表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
種馬ズ  作者: 雪だるま
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/57

23

金曜ゴールデン特番。


『超人気者大集合SP』


生放送。


大型スタジオ。


観覧席満員。


スポンサー大量。


そして。


今日のメインゲスト紹介テロップ。


【ドームツアー完走!国民的人気グループ・種馬ズ登場!!】


歓声。


悲鳴。


拍手。


「キャアアアアア!!」


「種馬ズーーー!!」


司会者もテンションが高い。


「今一番チケット取れないグループですよ!!」


「ありがとうございますなのだぁ♡」


レイが即反応。


今日はバラエティ仕様。


派手なジャケット。


金アクセ。


でも座り方は妙にだらけている。


一方。


黒崎は綺麗に座る。


神谷は静かに会釈。


ハルはずっと手を振っている。


完全にいつもの構図。


だが。


扱いは明らかに“大物”。


スタッフの動き。


カメラ数。


紹介尺。


CM跨ぎ。


全部特別扱いだった。


今の種馬ズは、

テレビ局側から見ても“数字を持ってる存在”である。


司会者が笑う。


「いや〜忙しいでしょ最近!」


黒崎がマイクを持つ。


「ありがたいことに、本当に色々やらせてもらってます」


安定。


安心感。


司会者も乗りやすい。


「ドラマもすごかったもんね!」


観客歓声。


スクリーンに、

レイ主演ドラマ映像。


「37%からの最終回38%ですよ!?」


「すごーーい!!」


「化け物数字!!」


レイ、

ドヤ顔。


「のだっ♡」


だが。


次の瞬間。


「そのおかげでぇ〜〜♡」


嫌な予感。


「吾輩の初期グッズ市場が大変なことになってるのだぁ♡」


「またその話!?」


スタジオ爆笑。


司会者も笑い崩れる。


「本当に毎回言うね!?」


「資産なのだぁ♡」


「アイドルが資産って言うな!」


観客大爆笑。


現在。


レイの“転売ネタ”は、

半分持ちネタ化していた。


もちろん本当にやっているので危ない。


だが本人が隠さないせいで、

逆にバラエティでは笑いになる。


その絶妙な危うさが、

今のレイ人気の理由の一つだった。


司会者が神谷を見る。


「神谷くん最近どう?」


神谷。


数秒止まる。


「……観葉植物増えました」


観客、

「かわいい〜〜!」


司会者も慣れている。


「また増えたの!?」


「……はい」


「どれくらい?」


「……17鉢」


「多いな!!」


神谷は少し困った顔をした。


その表情だけで歓声が上がる。


今の種馬ズは、

全員ちゃんとキャラが浸透していた。


黒崎=苦労人リーダー

神谷=静かなコミュ症

ハル=犬

レイ=終わってるセンター


テレビ側も扱いやすい。


司会者は今度はハルへ。


「ハルくんは?」


「最近焼肉いっぱい行った!」


「元気!!」


「レイ君が奢ってくれた!」


観客「おお〜!」


レイ、

真顔。


「経費なのだぁ」


「最低!!」


「将来的なチーム投資なのだぁ♡」


「言い方!!」


ハルはケラケラ笑っていた。


本当に楽しそう。


司会者が感心する。


「種馬ズって仲いいよね〜」


黒崎が苦笑する。


「まあ……ずっと一緒なんで」


「レイ君とかうるさくない?」


静止。


三人、

無言でレイを見る。


レイ。


「のだっ♡」


満面の笑み。


神谷が静かに言う。


「……うるさいです」


観客爆笑。


ハルも頷く。


「夜中に急にグッズ相場の話する!」


「するのだぁ♡」


「“今市場が熱い”って」


「熱いのだぁ♡」


黒崎がため息をついた。


「最近もう株トレーダーみたいなんですよ」


「やだ怖い!」


レイは腕を組んだ。


「芸能界は価値なのだぁ」


「また深そうなこと言い始めた!」


「人気があるうちに市場を育てるのだぁ♡」


「怖い怖い!!」


だが。


観客は笑っていた。


今のレイは、

“危なっかしいけど妙に面白い男”

として完全に定着している。


そして。


ちゃんと売れている。


そこが強い。


その時。


司会者が話を切り替える。


「さあ!今日は新曲もあります!」


歓声。


スクリーンにタイトル。


【愛しの人参】


観客、

「きゃーーー!!」


司会者も笑う。


「タイトルだけ聞くと本当に意味分かんない!」


「のだっ♡」


「でも歌詞めっちゃいいんだよね!」


「ありがとなのだぁ♡」


司会者は少し真面目な顔になる。


「なんか“生活感あるラブソング”って感じで」


黒崎が頷いた。


「派手じゃない幸せみたいな曲ですね」


神谷も小さく頷く。


ハルは笑顔。


レイは。


「人参は大事なのだぁ」


「そこだけ聞くと本当に分かんない!」


スタジオ爆笑。


そして。


番組後半。


ライブパート。


暗転。


歓声。


五万人ドームを経験した今の種馬ズは、

テレビスタジオでも空気を支配する。


イントロ。


照明。


『愛しの人参』。


観客たちは静かに聞いていた。


レイも今日はちゃんと歌っている。


変なアドリブも少ない。


画面越しでも伝わる。


「あ、やっぱ売れてる理由あるな」


と思わせる瞬間が、

確かにある。


歌い終わる。


拍手。


歓声。


司会者も感動気味。


「いや〜〜いい曲!!」


「ありがとなのだぁ♡」


「でも最後に“おかわりあるのだぁ?”って入るのズルい!」


観客大爆笑。


レイはニヤニヤしていた。


エンディング。


出演者全員集合。


司会者が言う。


「今年本当に忙しかったでしょ?」


黒崎が笑う。


「かなり濃かったですね」


「来年の目標は?」


レイ、

即答。


「グッズ市場安定化なのだぁ♡」


「違うだろ!!」


「海外展開なのだぁ♡」


「だから転売基準で喋るな!!」


スタジオが笑いに包まれる。


カメラが引いていく。


種馬ズ。


今や。


完全に“売れてる側”の空気を持つグループになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ