5口目
きげきたんの頭を撫でながら私は質問を投げかけた。
「事情は分かりました。それで私は何をすれば良いんですか?」
「いえ、何か特別な事をしていただくことはありません。ただ……」
「……ただ?」
「元の世界に帰る為の装置が壊れてしまいまして、修理が完了するまで三ヶ月ほど掛かってしまうよそうでして……」
「あぁ〜、なるほど。つまり帰れるのは三ヶ月後という事ですね」
三ヶ月間ここで暮らす事自体は大した問題じゃなく、一番の問題は三ヶ月間会社に出勤出来ないと言うこと…会社を休まなければいけない事…………連絡する手段がないから無断欠勤になってしまう事!
休む事やここに住む事は問題じゃない!
連絡する手段がない=無 断 欠 勤!
何よりもこれが一番良くない!
感情だけで言えば会社に行かなくて良いと言う事実に嬉しいという感情はあるが、事実として無断欠勤をして生活が出来なくなったら元も子も無い!
「分かりました、とりあえず何か連絡する出来る手段とか……あったりしますか?」
ダメ元で尋ねてみると、何か小声で話し合いをしだした。
少しするとバタバタし始めた。
「ぎゃう?」
「……ね、何話してるんだろうね?」
「ぎゃう、ぎゃうぎゃう……」
「うーん、会社か香苗に連絡さえ出来れば特に気にする必要は無いんだけどね………連絡出来なかったら大変じゃすまないんだよ」
「ぎゃ〜う、ぎゃぎゃぅぎゃう」
きげきたんの頭を撫でながら、話し合いが終わるのを待つ。
ただ連絡する手段があるかどうか聞いただけなのに、気づいたら一人……また一人と部屋を出ていく。
「ねぇねぇ、きげきたん」
「ぎゃう?」
「きげきたんはさ、ここの世界…え〜とサザクク? でどんな事やってるの? 」
「ぎゃう! ぎゃうぎゃう! ぎゃ〜う!」
相変わらず言葉は何を言ってるのか分からないけど、必死に身振り手振り…ジェスチャーでどういう事してるのか教えてくれた。
完璧に補完できた訳じゃないけど、きげきたんの身体の大きさを活かして何かを守るお仕事についてるみたい。
「へ〜、かっこいいじゃん。甘えん坊で寂しんぼのきげきたんが守るお仕事してるなんて」
「ぎゃぎゃうっ!」
「あはは、仕方ないでしょ〜? 私は一年前できげきたんのイメージは止まってる訳だしさ……そんなに怒んないでよ〜」
きげきたんのご機嫌が少しだけ斜めに、サザククの王様達は慌ただしくしている。
早く質問の答えくれないかなぁ……




