前公爵夫人と話す
結婚生活が始まり1週間が経過しました。
特に何事も無く穏やかに日常を過ごしております。
そして、この1週間で公爵家の内情というのがわかってきました。
どうやら普通の貴族とは違うみたいなのです。
まず前公爵夫人であり義母であるローザ・クロスフォード様、普通に中庭で庭いじりとかされています。
初めて見た時は驚いてしまいましたがローザ様曰く『体を動かさないと退屈でしょうがない』との事です。
勿論、前公爵夫人として私に色々と教えてくれます、ていうかマニュアルが用意されています。
そこには付き合いのある貴族の名前が載っていて趣味嗜好は勿論の事、好物とかが書かれていてお茶会の時の対策が万全です。
ローザ様が嫁いできた頃はクロスフォード公爵家はかなり荒れていた状態だったそうでローザ様も味方がいなかったそうです。
それをローザ様は孤軍奮闘した結果、まず使用人達の信頼を勝ち取り徐々に公爵家での発言権が強くなっていったそうです。
そんな話を私はローザ様に呼び出され聞きました。
「お義父様とは最初から関係が良かったのでは無いのですか?」
「あの人は仕事人間で最初の頃は放置されていたわ、その扱いが使用人達にも移っちゃったのかもしれないわね、リリックもその気があるから貴女から積極的にコミュニケーションを取りなさい」
心のメモに刻んでおこう。
「お義父様とはいつから近くなったんでしょうか?」
「これも恥ずかしい話なんだけど庭いじりをしながら愚痴を声に出しちゃっていたのよね、それを聞かれちゃったのよ。 驚いたみたいよ、一応私も実家は公爵家だし貴族としての嗜みを学んできたから素を見せる事をしてこなかったから、そんな私が愚痴を言っていたから興味を持ったみたいでそれからはお互い本音で話す事が出来る様になったわ」
なるほど、やっぱり本音を出す事が大事なんですね。