事業の子会社化!
あっちへこっちへと忙しく、今度は王都の郊外にある運河沿いの造船所へやって来た。
この造船所は新しく作った造船所で、最大で全長300mの船まで建造が可能で、5つのドックがある。さらにこの巨大な造船所を巨大な建物が覆い、軽油エンジンで動く世界最大のクレーンが各ドックに設置されている。
今は、重油エンジンを使った試作の船を2隻と、受注を受けて建造してる全長150m程ある蒸気機関で動くの貨物船を1隻作っている。
「近くに寄ると巨大ですなぁ。」
そんな造船所へ一緒にやって来てるのはタンデヴィシュ皇国宰相のウェストランド公爵で、先日の交渉の席で「是非、試作船を見てみたい。」との要望を受けて、ご招待した。
「皇城を除けば国内でも最大級の建築物だと思います。」
「ほぉ、中はほとんど柱が無いが、どうやってこんな巨大な建物を支えているのだ?」
「新たに作成した建築用の鋼鉄を使って建物を支えています。今は、これで限界ですが、いつかはこの倍ほどの大きさまで作れるようにしたいと思っています。」
「夢がつきませんなぁ...」
その後もクレーンのある高所へと宰相を案内して、宰相が高さに腰を抜かしたり、試作船の巨大スクリューを見て腰を抜かしたり、試作の重油エンジンの巨大なエンジン音に腰を抜かしたりと、腰が抜けまくった宰相だが、満足した様子で部下の者達に支えられて帰っていった。
今度は商会に戻って書類を整理してるのだが、増えすぎた事業と進行中の計画や開発の関係の書類が溜まりにたまって、机の天板は見えなくなっており、処理するのもとても一人で出来そうにない。そこで、事業をそれぞれ子会社として分割し、作業を分割することにした。
・リバーサイド鉱業
コークスの作成や鉄の精錬と鉄道のレールの製造。
・リバーサイド工業
ランプを始めとした工業製品の製造と、鉄道車両の開発製造を行う。
・リバーサイド自動車
自動車部品の製造並びに自動車の組立。
・リバーサイド造船
船舶の部品製造や造船。
・リバーサイド石油
石油の精製と石油の供給を行い、石油はアル石油商会から購入する。
・リバーサイド運輸
トラックや貨物船による物流を行う。
・リバーサイド鉄道
今後、建設される鉄道の運営と管理を行う。
・リバーサイド倉庫
工業製品や各種原料の倉庫を管理する。
・リバーサイド人材派遣
貴族や豪商の家に臨時の人材を派遣する。
・リバーサイド商会
全ての子会社の総元締めで、子会社の管理や子会社の製品の販売を行う。
これによって作業分担が行われたリバーサイド商会は、破竹の勢いで勢力を強め、ついには競争相手の老舗商会や新興商会を駆逐し、タンデヴィシュ皇国最大の商会となり、周辺国家の商会はいつ自分達の市場が奪われるか、戦線飄々とした毎日を送ることとなる。




