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金曜ゴールデン特番。
『超人気者大集合SP』
生放送。
大型スタジオ。
観覧席満員。
スポンサー大量。
そして。
今日のメインゲスト紹介テロップ。
【ドームツアー完走!国民的人気グループ・種馬ズ登場!!】
歓声。
悲鳴。
拍手。
「キャアアアアア!!」
「種馬ズーーー!!」
司会者もテンションが高い。
「今一番チケット取れないグループですよ!!」
「ありがとうございますなのだぁ♡」
レイが即反応。
今日はバラエティ仕様。
派手なジャケット。
金アクセ。
でも座り方は妙にだらけている。
一方。
黒崎は綺麗に座る。
神谷は静かに会釈。
ハルはずっと手を振っている。
完全にいつもの構図。
だが。
扱いは明らかに“大物”。
スタッフの動き。
カメラ数。
紹介尺。
CM跨ぎ。
全部特別扱いだった。
今の種馬ズは、
テレビ局側から見ても“数字を持ってる存在”である。
司会者が笑う。
「いや〜忙しいでしょ最近!」
黒崎がマイクを持つ。
「ありがたいことに、本当に色々やらせてもらってます」
安定。
安心感。
司会者も乗りやすい。
「ドラマもすごかったもんね!」
観客歓声。
スクリーンに、
レイ主演ドラマ映像。
「37%からの最終回38%ですよ!?」
「すごーーい!!」
「化け物数字!!」
レイ、
ドヤ顔。
「のだっ♡」
だが。
次の瞬間。
「そのおかげでぇ〜〜♡」
嫌な予感。
「吾輩の初期グッズ市場が大変なことになってるのだぁ♡」
「またその話!?」
スタジオ爆笑。
司会者も笑い崩れる。
「本当に毎回言うね!?」
「資産なのだぁ♡」
「アイドルが資産って言うな!」
観客大爆笑。
現在。
レイの“転売ネタ”は、
半分持ちネタ化していた。
もちろん本当にやっているので危ない。
だが本人が隠さないせいで、
逆にバラエティでは笑いになる。
その絶妙な危うさが、
今のレイ人気の理由の一つだった。
司会者が神谷を見る。
「神谷くん最近どう?」
神谷。
数秒止まる。
「……観葉植物増えました」
観客、
「かわいい〜〜!」
司会者も慣れている。
「また増えたの!?」
「……はい」
「どれくらい?」
「……17鉢」
「多いな!!」
神谷は少し困った顔をした。
その表情だけで歓声が上がる。
今の種馬ズは、
全員ちゃんとキャラが浸透していた。
黒崎=苦労人リーダー
神谷=静かなコミュ症
ハル=犬
レイ=終わってるセンター
テレビ側も扱いやすい。
司会者は今度はハルへ。
「ハルくんは?」
「最近焼肉いっぱい行った!」
「元気!!」
「レイ君が奢ってくれた!」
観客「おお〜!」
レイ、
真顔。
「経費なのだぁ」
「最低!!」
「将来的なチーム投資なのだぁ♡」
「言い方!!」
ハルはケラケラ笑っていた。
本当に楽しそう。
司会者が感心する。
「種馬ズって仲いいよね〜」
黒崎が苦笑する。
「まあ……ずっと一緒なんで」
「レイ君とかうるさくない?」
静止。
三人、
無言でレイを見る。
レイ。
「のだっ♡」
満面の笑み。
神谷が静かに言う。
「……うるさいです」
観客爆笑。
ハルも頷く。
「夜中に急にグッズ相場の話する!」
「するのだぁ♡」
「“今市場が熱い”って」
「熱いのだぁ♡」
黒崎がため息をついた。
「最近もう株トレーダーみたいなんですよ」
「やだ怖い!」
レイは腕を組んだ。
「芸能界は価値なのだぁ」
「また深そうなこと言い始めた!」
「人気があるうちに市場を育てるのだぁ♡」
「怖い怖い!!」
だが。
観客は笑っていた。
今のレイは、
“危なっかしいけど妙に面白い男”
として完全に定着している。
そして。
ちゃんと売れている。
そこが強い。
その時。
司会者が話を切り替える。
「さあ!今日は新曲もあります!」
歓声。
スクリーンにタイトル。
【愛しの人参】
観客、
「きゃーーー!!」
司会者も笑う。
「タイトルだけ聞くと本当に意味分かんない!」
「のだっ♡」
「でも歌詞めっちゃいいんだよね!」
「ありがとなのだぁ♡」
司会者は少し真面目な顔になる。
「なんか“生活感あるラブソング”って感じで」
黒崎が頷いた。
「派手じゃない幸せみたいな曲ですね」
神谷も小さく頷く。
ハルは笑顔。
レイは。
「人参は大事なのだぁ」
「そこだけ聞くと本当に分かんない!」
スタジオ爆笑。
そして。
番組後半。
ライブパート。
暗転。
歓声。
五万人ドームを経験した今の種馬ズは、
テレビスタジオでも空気を支配する。
イントロ。
照明。
『愛しの人参』。
観客たちは静かに聞いていた。
レイも今日はちゃんと歌っている。
変なアドリブも少ない。
画面越しでも伝わる。
「あ、やっぱ売れてる理由あるな」
と思わせる瞬間が、
確かにある。
歌い終わる。
拍手。
歓声。
司会者も感動気味。
「いや〜〜いい曲!!」
「ありがとなのだぁ♡」
「でも最後に“おかわりあるのだぁ?”って入るのズルい!」
観客大爆笑。
レイはニヤニヤしていた。
エンディング。
出演者全員集合。
司会者が言う。
「今年本当に忙しかったでしょ?」
黒崎が笑う。
「かなり濃かったですね」
「来年の目標は?」
レイ、
即答。
「グッズ市場安定化なのだぁ♡」
「違うだろ!!」
「海外展開なのだぁ♡」
「だから転売基準で喋るな!!」
スタジオが笑いに包まれる。
カメラが引いていく。
種馬ズ。
今や。
完全に“売れてる側”の空気を持つグループになっていた。




