第1話 悪くない人生だった
初投稿です!
添削はAIにお願いしてますがオリジナルのストーリーです!
初めてなので、至らぬ点があるとは思いますが、
生暖かく見ていただければ幸いです
「おじいちゃん、まだ起きてるの?」
夜の十時。
孫のあきらから、そんな一言が飛んできた。
「おじいちゃんはこれからお楽しみだ。あきらはもう寝なさい」
これから昔から続けているゲームの時間だ。
孫と一緒にやりたい気持ちもあるが、こんな時間までゲームをさせていたら息子の嫁さんに怒られてしまう。
ここは大人しく寝てもらおう。
「おたのしみって、僕知ってるよ!」
「ほう?」
毎日のようにゲームをしていたら、さすがに気づくか。
「お布団にくるまってゴソゴソするやつだよね!!」
「違う!」
思わず大きな声が出た。
「もう遅いから寝なさい!」
「はーい!」
あきらは楽しそうに笑いながら部屋を出ていった。
「まったく……息子夫婦は何を教えてるんだ」
そんな怒りを頭の片隅に置きながら、いつものようにパソコンの前へ座る。
これが俺の日課だ。
昔は深夜遅くまで友人たちとゲームをして、朝日を拝んでから仕事へ行くなんて無茶もした。
仕事を終えれば、趣味のものづくり。
家具を作ったり。
家を弄ったり。
気になったものがあれば、とりあえず自分で作ってみる。
そんなことを繰り返しているうちに、気づけば八十五歳になっていた。
「…………歳を取ったもんだ」
モニターの横に置かれたコルクボードへ目を向ける。
そこには、何十年も前に撮った写真が何枚も飾られていた。
若い俺。
そして、馬鹿みたいに笑っている友人たち。
一人。
また一人。
長く生きていると、昔からの仲間が少しずついなくなっていく。
今も残っているのは――
六十五年来の友人、出口と杉田くらいだ。
ピコンッ。
ヘッドセットから音が鳴った。
『おっけぇぇぇぇい!!』
「うるせぇ!」
聞き慣れた馬鹿でかい声。
出口だ。
『もっちゃん! ゲームやろーぜー!!』
「お前は八十五になっても変わらんな」
本当にやかましい。
だが――
この声を聞くと、どこか安心する。
六十五年も聞いてきた声だからだろう。
『おっちゃんは?』
「まだ来てないな」
『あいつ寝てんじゃねぇの?』
「年寄りなんだから寝かせてやれ」
『俺たちも年寄りだろ!』
「お前は年寄りの自覚がなさすぎる」
『もっちゃんも人のこと言えねぇだろ!』
「俺はまだ常識がある」
『八十五歳で夜中にゲームしてるジジイのどこに常識があんだよ!』
「お前よりはある」
『なんだと!?』
くだらない。
本当にくだらない会話だ。
だが、こんなくだらないやり取りを六十五年も続けてきた。
ピコンッ。
もう一つ、通知音が鳴った。
『……お前ら、相変わらずうるさいなぁ』
「おっちゃん!」
杉田だ。
『おっちゃん遅ぇよ!』
『風呂入ってたんだよ。お前らと違って俺は清潔なんだ』
『俺だって風呂くらい入るわ!』
「昨日は入ったのか?」
『…………』
「出口?」
『……ゲームやろうぜ!』
『こいつ逃げやがった』
思わず笑ってしまう。
「まあいい。二人とも少し待ってくれ」
『なんだよ、もっちゃん。まだ準備してねぇの?』
「今ゲームを起動しているところだ」
最近、出口はシミュレーションゲームにお熱らしい。
領地を発展させ、兵を集め、他国と戦いながら勢力を広げていく。
俺も昔からこの手のゲームが大好きだった。
今やっているゲームも、いよいよ終盤。
残すところ最後のチャプターだけだ。
「今日でクリアするぞ」
『おっ、ついに?』
「ああ。ここまで長かった」
『もっちゃん、こういうゲームだけは昔から異常にやり込むからな』
「だけは余計だ」
画面にゲームのロゴが表示される。
『終わったら俺らの方来いよ!』
「分かってる。ちょっと待ってろ」
マウスへ手を伸ばした。
その時だった。
「…………ん?」
胸の奥に、妙な違和感が走った。
「……なんだ?」
次の瞬間。
「ガハッ!!」
突然、息ができなくなった。
「ゴホッ! ゴホッ!!」
胸が痛い。
身体に力が入らない。
「う……ぅぅ……」
ガタンッ!!
椅子から崩れ落ちる。
『もっちゃん?』
ヘッドセットから出口の声が聞こえる。
『おい、もっちゃん?』
返事をしようとしても声が出ない。
『おい! どうした!?』
『もっちゃん!?』
杉田の声も聞こえる。
『おい!! 返事しろ!!』
『もっちゃん!!』
『出口! 電話しろ! 家族に連絡しろ!!』
『分かってる!!』
二人の声が遠くなっていく。
ああ。
これは――
まずいな。
薄れていく意識の中。
モニターを見る。
ゲームのタイトル画面がぼんやりと光っていた。
「…………クリア……したかったな」
そんなことを考えながら。
俺は――
意識を手放した。
なるべく毎日更新しようと思うので応援よろしくお願いします!




