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季詞  作者: 薄桜
5/8

水無月の空

時刻は夜の7時辺り。


普段の私はこの時間、必ず家にいるけれど、今日は特別用事があって、珍しく外にいた。

だから、普段と違う色の世界に思わず見とれてしまった。


・・・空が凄い。


挿絵(By みてみん)


電車を待つ人には、何の変哲も無い景色なのかもしれない。

しかし、私は嬉しくて仕方がなくて、カバンからカメラを取り出した。

良さそうな景色を何度か収め、道の中程にある電停から、いくつかの好奇の視線を向けられた。


人の判別のつきにくい明るさの道を、右に曲がって西を向くと、空の色に更にときめく。


挿絵(By みてみん)


電柱から何本も伸びる電線の影をアクセントにして、空を撮ってみた。

しかし、モニターで画像を確認してがっかりした。

この景色の凄さが、さっぱり取り込めていない。


挿絵(By みてみん)


開けた場所で、天から伸びる光の階段も写したが、これも半分も収められなかった。


何度撮り直しても、満足出来るだけのものは撮れず、次第に光は弱くなり、あの感動は完全に、過去のものになり、また違った色が空を染めた。


留められない時間。


収められない美しさ。


伝えられない悔しさ。


つくづく私は無力だな・・・と、空を見ながら思った。

この事だけでなく、色々な所でそう思うのだ。


けど、そう浸ってもいられない。


・・・帰ってご飯を作らねば。

これでも頼りにしてくれてる子供達と旦那がいる。


うん、このまま拗ねてちゃいかんよな。

どうせ旦那が先に帰ったって、ご飯の順番なんかしてくれないんだ。


そこに不満もあるけど、私の場所だ…と、思う事にしておこう。


6月の暗くなった空の下で、ただの主婦はそう考えた。

とても久しぶりで、今更水無月だったり、以前と雰囲気違いますが・・・。

えーと、ご勘弁願います!!

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