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検査結果
3日後、どうやら超特急でやってくれたようで、結果ができたという報告を彼から受けた。
その間に、研究所へと振り込みを行う。
いつもの通りに、俺の銀行口座からの振り込みだった。
研究所へと出向くと、彼の研究室へとすぐに向かう。
「待っていたよ」
中へ入ると今度は何も聞かずに、俺の顔を見たとたんに茶封筒を彼は渡してきた。
「どうだった」
封筒の中身を確認しながら、俺は彼に聞く。
「こいつはやばいぞ。裏金融界のドンだ。世界中のマフィアの最上層部ともコネを持つと言われている人の指紋とDNAが微量ながら検出された」
「…そうか、わかった、ありがとう。費用についてはもう振り込んどいたから」
「気をつけろよ」
部屋から出ていく時、彼が俺にそう声をかけた。
それが、彼と出会った最後の記憶だ。
翌日、彼は蒸発した。