたの猫の魔獣だけじゃないって言っていたわね。……ローゼニアの街では、今、一体何が起きているのかしら?」

シルビアのその真剣な問いかけに、ライルの表情が少しだけ引き締まり、彼はカップを両手でしっかりと握りしめながら、ポツポツと語り始めた。

「……僕たち、ローゼンベルク家の血を引く見習いや、街で魔獣と一緒に暮らしていた召喚師たちは、みんな『恐怖のルール』で縛られているんです。当主様や一族の長老たちは、『魔獣は服従と恐怖でしか統率できない』って信じ切っていて……少しでも僕たちが魔獣と対等に接したり、優しくしたりすると、『一族の恥だ、異端者だ』って言われて、あの訓練施設みたいな場所に連れていかれて……無理やり首輪をつけられてしまうんです」

ライルの声が、わずかに怒りと悔しさで震えていた。

「それに……街のあちこちで、言うことを聞かない魔獣や、一族のやり方に疑問を抱いた召喚師たちが、次々と姿を消しているんです。どこに連去られているのかは誰も教えてくれないけれど……きっと、当主様の秘密の地下牢か、あるいは街の外の処分場に……」

そのライルの言葉を聞いたルナは、美しい白い耳をピクッと伏せ、冷徹なトーンで低く呟いた。

『……やはりね。表向きは白薔薇の都なんて美しい名前で着飾っているけれど、その中身は、恐怖で魂をすり潰す巨大な牢獄そのものというわけだわ』

「許せないわね……。自分の血を引く子供たちや、命ある魔獣を道具としてしか扱わないなんて。私が知っていた頃よりも、一族のやり方はさらに歪んで冷酷になっているわ」

シルビアはエメラルドグリーンの瞳に激しい怒りの炎を宿し、拳を強く握りしめた。

しかし、ライルは少しだけ顔を上げ、希望の光を帯びた瞳でシルビアとレインを見つめた。

「でも……僕、一人じゃなかったんだ。実は、ローゼンベルク家の古いやり方に反対して、ひそかに隠れ住んでいる仲間たちがいるんです! 街の地下水路のさらに奥、昔の採掘場跡を利用した**『隠れ家』**があって……そこには、首輪を外された魔獣や、一族から逃れてきた仲間たちが何十人も身を寄せ合っているんです」

「地下水路の奥の隠れ家……! そんな場所があったのね」

シルビアが驚きの声を上げると、ライルは力強くうなずいた。

「はい! 僕、本当は明日、その隠れ家にいるリーダーのところへ連絡を取るはずだったんです。もしよかったら……レインさん、シルビアさん、その隠れ家に来てくれませんか? 皆さんもきっと、あなたたちの力になってくれるはずだし、何より……みんな、本当の『絆の魔法』を探しているんです!」

ライルのその真っ直ぐな瞳と言葉を聞いたレインは、迷うことなく柔らかく温かい笑みを浮かべ、そっとうなずいた。

「もちろんだよ、ライル君。僕たちは、この街で苦しんでいる人や魔獣を救うためにここにきたんだ。その隠れ家へ案内してよ。みんなの力になれるなら、喜んで協力するさ」

『おっ、地下の隠れ家か! なんか秘密基地みたいでちょっとワクワクするね! よし、僕たちがしっかり守ってあげるから安心して案内してよ!』

ファルも小さな胸を張って頼もしく宣言し、ギルも空の上から『地上からの警戒はボクに任せて、地下への道も上からしっかり見張ってあげるからさ!』と元気に声を響かせた。

こうして、レインの一行はライルの案内のもと、ローゼンベルク家の支配から逃れた者たちが身を寄せるという「地下水路の隠れ家」へ向けて、いよいよ街のさらなる深部へと足を踏み入れることになったのだった。

華やかな白薔薇の都の地下に広がる、知られざるもう一つの世界。

そこで待ち受けている「虐げられた召喚師たち」との出会いは、レインたちの「世界改革」の旅に、さらに巨大で熱いうねりをもたらしていくことになる。物語は、地下の隠れ家での出会いと新たな誓いへと、鮮やかに加速していく。

後書き

第32話「明かされる真実と、隠れ家の仲間たち」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

助け出した見習い少年のライルから、ローゼンベルク家が隠している残酷な真実や、街の地下にひそかに身を寄せる「虐げられた召喚師たちの隠れ家」の存在について詳しく明かされるエピソードを描かせていただきました。ライルの純粋な勇気や、レインたちの温かい優しさがしっかりと伝わっていたら嬉しいです!

次回の第33話では、いよいよ地下水路を抜けて「隠れ家」に到着し、そこにいるリーダーや多くの仲間たちとの感動的な出会い、そしてローゼンベルク家本家に対する本格的な反撃の狼煙が上がる展開に繋がっていきます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第32話でお会いしましょう!

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