表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/16

第11話

 3限が終わると、

「赤城、ちょっと話がある」

と紺野先生に呼び出された。

「お前、魔力のコントロール出来ないんだって?学長が、俺とお前は魔力の属性が似ているから特訓してやれってさ。という訳で、6限が終わったら昇降口まで来い」

めんどいけど……

ぼそっと聞こえたのは気のせいだと思っておこう。

紺野先生は欠伸をしながら教室から出ていった。



 そして、その日の夕方。

待ち合わせ場所の昇降口へ行くと、紺野先生が待っていた。

朝とは違い、なんだか生き生きしている。

「よう、来たか。じゃあ行くぞ」

と、近くにあった消火栓のドアを開ける。

「行くって……そんな所から何処へ?」

「いいから、着いて来い」

ドアの向こうを見てみると、階段が下の方へ続いているのが見えた。

紺野先生はどんどん下へ降りていく。

あたしも恐る恐る着いていくと……

たどり着いたのは体育館だった。

広さはバスケットコート2面分。

地下室としてはかなり広いだろう。

窓は当然無いが、その他に変わったところは見つからない。

「ここで魔力のコントロールを覚えてもらう。この空間は普通科の生徒しか入れないし、窓がないから当然外からは覗けない。学長の強力な結界が張ってあるから、少々ヘマして火の海にしても、壊れたりしないから安心していいぞ」

そう言うと、

ドロン!!

煙の中から現れた先生には、銀色の耳と尻尾が付いていた。

「ん?なんだ、本性を見るのが初めてなのか?」

驚きで声が出ないから、こくん、と頷く。

「獣の一族は、いつも人間に変化へんげしている。幼少期は耳も尻尾も出したままだ。年齢はまちまちだが、成長と共に変化できるようになる。まあ、魔力が大きいほど早く出来るようになる傾向があるがな」

「なんで元の姿に戻ったんですか?」

「だってお前、訳アリでも赤城の姫だろ?魔力が暴発したら、人間の姿じゃ止められねえよ」

「んじゃ、始めるぞ。見てろ」

先生はそう言うと右手を上向きに出した。

「魔力を使う時は、体内での流れを感じ取り、その流れをコントロールしなきゃならない。

で、流れを感じ取ったら……」

ボッ!

手の平に、握り拳程度の青い炎が出現した。

「こんな風に魔力を外に押し出してやる。押し出したら、イメージをしっかり持ちながら形を維持する。まずは、ここまでやってみろ」

「はい……」

右手を上向きに出して集中する……

待ってみる……

ぷしゅ~

何かが抜ける音と白い煙が出た。

「うっわ……まだそこの段階かよ」

先生は呆れ顔。

「お前、前に炎を使ったんだろ?そん時を思い出せ」

あの時はどうだったっけ?

ゆきと二人で襲われた時、あたしの中にあったのは、怒りと恐怖、それと……

途端に体が熱くなる。

そうだ、そのまま右手に熱を持ってくる。

ズズズ……

エネルギーが血管に沿って移動していくのを感じる。

「おい……、待て、マズい!ストップ、ストップ!」

はっと我に返った瞬間、

ゴウッ!

手の平から赤い炎が一気に溢れ出した。

みるみるうちに体育館に燃え広がる。

「うわぁ!」

驚いて手を振ると、手の平から溢れ出ていた炎は消えた。

そこから徐々に体育館内の炎が消えていく。

燃えてしまったはずの体育館には傷一つ着かなかったのだが……。

「ゲホッ……」

目の前には、所々が焦げた先生が立っている。

銀色だった尻尾の先も、黒く焦げて縮れていた。

「前途多難だなぁ、おい」

先生の額には青筋が……

「ごめんなさい」

黒焦げにしたことを、ひたすら謝るしかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ