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神社紀行  作者: flat face
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西宮神社

 本に書かれたものばかりが日本神話とは限りません。口伝えによって継承され、社寺の掲示や碑文にひっそりと記されたものもあります。祭や名物の謂われとして伝承された神話も存在します。

 それらは現地に足を運ばなければ見付からず、感じ取れないこともあります。文字化されたものだけではなく、日本神話の舞台となった場所の雰囲気などもまた神話でしょう。社寺に参詣した私は、そのような諸々の神話について空想を巡らしもしました。

 空想を巡らすに当たっては中世神話や近世神話も参照しました。社寺では思い掛けず中世日本紀や古史古伝と出会うこともあります。日本神話は世界という大きな書物に様々な文字で綴られているとも言えましょうか。

 西宮神社は恵比寿神を祀る神社の総本社です。

 私は阪神電車の西宮駅を降りて西宮神社に向かいました。

 一月十一日に参拝したため、辻々に露店が軒を連ねていました。


 西宮神社は一月十日を中心に九日から十日まで三日間の十日えびすが行われます。

 阪神間における最大の祭典として広く全国に知られるそうで、百万人を超える参拝者で賑わうらしいです。

 十日の早暁に大祭が終了した後は、福男選びである開門神事の走り参りで大変な熱気に包まれるとのことです。


 恵比寿は福の神や市の神、商売繁盛の神とされます。

 元々、「えびす」という言葉は浜辺に流れ着いた鯨など有益な漂着物を指し、西宮神社の御神像も和田岬の沖に漂着したところを漁師に拾われ、祀られたと伝えられています。

 漁業の神として恵比寿が鎮座した西宮は、西国街道の宿場町としても開け、市が立って隆盛を極めたそうです。


 西宮の隆盛には西宮郷の銘酒も一役買ったらしく、露店では日本酒も商っていました。

 なお、伊勢神宮に神饌として供えられるお酒は、全て西宮の日本酒で、銘柄は癖がなくてまろやかな「白鷹」の御料酒に限られるそうです。

 また、トルコ料理であるケバブやチーズがたっぷりな韓国のホットドッグも売られており、屋台も国際色の豊かな時代になったものだと思いました。


 警察が大々的に交通整理している道路を渡り、私は表大門から西宮神社に入りました。

 赤門とも呼ばれる表大門は、桃山建築の遺構を残しており、左右の大練塀も室町時代に建造されたと推定されています。

 私の見識が低いこともあり、赤門と大練塀は立派であるけれども特別なようには見えませんでした。


 境内も露店が軒を連ねており、福笹や熊手も販売され、お化け屋敷や猿回しの曲芸もありました。

 十日えびすの十一日は九日の宵えびすと十日の本えびすに対して残り福と言われますが、残り物には福があるということか、割合に人がいました。

 多くの警備員や消防団員が投入されており、流石の規模と思いながら、私は本殿に向かいました。


 本殿は三連春日造という珍しい構造で、徳川家綱の寄進になる国宝です。

 空襲で烏有に帰し、復興されて桧皮葺から銅板葺に変わりましたが、屋根の重厚な感じや赤いカラーリング、青銅製の馬と狛犬などは見応えがありました。

 お祓いを受けて拝殿に入りますと、恵比寿らの祀られている御本殿が見えました。


 西宮神社は恵比寿を水蛭子神とも呼んでいます。

 水蛭子は葦舟に入れられて海へと流されたので、その漂流するイメージが恵比寿とリンクさせられたのです。

 卜部兼員によって「蛭子と申すは、今の西宮の大明神にて坐す」という神話の披露されたことが『太平記』に載っています。


 本殿には卸売市場の若者が奉納する大鮪もありました。

 それを見物するには長い列に並ばないといけないので、遠くから眺めて済ませました。

 鮪には小銭が幾つも貼り付けられており、その向かいには今年の福男の名前が掲げられていました。


 他にも岩倉具視の私邸の離れを移築した六英堂を神池から望みました。

 露店が並ぶところと打って変わり、人が少ない神池は静かで、池では鯉などが泳いでいました。

 西宮神社の神池は瑞寶橋でも有名ですが、青銅製の欄干を備えたその御影石の太鼓橋は通行止めで見られず、私は「えびすの森」が垣間見える道を歩き、南門から外に出てえべっさん筋を通りながら帰りました。

日本の神話に幾らかでも興味を抱いてもらえればと思い、日本神話を題材にしたマンガを以下に挙げさせていただきました。


赤塚不二夫『赤塚不二夫のまんが古典入門 古事記』

阿部高明『マンガ古事記』

石ノ森章太郎『マンガ日本の古典 古事記』

岩井渓『コミックストーリー/わたしたちの古典 古事記』

浮津『古事記 中辛』

大場もも『マンガでわかる日本の神様』

柿田徹『全解 絵でよむ古事記』

かゆみ歴史編集部編『マンガ 面白いほどよくわかる! 古事記』

こうの史代『ぼおるぺん古事記』

駒碧『マンガ古事記』

小室孝太郎・岩田廉太郎『マンガで親しむ出雲神話』

近藤たかし『マンガで読み解く 真説・古事記』

近藤ようこ『恋スル古事記』

五月女ケイ『レッツ!!古事記』

里中満智子『マンガ古典文学 古事記』

スタジオBEE『マンガと解説でよくわかる 古事記』

曽我篤士・工藤ケン『これならわかる!「古事記」』

鳥遊まき『重要ポイントとマンガでわかる! 古事記・日本書紀』

鷹羽遙『高天原ストーリー』

高室弓生『劇画古事記 神々の物語』・『えびす聖子』

瀧玲子『マンガ はじめて読む 古事記と日本書紀』

竹田恒泰監修『まんがで読む古事記』

谷口雅博監修『カラー版 一番よくわかる古事記』

千種ひよこ『まんが 萌え古事記』

手塚治虫『火の鳥 黎明編(漫画少年版)』・『火の鳥 黎明編』

鉄野昌弘監修『よくわかる古事記』

つだゆみ「日本の神様たち」・『マンガ遊訳 日本を読もう わかる古事記』・『マンガ遊訳 日本を読もう わかる日本書紀』

つぼいこう『古典漫画 古事記』

永倉ウケ「スサノオとヤマタノオロチ」

西上ハルオ『マンガ日本神話』

日本文化興隆財団『マンガならわかる!『日本書紀』 「神社検定」副読本』・『マンガならわかる!『事記』 「神社検定」副読本』

庭猫もる『超楽!古事記』

登龍太『古典コミックス 古事記』

バラエティ・ワークス『まんがで読破 古事記』・『まんがで読破 日本書紀』

東ゆみこ監修『神々のからさわぎ 日本神話編』

ひぐらしカンナ『ざんねんな神さま事典』

久松文雄『まんがで読む古事記』

平田真貴子『コミグラフィック 日本の古典(普及版) 古事記』

船堀斉晃「竹内悶書」・「阿頼耶の識」

ふわこういちろう『愛と涙と勇気の神様ものがたり まんが古事記』

フリーハンド『マンガでわかる古事記』

水木しげる『水木しげるの古代出雲』

みずきのりんご『ガチでヤバい日本の神話』

光山勝治『まんが「日本の神話」』

みのおひなせ『名著をマンガで! 古事記』

ムロタニ・ツネ象『日本一古い本 古事記びっくり物語事典』

もぐら『もぐらと奈加ちゃんが日本の神様にツッコミ入れてみた』

森有子『くもんのまんが古典文学館 古事記』

安彦良和『ナムジ』

山岸凉子「月読」

ヨザワマイ『日本の神様に出会う旅』

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